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四章 地下迷宮
閑話 兄弟の内緒話❀ side:ルーラファエリアス
しおりを挟む「はぁ、あぁ!あん!あぁ、あ、あぁあ!あっ、あっ、あっ、あぁぁぁぁあ!!!」
お姉ちゃんの大きな嬌声と、何かの液体がかかって目が覚めた。ぺろりと舐めると、ほんの少しだけしょっぱかった。これは何だろう。状況からして潮を吹いたのかな。目に毒……もとい、もの保養になる。お姉ちゃんをイかせたのが、僕じゃなくて六華なのが悔しいけれど。
認めるのは癪だけど、六華は上手だもんね……。暴漢以外、お姉ちゃんとの経験しかない僕と違って、恐らく六華は閨の手ほどきを受けただろうし。偏見だけど、そんな気がする。暴漢は除くとして、仮に、僕との性交が初めてだというなら、あの上手さはもはや天性の才能だろう。
快感に悶えるお姉ちゃんを見ていたら、強烈な身体の疼きがまた一段と強くなった。早くこの快感から解放されたい。本当はお姉ちゃんにしてもらいたいけど、我慢する時は我慢する。代わりと言ってはなんだけど、六華は完全な男性体だから、六華に精を強請ろう。女の体は不便だ。淫植物の餌食にあいやすい。その上、精を受けねば快楽からは逃れられない。
……六華が羨ましすぎる。お姉ちゃんに奉仕してもらってる。僕にもあったらしてもらえたのかなぁ。はぁぁ。
お姉ちゃんが奉仕を終えて、六華のものに腰を下ろした。いいなぁ。僕が六華だったら、きっとすごく気持ちいいんだろうなぁ。本当、羨ましい。
ぼーっとしてたら何か話し始めた。
「男性器を受け入れるのは、初めてですか?」
「あの子には言わない?」
ごめん、お姉ちゃん。起きてる。何を言う気だろう?
「意識がある時は初めてよ」
「……!?」
うん、六華、僕も同じ気持ちだよ。六華の混乱が繋がったままの思念伝達で伝わる。
「言っとくけど、ナカには出されてないから!」
これには凄く安堵した。けど、にはってどういう意味だろう。無意識だろうか。まるで、別の場所には出されたように聞こえる。後ろの穴か、まさかと思うけど口の中?もし、そうだったら聞き出してそいつを殺りにいく。
「私ってね、あまり顔を知られていなくて。ほとんど城から出ないし。でも、たまにお出掛けすることがあるの。その時に拐われることがよくあって」
何それ、初耳なんだけど。
「次からは必ず、私か、御兄様を連れて行ってくださいね?」
良く言った!僕の中で六華の好感度が一気に上がった。
「私たちを置いていったらお仕置ですからね?」
同意はするけど、六華のお仕置って何?
「えっ!?きゃん!え!?あん、あ、あっ!やぅ、ひゃん!」
六華の愛撫は素直に受け入れるんだね?どうして僕はいつも途中で押し倒し返されるんだろう?当たり前のことすぎて、疑問にも思っていなかった。ただ悔しくなるだけ。まぁ、僕からしたくなることは殆どなくて、基本的にイジメてほしいからね……。そのことが大いに関係しているのではなかろうか。僕の愛撫にも、今みたいに可愛らしく反応してほしい。叶わぬ願いかなぁ。
「あっ、あん、はぁっ、あぅん!あ、あ、あっ!」
「はぁ、御姉様のナカ、気持ちいいです……。うねって、物欲しそうに、私のものを締めつけて……っ」
お姉ちゃんだけ気持ちよくしてもらってズルい。僕も気持ちよくなりたい。早く高みに昇りたい。イきたい。
「お姉ちゃんだけ気持ちよくなるなんて、ズルい……」
『待っていてください』
わ、びっくりした!吐息のような声だったのによく聴こえたね?というか、何故わざわざ思念伝達で?お姉ちゃんに気を遣ったのかな。
「あぁぁ!あぁ、あっ、あっ、あぁ!あ、あん!あぁ……!!」
「はぁ、はっ、気持ち、いい!あっ!あぁ、はっ……!」
「あぁだめ!イくイくイくイく……!!」
「イッて、ください!」
「うぅ、あぁぁぁぁ!!!」
「っはぁ……!!あっ!はっ、はっ、はっ……」
お姉ちゃんは絶頂して気を失った。声を聴いてるだけでイッちゃいそうになる。六華、僕もイかせて……?
「あとちょっと……待って、ください……疲れました。十五分だけ、寝させてください……」
そう言って、六華は寝てしまった。仕方ない、自慰でもしよう。
「ん……ふぅっ」
自分で触るだけでも身体が跳ねる。胸を持ち上げるように掬って揉んで、乳首を抓ると、強烈な波が僕を襲った。
「はぁ!あん、は、んぅ……あぁ!やん!」
自然と息が荒くなり、声も大きくなる。普段以上に声に艶が乗ってる気がする。
「んん!はぁん、あっ!ぅん!はっ、あっ……!」
胸だけでイッちゃいそう……!
「一人でイかないでください」
不意に手を掴まれ、のしかかられた。目を閉じてたから、起きたことに気付かなかった。
「おはよ、早く、ナカに来て?」
「……はい、おはようございます。煽るのがお上手ですね?」
煽ったつもりはなかったんだけどな?
「でも、まだ容れませんよ。それとも前戯は不要ですか?」
う、不要じゃないです。むしろ、触れてほしい。
「触って?たくさん、僕に触れて?可愛がって?」
手を掴んでいる指を食んで、音を出しながら舐め回す。
「らめ?」
「……っ!ダメじゃないです!」
大きく目を開いて驚き、深呼吸したあと、おでこに優しく口付けを落とされた。次に鼻、頬、首筋……肩、鎖骨……。
「ふ、あ……やん、くすぐったいっ、ふふっ」
谷間に口付けられた時に鼻息がかかって擽ったい。
「ひゃん!」
笑っていると、そのままぺろりと谷間を舐められた。
「普段から敏感なんですか?」
「イジメられてるから……ん!」
主語は抜けたけど、伝わったと思う。おへそ舐めちゃダメ、汚いよ。
「イジメられたいんですか?淫乱ですね。……そういえば、前回の性交でも受け身でしたね」
なんの悪気もなく、そういう性癖ですか?と聞かれた。勇者だなぁ。
「性癖……引かない?そこ、舐めて」
はて?と疑問符を浮かべられた。その様子に少し笑ってしまう。
「ふふ、ん、いいよ……強めに、そう……あっ!んん、いい!乱暴に、されるのが、好き!」
んー、と何かを考えつつ、愛撫を止めない六華はさすがだ。並列思考持ってるんだっけ?慣れたら便利だろうなぁ。はぁ、陰核と陰唇を同時に弄られて凄く気持ちいい。
「例えばですが……」
「んぅ、ふ……うん?ん!」
身体中に痕を残しながら問われる。
「あの暴漢が、御姉様だったら、んっ、嬉しかった、ですか?」
「そう、だねっ!あん!はっ、んあ、はぁ……。捕まってる、間、ずっと、お姉ちゃんだったらっ!って妄想、してたっ」
「そこまで……ん、少ししょっぱい、ですね」
お姉ちゃんの、真正面からもろに浴びたからね。あんなお姉ちゃんは初めて見たよ。僕の場合、途中で鼻血流して気絶されるか、やり返されるかのどちらかだからね。
「結構、たくさん、はぅん、吹いてたもんね……あっ!」
「いつから、起きていらしたんです?」
ちょうどお姉ちゃんが絶頂して潮を吹いたあたりかな。
「ではやはり、聞いていたのですね……」
目がウロウロしてる。お姉ちゃんの処女を貰ったことを気にしてるんだろうけど……。
「一番を……越されたのは、ちょっと悔しいっ、でも、そんなことで、怒らないし、嫌いになんて、ならないよ……」
「ありがとう、ございます……」
恐れていたのか、安心して流れた涙が美しい。
「それにね、実をいうと嬉しいんだよ」
「はい?どうして……」
だって、六華に処女を捧げたという意味では、お姉ちゃんとお揃いだし。
「御兄様は一応男性ですけどね……」
女性器なら処女で合ってると思う。間違ってない、はず。今は女の体で、こっちはまだまっさらだけど、これから捧げる予定。捧げると言うよりは治療だけど。
「私は……仲間はずれ、ですか」
うん?今度は僕が疑問を浮かべた。
「私は、完全な男性体なので……少しだけ、疎外感を感じるのです」
僕は男性体に憧れるけどなぁ。無い物ねだりかな?
「そう、かも……しれませんね」
「六華」
腕を伸ばして顔を目の前に引き寄せる。
「はい……んっ!ふ、は……ん、んん……!っはぁ、御、兄様?」
「最初、初めて……城で姿を見た時、嫉妬したんだ」
「……知ってます」
「でも、あの時の、恥ずかしがり屋の、子だと……分かって、からは……」
おでこをくっ付け、目を合わせ微笑んで告げた。
「嫉妬なんてどっかいったよ、少なくとも、お姉ちゃんを任せても良いと、そう思うほどには好きになった」
「あの、御兄様!」
ん?何かダメなこと言ったかな?
「いえ、その……」
顔を赤らめて、盛大に目が泳いでいる。それに、指も止まってる。
「それは、兄弟としてで合ってますよね……?それに、御姉様を任せても良いとは?」
勿論。あと、単純に人として好感が持てる。お姉ちゃんを任せても良いっていうのは、これも単純なことで、お姉ちゃんの性欲……おなかを効率的に満たせるのは男の精だけだから。その相手が六華なら、僕も安心してお姉ちゃんを委ねることができる。
「御姉様は精を糧に生きているのですか?」
言葉が足りなかったかな。正しくは顕現し続ける為に必要なエネルギー、養分を必要としているんだよ。
「あ……そういう。理解しました」
ほっとしたような、残念なような、そんな顔をしてる。今度はどうしたんだろ?あ、もしかして?
「ねぇ六華」
「はい」
まだ顔の赤い六華の耳に口を寄せて尋ねる。
「お姉ちゃんのこと、好きだよね?女として見てるよね?」
だとしたら、仲間だ。お姉ちゃんをお嫁さんにあげることは出来ないけど、お婿さんになるなら話は別だ。僕は六華なら認める。僕と一緒にお姉ちゃんを守ろう?
「え、え!?な、え!??」
耳先まで真っ赤になってへにゃりと下がった。なんてわかりやすい。そして面白い。
「どうなの?好きなんでしょ?愛してるよね?」
「……!……っ!」
意地悪い顔で明け透けに言えば、両手で赤い顔を覆って沈黙した。そして、小さく頷いた。嬉しくなって起き上がって抱きついた。
「きゃっ!」
「ふふっ」
女の子みたい。
「私は……御姉様を好きでいても、良いのですか?御兄様の、婚約者なのに」
そろそろと顔を見せて、確認された。僕は六華なら良い。気になるなら六華も婚約者になればいい。お姉ちゃんも六華を気に入ってるし。
「ですが、私は王太子で……」
大丈夫だよ、きっと。最近、新たな命が麗華さんのおなかに宿ったし。それでも気になるなら、お姉ちゃんとの間に子を設ければいい。
「そんな、ことって」
「できるよ、きっと!」
帰ってからお姉ちゃんを頷かせる作戦を練ろう。その前にこの疼きをなんとかする方が先だけど。
「六華……」
頬に手を当て撫でる。
「御兄様?」
……どうしてか分からないけど、さっきから僕はおかしい。今までこんなこと無かったのに、今は六華に口付けたい。思う存分、めちゃくちゃに犯したい。犯されたい。
「あの?んぅ!ふ……」
「んっ、さっきのお姉ちゃんにしてたみたいに、して?僕をイジメて?めちゃくちゃにして……」
今はなんだか、そうされたい気分。首に腕を回し、強請る。
「……ん、ふっ、んぅ、はっ」
「あ、ふぁ、ゃん!」
荒々しい口付けとともに乳首を抓られ、空いた手で耳をふにふにと弄られる。
「もっと、激しくして!もっと、もっと……!」
──この時の僕はどうかしていた。女になっていることと、淫植物の催淫効果も合わさって擬似的な恋心が形成されていたのである。そして、その効果は永久的に続くという。後日、文書を紐解き解析して判明した事だが。ただし、普段の生活では何ら影響を受けない。お姉ちゃんのイタズラで女体化された時限定だが、後年なって僕は有難くもなんともない、女体化を修得してしまうのだった。
応援ありがとうございます!
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