ヒロインが5人って多すぎませんか!?

はなまる

文字の大きさ
3 / 5

3、ヒロイン転生者勢ぞろいです

しおりを挟む
 校舎裏にはお花畑があって、 テーブルと椅子が用意してありました。
 他の四人はすでに席に着いています。
 私が最後だったようです。

「 遅れてしまってすみません」
「 遅いですわよ!」

 お嬢様言葉で怒っているのは、 フレンダ=アースガル公爵令嬢です。 この中では一番の上位貴族ですね。

 他の四人もきっと、私と同じく前世の記憶があるはずですよね。 ヒロインという言葉を使って呼び出していることから、間違いないはずです。
 
「 素の喋り方でよろしいのではありませんか? フレンダ様」
「 あなたも敬語じゃありませんの」

 確かに前世の記憶だけじゃなくて、 この世界で身についた習慣もありますからね。
 言葉遣いについて指摘するのは野暮というものでしょう。

「 それもそうですね。・・・・・・ それで、私に何のご用件でしょうか?」
「 攻略対象についてですわ」

 やはり、その件についてなのですね。 予想はついていました。
 フレンダは、積極的に攻略対象者たちにお近づきになりたいのでしょう。 他の3人も同様なようです。
 それに対しての私の答えは決まっています。

「 私は参加しないので、皆さんで攻略をお楽しみください」

 攻略対象者は全部で四人です。 ヒロインが5人いたのでは、一人だけ不幸になってしまいます。
 私が辞退すれば、 4対4で数が揃って丁度良くなります。
 推しメンが かぶってしまった場合はその限りではありませんが、 その場合は個人的に話し合ってください。
 草葉の陰から見守る立場さえ いりません。 私は平穏無事に暮らしていけさえすればそれでいいのです。

 ところが、 なぜかヒロイン四人の目つきが鋭くなりました。

「 早速駆け引きを始めようというのね」
「 油断ならないわ」
「 その手に乗るものですか」
「 大人しそうな顔して、恐ろしいことを考えるのね」

 皆さん、深読みしすぎじゃないですか!?
 私は何も企んでませんよ!

「 本当に私は攻略に参加するつもりはありませんよ」
「 まだとぼけるつもりなの!」

 私のことをものすごい目つきで睨みつけてくるのは、 ミシェル= カラード 男爵令嬢です。貴族の中では一番身分が低いのですが、 その代わりに聖女というアドバンテージがあります。

 何を言っても聞く耳を持たないようですね。困ったものです。

「 本当に何のことだかさっぱり分かりませんよ」
「 クレスト様と カイル様に 近づいたでしょう!」

 やはり、見られていたのですね。 それで私は呼び出されたということですか。
 私から 会いに行ったわけじゃないんですけどね。 どう言ったらわかってくれるものでしょうか。

「 偶然、居合わせただけですよ」
「 おとなしい顔して、そういう計算もできるんだ。こわーい」

 雑な演技で怖がっているのは、 エチカ=フローネ 子爵令嬢です。 プレイヤーが ヒロインとして選ばなければ、フレンダの取り巻きとなります。エチカは転生者の一人だから、 ヒロインとして振る舞うことでしょう。
 人を小馬鹿にしたような態度です。

 こんなヒロインがいてたまるか!

 いえ、 私は関わらないので、ご自由にどうぞ。

「 私のカイル様と二人きりで・・・・・・!!」

 怒りで肩を震わせているのは、レセリア=ファングナ ー伯爵令嬢です。 同じ貴族階級だけあって、 よく夜会等では 顔合わせていました。
 カイル推しですか。
 
「図書館では他にも人がいましたよ」

 テーブルが埋まっていて、むしろいつもより多いほどでした。

「 だから、それも計算のうちでしょ!」

 レセリアは、 言いがかりをつけてきました。

「 いくら調べても、 カミーラと図書館にいた人たちとのつながり の証拠が見つからなかったわ。 恐ろしい子」

 ミシェルは素敵な勘違いをしています。
 私は目立たないようにしていたから、 友達どころか知り合いもいませんよ。司書さん くらいのものです。
 
 ぼっち宣言は心の中でも辛いものですね。涙が出そうです。

「きゃはは! さすが カミーラだね☆」

 いや、エチカは 私のことをたいして知らないでしょう。

 皆さん、私のことを勝手に決めつけてくれますね。
 心労で 倒れそうですよ。

「・・・・・・ もう帰ってもいいですか?」
「 お待ちなさい! あなたは私と勝負しなければなりませんわ」

 フレンダ、人を指差さないでくださいよ。
 勝負って何ですか!?
 本当に勘弁してくださいよ・・・・・・。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に

ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。 幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。 だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。 特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。 余計に私が頑張らなければならない。 王妃となり国を支える。 そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。 学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。 なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。 何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。 なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。 はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか? まぁいいわ。 国外追放喜んでお受けいたします。 けれどどうかお忘れにならないでくださいな? 全ての責はあなたにあると言うことを。 後悔しても知りませんわよ。 そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。 ふふっ、これからが楽しみだわ。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

ヒロインと結婚したメインヒーローの側妃にされてしまいましたが、そんなことより好きに生きます。

下菊みこと
恋愛
主人公も割といい性格してます。 アルファポリス様で10話以上に肉付けしたものを読みたいとのリクエストいただき大変嬉しかったので調子に乗ってやってみました。 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。 断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

処理中です...