【完結】悪女のなみだ

じじ

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本編【第二章】

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カレンは私と間違って殺された。そう考えれば全ての辻褄が合う。

おそらくカレンは私を襲おうとしている人間がいることをたまたま知ってしまったのだろう。
彼女は私達に最初教えようとしたはずだ。けれども彼女が尋ねてくる直前、私達のしていた会話は…

「なんてことなの…」

思わず呟く。
あの内容を聞いていたなら、彼女はきっと自分の言葉を私達が真剣に受け取らないと思ったはずだ。

「それで、自分が身代わりになったのね。私を守るために…」

必死でフォーゼム様を連れ出すはずだ。フォーゼム様と二人でいるダルラ伯爵の娘ならカリーナに決まっている、と誰しも思うだろう。
そして、わざと身代わりになったと気づいたからこそ、フォーゼム様はカレンへの敬意を表した。姉を守った勇敢な妹として。

同席もさせないはずだ。
カレンが私を守って死んだと知れば、私が自分を責めると分かっていたからこそ、シュナイダー様が本当のことを話すのを聞かせないようにしたかったのだろう。

「カレン…どうしてあなたは…。私のこと嫌いなままで良かったのに。命をかけて守って欲しいなんて思わなかった!あなたが痛い思いをするくらいなら、私が刺される方が良かった…どうして、どうして、いつもそうやって…私が悲しむことばかりするの!?」

分かってる、私はカレンに感謝しなければいけないことも。カレンのおかげで今生きていることも。
でも、それでもやっぱりカレンには生きていて欲しかった。これから先、互いに交わることなのない人生だったとしても、穏やかな幸せを手に入れて欲しいと願ったのは嘘ではない。

泣き疲れてベッドに突っ伏したまま眠っていたらしい、深夜控えめなノックに目が覚める。

「夜中にすまない、私だ。入っていいか」
「はい…」

フォーゼム様は手負いの猫でも相手するようにゆっくりと近づいてきた。そしてソファにそっと腰を下ろすと静かに話し始めた。

「やはり、依頼主はシュナイダーだった。愚弟がすまない。いや、こんな言葉では到底許されるものではないが」
「…」
「シュナイダーとファボ子爵家の次男については、死罪となるように私からも働きかける。」
「そうですか…」
「それと、バレール伯爵家は財産の半分と爵位を王に返上し、残りの半分をダルラ伯爵家に譲渡する。こんなことで償いにもならないが…」
「そんな…」
「ファボ子爵にも同様のことは求める。おそらく、要求をのむだろう…それと、私たちの婚約は白紙に戻して欲しい。あなたを幸せにしたかったが…あなたにはもっと相応しい男が現れるだろう。」
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