花舞う庭の恋語り

名門の相神家の長男・周は嫡男であるにも関わらずに裏庭の離れにて隠棲させられていた。
けれども彼は我が身を憐れむ事はなかった。
忘れられた裏庭に咲く枝垂桜の化身・花霞と二人で過ごせる事を喜んですらいた。
花霞はそんな周を救う力を持たない我が身を口惜しく思っていた。

二人は、お互いの存在がよすがだった。
しかし、時の流れは何時しかそんな二人の手を離そうとして……。
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