思い上がりの勇者パーティーに女神の裁きを

はなまる

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第4章 勇者候補に 女神の裁きを与えることにしました

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 真剣を使っての 決闘よりかはマシですよね。
 冒険者ギルドに向かうことになりました。すると、またもや オーラナが 受付で出迎えてくれます。

「 ルナマリアさん、いらっしゃい」
「やはり、 私を追いかけてきたのですね・・・・・・」
「 それが私の職務ですからね」

 オーラナは 当然のように話してますけど、 事情を知らない人が聞いたら混乱すると思いますよ。 
 クロードとロニが 目を丸くしてるじゃないですか。 同じようなリアクションで仲が良いですね。 この調子で仲直りしてくれるといいんですけど、 そう上手くいくわけがないですよね。
 クロードは正気に戻ると、 オーラナに依頼書を呈示しました。

「 この依頼を受けます」
「切り裂き魔の事件の依頼ですね」

 オーラナは ハンコを押して、 依頼を受けることを許可しました。

「僕か、ここにいるロニが 依頼を達成できたら報告しに来ます」
「 それでは気をつけて依頼達成に励んでくださいね」

 オーラナは 営業スマイルを浮かべました。 男性冒険者の中には彼女の笑顔を見たいがために 張り切っている人もいるんですよね。 女性冒険者に対しても女性特有の悩みを聞いたりして、 冒険者と友好的な関係を築き上げています。 彼女は 有能な受付嬢なのですよ。
 ・・・・・・ 最近は私のストーカーのような存在に成り下がっているのですけどね。
 
 それよりも、 依頼内容を確認することにしましょう。

 事件を解決するのは普通、衛兵の 仕事です。しかし、 今回の事件は特殊なようで、 犯人は神出鬼没。 何かしらのスキルを使って 逃走しているようです。 犯人は 衛兵では 太刀打ちできないほどの実力のようで、 ある程度実力のある冒険者に依頼が出されることになりました。
 依頼を受けられる最低ランクは D とされています。 果たして、クロードは大丈夫なのでしょうか。
 優秀な オーラナが 確認を怠るとは思えません。
 でも一応、 クロードの冒険者ランクを確認することにしましょう。

「 クロード君の冒険者ランクはいくつですか?」
「 僕は D ランクですよ」

 1年前の クロード は Eランクでしたけど、 少しずつだけど実力が伸びて ランクを上げることができたのですね。

「 おめでとうございます」
「 まだまだ自慢できるほどの実力ではないのですけどね。 ありがとうございます」

 クロードは素直でいい子ですね。 それに対して、ロニは・・・・・・。

「 本当に自慢できることじゃないね。 その程度の実力で 事件を解決できるとでも思ってるわけ? 僕に任せて、尻尾を巻いて逃げ出したらどうなの?」

 どうして、こんなに性格が悪いのでしょうか。

「 僕は逃げないよ」
「 後で後悔しても知らないからね」

 ロニは 一人で行ってしまいました。【神の眼】で 居場所を確認することができるから、 今はそっとしておくことにします。
 クロードはどうするのでしょうか。 私が見守っていると、 彼は冒険者ギルドの図書スペースに向かい、 町内周辺の見取り図を 紙に書き写していました。 そして印をつけていきます。 印をつけている場所はどうやら事件 現場のようです。

「 冒険者としての基本がしっかりと身に付いているようだな」

 ガルヴァスは、 クロード に感心しているようでした。 ひょっとしたらクロードは、私よりも冒険者としてしっかりしているかもしれません。
 本当は クロード のような子が勇者になるのが一番なんですけどね。 ままならないものです。

 クロードは次に事件現場周辺に赴き、 聞き込み調査をすることにしました。

「 切り裂き魔について、何か知っていることはありませんか?」
「 足音もなく突然現れるそうよ」
「 被害者の証言では見えない刃物に切り裂かれたって話だって」
「 一般人レベルで行える犯行ではない。きっと、元 冒険者か元騎士 と言ったところだろうね」
「 ご協力、ありがとうございました」

 クロードは 、質問に答えてくれた皆さんに頭を下げて お礼を言いました。

 足音が聞こえないということは隠密行動に長けているということです。 そういうことができそうなのは 盗賊のスキル持ちでしょうか。
 武器を見えなくするのはスキルの効果か、 もしくは 魔法によるものだと思います。
 クロードが地道に聞き込み調査をしているのに対して、ロニは 闇雲に歩き回っているだけのようです。
 戦闘能力だけでみたらロニの 実力の方が上ですけど、 冒険者としての総合的な 力は クロードに軍配が上がるかもしれませんね。
 
 勝負は時の運ともいいます。
 ロニは、まさに【幸運】の スキル頼みに歩き回っているようです。 勇者候補と言っても勇者級の【幸運】ですから、 これが馬鹿に出来ないんですよね。 犯人とばったりと出くわす可能性は意外と低くないのです。
 静かだと思ったら、ユメリアはロニの跡を つけていました。私の【神の眼】があるから、監視は必要ないのですけどね。 邪魔にはなってないようですから、放っておくことにしましょう。
 私とガルヴァスは、 クロードについて行くことにしました。 もしも切り裂き魔と遭遇した時に 危険なのは、ロニよりも クロードの方ですからね。
 勇者の才能と冒険者の地道な努力の勝負です。
 ガルヴァスは、 この状況を楽しんでいるようです。

「 面白くなってきたな」

 ちっとも楽しめる状況ではありませんよ。やはり、 男の人は謎です。
 そんなこんなで、それぞれ捜査を続けていました。




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