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④男子校の放課後-4-
しおりを挟む「二人共遅ぇな」
古典の課題を取りに行くだけなのに、何時まで経っても戻ってこないミスリルとヴィクトワールにマルスは苛立ちを隠せないでいる。
「先生に雑用を言いつけられているので抜け出せないのでしょうか?」
「・・・とにかく、あの二人を見つけるのが先だな」
三人はAクラスの教室へと向かう。
「おいっ!二人共「「しっ!」」
Aクラスの教室の前でミスリルとヴィクトワールを見つけたマルスが大声を上げるのだが、おせっせの最中の美少年と兄貴に気付かれる訳にはいかないので、二人は慌てて騎士団長子息の口を塞ぐ。
「ミスリル?ヴィクトワール?」
「「教室を見て下さい」」
小声で早く言った二人に従い、三人は僅かに開いている扉から教室を覗く。
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「現在、四回戦に入ったところです」
(((数えていたのかよ!!?)))
ゴツイ兄貴が女役で華奢な美少年が攻めをしている事に驚きもしたが、ヴィクトワールが二人のファイト一発を数えていたという事実にシュトローム達は心の中でツッコミを入れざるを得ないでいる。
「・・・・・・帰ろうか」
「そうですね」
「今日の事は、犬に噛まれたものとして忘れるようにしましょう・・・」
目の前で繰り広げられている光景に遠い目をしてしまったシュトロームの言葉に従い、一同は寮へと帰るのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」
寮に戻ったまでは良かったが、今日の出来事が余りにも衝撃的だったのか、背景に陰々鬱々なオーラを背負ってしまった五人は夕食を殆ど口にする事が出来なかった。
それだけではなく、二人のおせっせを夢にまで見てしまい魘されてしまった結果、古典の課題を提出できなかった五人が教師のアインストに叱咤されたのは言うまでもない。
余談であるが、自分好みの男子の童貞と処女を奪う色情霊が医務室に棲んでいるので、医務室の怪談はガチで本物であったりするのだった。
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