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1章
31話
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「…っ」
眼の奥が痛む。
チクチクと、刺すような耐えられるけれど不快な痛みはホウアン様が言っていた治る為の痛みなのだろう。
「…ティア、大丈夫か?」
心配そうなレイジュの声に笑みを浮かべる。
「大丈夫です…少しだけ痛みますが耐えられる痛さなので」
「無理に耐えなくていい、痛み止を…」
「レイジュ、大丈夫…このくらい我慢しないと」
頬に触れたレイジュの手。
目薬の塗布後に運ばれた寝台。
背中にはたっぷりの枕。
上体が楽なようにとレイジュが沢山用意してくれていた。
「だが…」
「レイジュは心配性ですね。ありがとうございます…本当に耐えられなければお願いしますから」
まがりなりにも自分も薬師だ。
材料さえあれば痛み止も調合できるし、ホウアン様が持ち帰って来てくださっていれば、調合済みのよく効く痛み止もあるから、心配はしていない。
「なら、なにか飲んだり食べたりは?」
「朝御飯をいただいたばかりですよ、大丈夫…レイジュは椅子?大変じゃないですか?」
心配してくれるのは嬉しいけれど、それは申し訳ない。
それでもこうしていてくれるだけで気持ちが落ち着く。
それから数刻の後、痛みもなくなり落ち着くとやはりうとうとしてしまう。
「ティア、ゆっくり眠っていい…大変だったな」
レイジュの手が優しく頭を撫でる。
その手に無意識に擦り寄って、ティアは眠りに落ちたのだった。
眼の奥が痛む。
チクチクと、刺すような耐えられるけれど不快な痛みはホウアン様が言っていた治る為の痛みなのだろう。
「…ティア、大丈夫か?」
心配そうなレイジュの声に笑みを浮かべる。
「大丈夫です…少しだけ痛みますが耐えられる痛さなので」
「無理に耐えなくていい、痛み止を…」
「レイジュ、大丈夫…このくらい我慢しないと」
頬に触れたレイジュの手。
目薬の塗布後に運ばれた寝台。
背中にはたっぷりの枕。
上体が楽なようにとレイジュが沢山用意してくれていた。
「だが…」
「レイジュは心配性ですね。ありがとうございます…本当に耐えられなければお願いしますから」
まがりなりにも自分も薬師だ。
材料さえあれば痛み止も調合できるし、ホウアン様が持ち帰って来てくださっていれば、調合済みのよく効く痛み止もあるから、心配はしていない。
「なら、なにか飲んだり食べたりは?」
「朝御飯をいただいたばかりですよ、大丈夫…レイジュは椅子?大変じゃないですか?」
心配してくれるのは嬉しいけれど、それは申し訳ない。
それでもこうしていてくれるだけで気持ちが落ち着く。
それから数刻の後、痛みもなくなり落ち着くとやはりうとうとしてしまう。
「ティア、ゆっくり眠っていい…大変だったな」
レイジュの手が優しく頭を撫でる。
その手に無意識に擦り寄って、ティアは眠りに落ちたのだった。
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