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舞踏会というもの2
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舞踏会というやつに行く用意をしたのだけど…着せられたドレスが……きつい!!
う…食べたものが全部でてきそう。王様に会わないといけないという緊張もあいまって…私の精神の疲労度は半端ない。
「アイリーンお嬢様、できましたよ」
「うん、ありがとう」
メイドのマリーが髪をキレイに整えてくれて、それで完成!
「わぁ、いっつもすごいねマリーは。」
いつも凄くキレイにしてくれるけど、今日はさらに気合いが違うのを感じた。国王主催の舞踏会だから、あたりまえかもだけどね。
「フフ、ありがとうございます。では、こちらは旦那様から。」
「うん、ありがとう。」
貰ったのは薄めのブラウンのウィッグ。
私の銀髪は目立ちすぎるので、陛下に挨拶をした後はウィッグをつける。
『出来れば人目にさらしたくない』…と、侯爵様からの希望で。
私も目立ちたくないので、その方が嬉しい。
城につくまでの馬車では『粗相のないように』…と、さんざん言われた。そして『絶対気付かれないように!』…と。
…すでにバレてたら?…もう、今はそれで頭がいっぱい。永遠に城につかなければいいのに!!
まぁそれは無理な話で、王城についた私はニコルお兄様にエスコートされて華やかな場にゆくのだけれど……なんせこの銀髪に赤瞳。白い肌、何をしなくても、視線は集まってくる。
「大丈夫。顔を上げて、背筋をただして。」
「はい!ニコルお兄様。」
「その調子だ。」
「ふふふ」
自然と笑顔になった。
侯爵様に挨拶するために近づいてきた人たちは、みんな私のことについて聞いている。ジロジロと感じの悪い視線。べつに色素が薄いだけなんじゃないの?って、心底思うけど。
「アルフォート侯爵、お久しぶりです。」
うわっ!でた!胡散臭いスマイル!!
「グレアム殿下、お久しぶりでございます。本来ならこちらから挨拶に伺うべきところを」
「いや、こちらこそ着いてすぐに申し訳ない。陛下より『アイリーンをおつれするように』との事でしたので、お迎えにあがりました。」
殿下直々に『陛下が呼んでいる』と迎えにきたものだから、会場の全ての視線が私に集まるのもおかしくない。
教えられたように挨拶をした。けれど、みんな気が気じゃない。
「…呼ばれたのは、アイリーン、1人ですか?」
ニコル兄様が王太子様に聞いた。
「何か問題でも?」
「いえ、そのような事は…」
「よかった。ではアイリーン。参りましょう。陛下のもとまで私がエスコート致します。どうぞ、手を。」
「…はい」
私はその手をとった。
「よかった。お断りされたらどうしようかと思いましたよ。」
出来るわけないでしょ…王太子相手に…。
チラッと後ろを振り返ると『言うとおりにしなさい!!』っという声が、侯爵様の表情から聞こえる気がした。
「離れろ」
「はい……」
人目がなくなると、すぐに距離をとられた。
なんなのこの人!言い方ひどくない!?けど、別にくっついてたい訳じゃないし、その内容に文句はないけど。
廊下はコツコツと私たち2人だけの靴音がする。
王様ってどこにいるの?かなり来たと思うんだけど……。
あっ!!
もしかして今、好感度をさげる好機なのでは?さっきので勘違いしてる人もいるかもだけど、本人が『指名する気はない!』と意思をもっていれば、何も問題はない!!はず……。
けれど、どうやって?侯爵家の迷惑にならず、かつアイリーン様の品位も落とさないように…
「おい」
…それって難しいよね?この人プライド高そうだしあまり…
「おい!」
「え?」
「ハァ…返事もろくに出来ないのか。」
何度か呼ばれていたみたいだけど、考えるのに集中しすぎて気づかなかった。
「申し訳ありません…」
「もういい」
…なんなのこの男…性格悪すぎる!
「陛下にはお前1人で、と言われている。このドアから向こうは俺は入れない。」
……え?
「聞いているか?」
「…あ…付いて来てくださらないんですか?」
この国一の権力者に、つい最近まで貧乏農民だった私に何を喋れと!?
「陛下の命だ、さっさと行け」
「…はい」
この男、大っきらいだ!!
う…食べたものが全部でてきそう。王様に会わないといけないという緊張もあいまって…私の精神の疲労度は半端ない。
「アイリーンお嬢様、できましたよ」
「うん、ありがとう」
メイドのマリーが髪をキレイに整えてくれて、それで完成!
「わぁ、いっつもすごいねマリーは。」
いつも凄くキレイにしてくれるけど、今日はさらに気合いが違うのを感じた。国王主催の舞踏会だから、あたりまえかもだけどね。
「フフ、ありがとうございます。では、こちらは旦那様から。」
「うん、ありがとう。」
貰ったのは薄めのブラウンのウィッグ。
私の銀髪は目立ちすぎるので、陛下に挨拶をした後はウィッグをつける。
『出来れば人目にさらしたくない』…と、侯爵様からの希望で。
私も目立ちたくないので、その方が嬉しい。
城につくまでの馬車では『粗相のないように』…と、さんざん言われた。そして『絶対気付かれないように!』…と。
…すでにバレてたら?…もう、今はそれで頭がいっぱい。永遠に城につかなければいいのに!!
まぁそれは無理な話で、王城についた私はニコルお兄様にエスコートされて華やかな場にゆくのだけれど……なんせこの銀髪に赤瞳。白い肌、何をしなくても、視線は集まってくる。
「大丈夫。顔を上げて、背筋をただして。」
「はい!ニコルお兄様。」
「その調子だ。」
「ふふふ」
自然と笑顔になった。
侯爵様に挨拶するために近づいてきた人たちは、みんな私のことについて聞いている。ジロジロと感じの悪い視線。べつに色素が薄いだけなんじゃないの?って、心底思うけど。
「アルフォート侯爵、お久しぶりです。」
うわっ!でた!胡散臭いスマイル!!
「グレアム殿下、お久しぶりでございます。本来ならこちらから挨拶に伺うべきところを」
「いや、こちらこそ着いてすぐに申し訳ない。陛下より『アイリーンをおつれするように』との事でしたので、お迎えにあがりました。」
殿下直々に『陛下が呼んでいる』と迎えにきたものだから、会場の全ての視線が私に集まるのもおかしくない。
教えられたように挨拶をした。けれど、みんな気が気じゃない。
「…呼ばれたのは、アイリーン、1人ですか?」
ニコル兄様が王太子様に聞いた。
「何か問題でも?」
「いえ、そのような事は…」
「よかった。ではアイリーン。参りましょう。陛下のもとまで私がエスコート致します。どうぞ、手を。」
「…はい」
私はその手をとった。
「よかった。お断りされたらどうしようかと思いましたよ。」
出来るわけないでしょ…王太子相手に…。
チラッと後ろを振り返ると『言うとおりにしなさい!!』っという声が、侯爵様の表情から聞こえる気がした。
「離れろ」
「はい……」
人目がなくなると、すぐに距離をとられた。
なんなのこの人!言い方ひどくない!?けど、別にくっついてたい訳じゃないし、その内容に文句はないけど。
廊下はコツコツと私たち2人だけの靴音がする。
王様ってどこにいるの?かなり来たと思うんだけど……。
あっ!!
もしかして今、好感度をさげる好機なのでは?さっきので勘違いしてる人もいるかもだけど、本人が『指名する気はない!』と意思をもっていれば、何も問題はない!!はず……。
けれど、どうやって?侯爵家の迷惑にならず、かつアイリーン様の品位も落とさないように…
「おい」
…それって難しいよね?この人プライド高そうだしあまり…
「おい!」
「え?」
「ハァ…返事もろくに出来ないのか。」
何度か呼ばれていたみたいだけど、考えるのに集中しすぎて気づかなかった。
「申し訳ありません…」
「もういい」
…なんなのこの男…性格悪すぎる!
「陛下にはお前1人で、と言われている。このドアから向こうは俺は入れない。」
……え?
「聞いているか?」
「…あ…付いて来てくださらないんですか?」
この国一の権力者に、つい最近まで貧乏農民だった私に何を喋れと!?
「陛下の命だ、さっさと行け」
「…はい」
この男、大っきらいだ!!
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