思い上がりの勇者パーティーに女神の裁きを

はなまる

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第5章 聖王都で明かされる真実

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 私達が聖王都の冒険者ギルドに報告のために向かうと、そこにはいつものように オーラナが待っていました。

「今日はルナマリアさんにお願いがあります」

 オーラナは、いつもより笑顔が三割増しです。彼女の頼み事は厄介事だとしか思えませんよ。

「私達は町の外で、魔物の集団に襲われました。その際に、魔香のような匂いがしました。報告は以上です。では、これで失礼しますね」

 私は踵を反して退散しようとすると、 オーラナから 首根っこを掴まれてしまいました。 どうあっても 厄介ごとを押し付けたいようです。

「話は、まだ終わっていませんよ」
「依頼を受けるかどうかは自由意思により決定されるはずですよね?」
「まあまあ、そう言わずに。 アレクシスまんじゅうでもいかがですか?」
「 いただきます!」

 私は オーラナが差し出す 饅頭に手を伸ばしてしまいました。ずるずると 話を聞くことになってしまい、彼女の頼み事を引き受けるはめになってしまいました。


「・・・・・・それで、何をしてほしいのですか?」
「ルナマリア達に ジャネットちゃんの面倒を見てほしいのですよ」

 ジャネットの名前は、どこかで聞いたことがある気がします。確か・・・・・・。

「お前がルナマリアか。やつが言っていたように、裏がありそうな顔をしているな」

 私が思い出そうとしていると、 13歳ほどの女の子が私に話しかけてきたした。 彼女の姿を見て私は思い出しました。ラック バードで会った ジャネットで間違いありません。
 ジャネットはエリーゼのような気がしたのですが、 今の 彼女は私と初対面のような言い方をしているし、 喋り口調が以前とは違う気がします。 これは一体どういうことでしょうか。

「 ジャネットちゃんはエリーゼさんの知り合いなのですか?」

 私は思い切って質問することにしました。 ジャネットは 首を横に振ります。

「 それは内緒にするように言われている」

 いえ、言外に肯定しているようなものですよね。 ジャネットは間違いなくエリーゼの知り合いです。

「 ジャネットちゃんは迷子になったようなのですけど、 なぜか自分の名前と ルナマリアさんのことしか話してくれないんですよ。だから、 ルナマリアさんがジャネットちゃんの事を保護者の所まで送り届けてくれませんか?」

 オーラナは、 両手を 合わせて 私に頼んできました。
 どうせ エリーゼのことは探さなければいけないと思っていたから、 私は引き受けることにします。

「いいですよ」
「そこをなんとか・・・・・・え? いいんですか!?」
「はい」
「 ありがとうございます 。このご恩は一生忘れません」

 オーラナは 私の手を取って、 大袈裟に喜んでいます。 ジャネットには何かあるのでしょうか。 嫌な予感がし始めたのですが、 既に引き受けてしまったので後の祭りというものですよね。

「 お腹空いた。ご飯」

 ジャネットは自分のお腹を押さえて、 上目遣いで私のことを見つめてきました。 可愛いです。 思わず何でも言うことを聞いてしまいそうになりました。

「僕と 一緒に食堂に行こうよ」

 クロードは お兄ちゃん風をふかしてますね。ユメリアも 似たようなものです。

「ユメリアお姉ちゃんと 呼んでほしいですぅ」
「ユメリアお姉ちゃん」
「 好きなものを何でも買ってあげるですぅ!」

 ユメリアは散財して、後で私に泣きついてくる未来が見えそうなのですが・・・・・・気のせいだと思いたいです。

「 ジャネットちゃん、エリーゼさんはどこにいますか?」
「禁即事項だから言えない」

 ジャネットは 散々わがままを言っておきながら、 肝心のことは教えてくれません。

「 エリーゼさんは私の知り合いなので、 どうしても会いたいんですよ」
「 デザートを付けてくれたら考えてもいい」
「『 考えるだけで絶対に教えるとは言ってない』と 後で言いませんよね」
「・・・・・・なんで バレたし?」

 やはりですか。 私は頭が痛くなってきました。



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