思い上がりの勇者パーティーに女神の裁きを

はなまる

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第1章 勇者を裁くだけの簡単なお仕事を始めました

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 勇者はどんなに強くても、 仕事の内容は冒険者と変わりません。 勇者も冒険者学校で、じっくりと教育すればいいと 思っている人もいることでしょう。
 しかし、今の勇者は人を一切傷つけられないから、 カンストの時とは逆に、 勇者の方が人間にいじめられたり乱暴 される可能性があります。
 いや、 自分よりあっさり強く なって面白くない相手を、 一方的に好き勝手できるのですよ。 絶対に 敵意を燃やして、勇者に 何らかの攻撃を 行うはずです。
 もしも女勇者が集団で男の人に襲われたら・・・・・・ 考えたくもありません。

 それに勇者は、 どこの国でも 即時戦力として活躍する実力があるから、 それぞれの出身地の神殿で 個別に教育した方が都合が良いのです。

 まず 女神の神託を受けた子供達が、神殿に集められます。 その中で能力や性格がふさわしいものが聖女、 もしくは聖者として選ばれます。
 勇者候補も神殿で生活し、 品行方正になるようにしっかりと教育していきます。

 これでどうして、 勇者の 性格が歪んでしまうかと言うとですね。神殿が閉鎖的だと言う 弊害があるからです。
 俗世に触れると 、今までどれだけの事を我慢させられたかに気づいてしまいます。 そして勇者は人々からちやほやされて、 欲望の甘美な味を知ってしまうのです。
 聖女や聖者の 中にも堕落しきってしまった者がいると聞きます。
 勇者システムはもはや破綻してしまっているのです。
 いえ、 カンストの時からすでに 綻びが生じていたのかもしれません。

 各国から集められた連合軍と B ランク以上の冒険者たちが、要塞国 ガードラインで 魔族の進行を常に防衛しています。
 勇者は必要ないのでしょうか。いざその存在が消えると、魔王が本腰を入れて牙を剥く可能性があるから、牽制 としての道具ーー 勇者という諸刃の剣を振りかざし 続けなければならないのです。

 世の中は理不尽で世知辛いものですが、 誰が悪いというわけではありません。 世界の理にすぎないのです。

 などと 脳内で誰かに言い訳しているわけではありませんよ。本当ですよ?




 私は冒険者ギルドの受付に向かい、 受付嬢の オーラナに アシュトン一行がしでかしたことと、 私がパーティーを離脱することを 伝えました。

「 では詳しいことは、 書類に記入してください」

 オーラナが 一枚の紙とペンを私に渡してきます。 私は必要事項をスラスラと書いていきました。
 まずパーティーを離脱すること。 その理由。 新しく希望するパーティーの条件など、記入欄を埋めて いきます。 女神の裁きの内容も忘れてはいけませんね。

 ガルヴァスは、 書類に必要明記を殴り書きしているようです。

「 読めない文字だと受理されませんよ?」
「 しかし、文字というのは学生の頃から苦手でな」

 ガルヴァスの 焦る様子に、 私は思わずクスリと笑ってしまいました。

「 やっぱり、ガルヴァスさんはお父さんみたいですね」
「 俺はまだ22歳だと言ってるだろ!」

 あらら、 怒らせてしまいましたね。 私が全面的に悪いから、お詫びをすることにしましょう。

「 彼の代筆をしてもいいですか? 今度、仲間になりたいと思っているんです」
「 構いませんよ」

 オーラナの 許可を取って、 私はガルヴァスの 書類に必要事項を 記入してあげました。

「 俺は魔法の武器を持ったところで、先の国に進む実力はないぞ。 それでもいいのか?」

 そんなことを気にしていたのですか 。何の問題もありませんよ。

「 心配しないでください。 私の目的地は 始まりの国アインラッシュですからね」

 アシュトン 一行のせいで、私の心はすっかり疲弊しています。 のんびりと過ごしたいのですよ。

「 待つのじゃ。その前にわしとの約束を果たしてもらうぞ」

 そうでした。リゼの護衛依頼が ありましたね。
 

 

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