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二〇四七年 七月
「…………」
うっとりとした気だるさの淵から目覚め、布団の中の体は十分な睡眠で活力を取り戻していた。
毎日寝て起きてを繰り返しているのに、今朝の目覚めは格別だ。
「いい朝」
カーテンを開けると梅雨明けの清々しい朝の風景があった。
そのまま彼女は着替えを持って部屋を出、両親を起こさないように足音を忍ばせて、一階にあるバスルームへ向かう。
「何の夢だっけ……」
汗を吸って少し湿ってしまったロンパースを脱ぎながら、一人言ちても誰も答えない。
夢というものは往々に起きればすぐに忘れてしまう。覚えているのは、透明なイメージと美しい世界だけだ。
「ま、いっか。夢だし」
考える事を放棄して彼女はシャワーを浴び、寝起きの頭を覚醒させながら体をさっぱりとさせる事にした。
今日一日の事を考えると、自然と口元が綻んできた。
「そうだ、今日は時人(ときひと)さんと会える日なんだ」
寝惚けていた頭が今日の大事な予定を思い出し、それを口にすると一気に気持ちが高揚してくる。
「体、ピカピカにしないと」
指を立てて念入りに頭皮をマッサージし、シャンプーで髪を洗ってから、トリートメントパックをしてその間に体を洗う。
「いい匂いさせないと。ママのボディクリームこっそり使っちゃお。今日は体育なくてラッキー」
自慢のストレートの黒髪は母親譲りで、幼い頃から周りに「綺麗だね」と言われ続けた髪を、彼女は大切に伸ばしている。
初めはそういうありきたりな理由だったが、途中からは髪を大事にする理由が変わっていた。
大好きな人、時人が言っていたのだ。
「女性はやはり、日本人らしい長い黒髪がいいね」と。
時人は母親の友人で、年齢不詳の紳士だ。
フルネームは宇佐美(うさみ)時人。
日本を代表する宇佐美グループの会長の息子で、宇佐美グループが抱える会社の一つ、宇佐美商事の代表取締役社長をしていた。
彼女の母はごく一般的な家庭の主婦で、そんな母にどうして雲の上の存在の時人との出会いがあったのかは、母は詳しく話してくれない。
彼女が気になって尋ねても、いつも通り温和に微笑して「素敵なご縁があったのよ」と言うだけだ。
本当なら母と時人がいい関係になっていたら、自分は物凄いお嬢様になっていたのかも、と思う事はあったが、今はそうならなくて良かったと思っている。
それは、彼女はずっと年上の時人に本気で恋をしていたからだ。
時人はとても魅力的だ。
イタリアブランドのパリッとしたスーツを着こなして、大人の色気があっていい匂いがする。
顔も優しそうなのに男らしさもあり、まさに貴族とか紳士とかいう言葉が似合う美形だ。
背もスラッと高くて、いつも忙しそうなのにきちんと鍛えてある体は、子供の頃に何度も抱っこをしてもらったりしていたので、とてもしっかりしているのは知っている。
テレビに出てくる俳優のように格好よくて、経済紙に「成功者の顔」というコラムで写真付きで掲載された時は、一時ネットニュースなどで「格好良すぎるエリート」という見出しで世の女性がざわついた。
彼女も学生らしくSNSをしていて、時人が話題になった時は誇らしくも思ったが、同時に酷い嫉妬を覚えた。
その時人は見た目は三十前後ぐらいなのかと思うのだが、実際のところ彼女は時人の正確な年齢を知らない。
いつだったか「今幾つなの?」という質問をした時、彼はいつも通りの笑顔で「もう五十代」だよと答えたが、彼女はいつも「嘘だぁ」と笑い飛ばしていたのだ。
時人の事を企業のホームページで検索してみても、誕生日の欄は月日が書いているだけで何年生まれとは書いていない。
ミステリアスな雰囲気が付きまとうと、人は本来の魅力以上に魅力的に思えてしまう。
結婚をしていなくて恋人もいない時人は、自分たちの家族を一番大切に考えてくれている人なのに、全然知らない女の人が時人の地位と財力とルックスだけで、SNSで「やばい、結婚したい」などと浮ついた呟きをしているのを目にする度に、彼女は顔も知らない誰かに向かって黒い感情を抱くのだ。
「時人さんは私だけのものなのに」
そんな独占欲と嫉妬が、まだ中学生の彼女の薄い胸を支配する。
けれど、今日は特別な日だ。
いつも忙しい時人が時間を作ってくれて、自分たち家族と過ごしてくれる特別な日。
年に何回かあるこの機会だけは、格好いい憧れの人を独占できる時間なのだ。
「時人さんに可愛いって思われたい。時人さんにつり合う女の人になりたい」
湯気で曇った鏡を手でキュッと拭いたそこには、思い詰めた思春期の少女の顔があった。
**
「あら、早いのね美弥」
「あ、ママおはよう」
念入りに体を磨き上げ、母の少し高いボディクリームをつけ、ドライヤーとヘアオイルとで念入りに髪を整えてからリビングへ戻ると、そこには眠そうな顔をした母がいた。
「シャワー浴びてきたの?」
「うん。今日はなんか目覚めが良かったから、いい気分なの」
そう言って美弥はリビングのテーブルに置いた腕時計型のデバイスを手にし、ソファでくつろぎ始めた。
「ねぇ、今日時人さんとのお食事、一華伯母さん達も来るの?」
「そうよ、諒くんは部活が忙しくて来られないみたいだけど」
諒というのは、美弥の従兄で高校一年生だ。
元々は時人は美弥の母親の沙夜と、その姉の一華と友人であり、その仲が現在まで続いて今に至るらしい。
その先を辿ると、美弥の祖母の実来の代から親交があったそうだ。
時人と実来は本当に親友のように交流があって、祖母が東京から京都へ転居してもずっと親交があるのだとか。
「またどこか高級なレストラン?」
「時人さんが指定した所だから、都内のいいホテルのレストランだけれど……。でもあまりご厚意に甘えたら駄目よ? こういう時いつも時人さんが支払って下さるけど、あまりお金を遣わせるのもね……」
「うん……」
大人らしい遠慮を口にする母の意見が、美弥はいつもつまらない。
美弥だって時人が幾ら金持ちだからといって、毎回ご馳走になっていいとは思っていない。
けれど、この機会がなければ滅多に時人には会えないし、格好いいスーツを着こなした時人も見られないのだ。
「何着て行こうかな」
「美弥は前に買ったピンクのワンピースがあったでしょ?」
「……うん。けど、私また背が伸びたし、もうちょっと大人っぽいの欲しいな。黒とか、レースの付いたのとか」
「そうね、考えておくわ」
朝食と弁当の用意をしながら、沙夜は母親らしい返事をする。
その返事に美弥は唇を尖らせながら、昨晩までの時人とのメッセージを読み返していたが、急に表情を明るくするとキッチンの母を見た。
「あのね、時人さん私の受験勉強みてくれるって」
「え?」
「時人さん、T大の出身でしょ? 今でも教えられるかとか謙遜してたけど、家庭教師に来てくれたり、私が時人さんのマンションに行ってもいいって」
「えぇ?」
キッチンカウンターの向こうで沙夜が驚いた顔をし、美弥はデバイスのメッセージを指で弾き、母の元へ飛ばした。
「ほら! これ昨日の晩のログ!」
沙夜の目の前には美弥が任意で送ったホログラムがあり、美弥が言った通りの会話内容が記録されてある。
「全く……、油断も隙もない子ね。時人さん忙しいの分かってるの?」
「分かってるもん! でもその時人さんがいいって言ってるんだから、いいでしょ?」
普段は聞き分けのいい美弥も、反抗期なだけあって時人が関わるとムキになってしまい、口調がきつくなる。
「……仕方がないわね。けど、時人さんの所へ行く時は門限を守ること。いい?」
「はぁい」
そう返事をする美弥を見て、弁当の玉子焼きを作りながら沙夜は思う。
彼はどういう思いで、美弥の成長を見守っているのか。
彼が美弥を姪っ子同然に可愛がってくれているのは分かっている。
彼が独り身だからこそ、自分や姉の家族と仲良くしてくれて、特別な地位にいるからこそ特別な計らいをたまにしてくれる。
けれど、その気持ちの底にあるのはたった一つの想いだ。
自分はそれを知っている。
「……時人さん。あなたは今何を思っているの?」
そっと呟いた沙夜の声は、換気扇の音に紛れて娘には届かなかった。
「…………」
うっとりとした気だるさの淵から目覚め、布団の中の体は十分な睡眠で活力を取り戻していた。
毎日寝て起きてを繰り返しているのに、今朝の目覚めは格別だ。
「いい朝」
カーテンを開けると梅雨明けの清々しい朝の風景があった。
そのまま彼女は着替えを持って部屋を出、両親を起こさないように足音を忍ばせて、一階にあるバスルームへ向かう。
「何の夢だっけ……」
汗を吸って少し湿ってしまったロンパースを脱ぎながら、一人言ちても誰も答えない。
夢というものは往々に起きればすぐに忘れてしまう。覚えているのは、透明なイメージと美しい世界だけだ。
「ま、いっか。夢だし」
考える事を放棄して彼女はシャワーを浴び、寝起きの頭を覚醒させながら体をさっぱりとさせる事にした。
今日一日の事を考えると、自然と口元が綻んできた。
「そうだ、今日は時人(ときひと)さんと会える日なんだ」
寝惚けていた頭が今日の大事な予定を思い出し、それを口にすると一気に気持ちが高揚してくる。
「体、ピカピカにしないと」
指を立てて念入りに頭皮をマッサージし、シャンプーで髪を洗ってから、トリートメントパックをしてその間に体を洗う。
「いい匂いさせないと。ママのボディクリームこっそり使っちゃお。今日は体育なくてラッキー」
自慢のストレートの黒髪は母親譲りで、幼い頃から周りに「綺麗だね」と言われ続けた髪を、彼女は大切に伸ばしている。
初めはそういうありきたりな理由だったが、途中からは髪を大事にする理由が変わっていた。
大好きな人、時人が言っていたのだ。
「女性はやはり、日本人らしい長い黒髪がいいね」と。
時人は母親の友人で、年齢不詳の紳士だ。
フルネームは宇佐美(うさみ)時人。
日本を代表する宇佐美グループの会長の息子で、宇佐美グループが抱える会社の一つ、宇佐美商事の代表取締役社長をしていた。
彼女の母はごく一般的な家庭の主婦で、そんな母にどうして雲の上の存在の時人との出会いがあったのかは、母は詳しく話してくれない。
彼女が気になって尋ねても、いつも通り温和に微笑して「素敵なご縁があったのよ」と言うだけだ。
本当なら母と時人がいい関係になっていたら、自分は物凄いお嬢様になっていたのかも、と思う事はあったが、今はそうならなくて良かったと思っている。
それは、彼女はずっと年上の時人に本気で恋をしていたからだ。
時人はとても魅力的だ。
イタリアブランドのパリッとしたスーツを着こなして、大人の色気があっていい匂いがする。
顔も優しそうなのに男らしさもあり、まさに貴族とか紳士とかいう言葉が似合う美形だ。
背もスラッと高くて、いつも忙しそうなのにきちんと鍛えてある体は、子供の頃に何度も抱っこをしてもらったりしていたので、とてもしっかりしているのは知っている。
テレビに出てくる俳優のように格好よくて、経済紙に「成功者の顔」というコラムで写真付きで掲載された時は、一時ネットニュースなどで「格好良すぎるエリート」という見出しで世の女性がざわついた。
彼女も学生らしくSNSをしていて、時人が話題になった時は誇らしくも思ったが、同時に酷い嫉妬を覚えた。
その時人は見た目は三十前後ぐらいなのかと思うのだが、実際のところ彼女は時人の正確な年齢を知らない。
いつだったか「今幾つなの?」という質問をした時、彼はいつも通りの笑顔で「もう五十代」だよと答えたが、彼女はいつも「嘘だぁ」と笑い飛ばしていたのだ。
時人の事を企業のホームページで検索してみても、誕生日の欄は月日が書いているだけで何年生まれとは書いていない。
ミステリアスな雰囲気が付きまとうと、人は本来の魅力以上に魅力的に思えてしまう。
結婚をしていなくて恋人もいない時人は、自分たちの家族を一番大切に考えてくれている人なのに、全然知らない女の人が時人の地位と財力とルックスだけで、SNSで「やばい、結婚したい」などと浮ついた呟きをしているのを目にする度に、彼女は顔も知らない誰かに向かって黒い感情を抱くのだ。
「時人さんは私だけのものなのに」
そんな独占欲と嫉妬が、まだ中学生の彼女の薄い胸を支配する。
けれど、今日は特別な日だ。
いつも忙しい時人が時間を作ってくれて、自分たち家族と過ごしてくれる特別な日。
年に何回かあるこの機会だけは、格好いい憧れの人を独占できる時間なのだ。
「時人さんに可愛いって思われたい。時人さんにつり合う女の人になりたい」
湯気で曇った鏡を手でキュッと拭いたそこには、思い詰めた思春期の少女の顔があった。
**
「あら、早いのね美弥」
「あ、ママおはよう」
念入りに体を磨き上げ、母の少し高いボディクリームをつけ、ドライヤーとヘアオイルとで念入りに髪を整えてからリビングへ戻ると、そこには眠そうな顔をした母がいた。
「シャワー浴びてきたの?」
「うん。今日はなんか目覚めが良かったから、いい気分なの」
そう言って美弥はリビングのテーブルに置いた腕時計型のデバイスを手にし、ソファでくつろぎ始めた。
「ねぇ、今日時人さんとのお食事、一華伯母さん達も来るの?」
「そうよ、諒くんは部活が忙しくて来られないみたいだけど」
諒というのは、美弥の従兄で高校一年生だ。
元々は時人は美弥の母親の沙夜と、その姉の一華と友人であり、その仲が現在まで続いて今に至るらしい。
その先を辿ると、美弥の祖母の実来の代から親交があったそうだ。
時人と実来は本当に親友のように交流があって、祖母が東京から京都へ転居してもずっと親交があるのだとか。
「またどこか高級なレストラン?」
「時人さんが指定した所だから、都内のいいホテルのレストランだけれど……。でもあまりご厚意に甘えたら駄目よ? こういう時いつも時人さんが支払って下さるけど、あまりお金を遣わせるのもね……」
「うん……」
大人らしい遠慮を口にする母の意見が、美弥はいつもつまらない。
美弥だって時人が幾ら金持ちだからといって、毎回ご馳走になっていいとは思っていない。
けれど、この機会がなければ滅多に時人には会えないし、格好いいスーツを着こなした時人も見られないのだ。
「何着て行こうかな」
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「……うん。けど、私また背が伸びたし、もうちょっと大人っぽいの欲しいな。黒とか、レースの付いたのとか」
「そうね、考えておくわ」
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「え?」
「時人さん、T大の出身でしょ? 今でも教えられるかとか謙遜してたけど、家庭教師に来てくれたり、私が時人さんのマンションに行ってもいいって」
「えぇ?」
キッチンカウンターの向こうで沙夜が驚いた顔をし、美弥はデバイスのメッセージを指で弾き、母の元へ飛ばした。
「ほら! これ昨日の晩のログ!」
沙夜の目の前には美弥が任意で送ったホログラムがあり、美弥が言った通りの会話内容が記録されてある。
「全く……、油断も隙もない子ね。時人さん忙しいの分かってるの?」
「分かってるもん! でもその時人さんがいいって言ってるんだから、いいでしょ?」
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「……仕方がないわね。けど、時人さんの所へ行く時は門限を守ること。いい?」
「はぁい」
そう返事をする美弥を見て、弁当の玉子焼きを作りながら沙夜は思う。
彼はどういう思いで、美弥の成長を見守っているのか。
彼が美弥を姪っ子同然に可愛がってくれているのは分かっている。
彼が独り身だからこそ、自分や姉の家族と仲良くしてくれて、特別な地位にいるからこそ特別な計らいをたまにしてくれる。
けれど、その気持ちの底にあるのはたった一つの想いだ。
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