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5.保健室で初体験
部活コーチと女子高生 -1
20代も半ばともなれば、高校生からすれば一線を画す大人と認定される。
同年代の男子と比べ大人な魅力を持つ人が身近にいれば、大層な経験などなくても充分にその色気は感じられるらしい。
高校3年生となり陸上部の最後の大会に向けて、日々部活に打ち込む岩本真理は部活の外部コーチである佐藤に恋心とも呼べるほどの興味があった。
クラスの男子たちとは違う大人の余裕、大人の色気。
「佐藤コーチっ」
準備を行う佐藤の腕に巻き付くと、胸を押し当てた。
この年頃らしい小さな乳房は佐藤の腕を遠慮がちに挟み込む。
「……岩本。またか。辞めとけ」
毎日熱心にコーチングしてくれる佐藤との距離を縮めたい真理は、何の知識も何の勝算もないままに毎日のように誘惑し続けた。
そして佐藤は呆れ顔と慣れた様子で、巻き付かれた腕を抜き取る。
「佐藤コーチって彼女いないのに、どうして私になびいてくれないんですか?私はいつでも佐藤コーチを求めてるのにぃ」
「高校生に欲情するほど俺も暇じゃないの」
「ちぇ~!」
じゃれあった後には真剣な練習が始まる。
「上じゃない、前だ」
「はいっ!」
「呼吸を意識しろ」
「はいっ!」
「体幹がブレてる」
「はいっ!」
的確なアドバイスによって集中したトレーニングができる。
陸上の短距離選手らしく強化された脚の筋肉だが、やはり高校生だ。筋肉質すぎないすらりと長い脚は真理の軽い体重を支えトップスピードを上げた。
その時だ。
「きゃあっ!」
「あっ!」
真理は思い切りこけた。
つまずくなんて可愛いものではなく、完全にこけた。つんのめって地面へと倒れる。
「大丈夫か!岩本!」
「痛っ…」
体を起こすけれど、足首に手を当てる姿に佐藤は焦る。
大会前のこの大事な時期に故障など、あってはならない。擦りむいた膝から血を流しているのも痛々しいけれど捻挫などを考えるとぞっとする。
「保健室行こう!すぐに冷やさないと!」
「えっ、佐藤コーチ!?」
佐藤は真理の体を抱え上げ、勢いそのままに走り出した。
お姫様抱っこだ。
周りの生徒から注目を浴びながら、真理はまるで守られている気分になった。
簡単に自分の体を持ち上げてしまえる男の人の力に、ときめきを覚える。
やはり真理にとって佐藤は大人の男だった。
ガラガラッ
勢いよく保健室の扉を開けるが、保険医の姿はなかった。
「保険の先生いないのか」
そう言って真理の体をベッドの上に乗せた。
主人の居ない保健室の棚を漁り、目についた消毒液や湿布を取り出した。
「まずは消毒からだな。膝も血が出てる」
「は、はい」
手際よく消毒して、傷口に大きな絆創膏を貼ってくれた。
足首を軽くひねりながら、真理の反応をうかがった。
「これ、痛い?」
「痛くないです」
「これは?」
「あ、ちょっと違和感が」
コーチ業をしているだけあって、そういう知識もあるのだろう。
まるで整形外科の医者のように確認すると、「ここか」と納得した様子で湿布を貼った。
「痛みもなくて腫れてないけど、ひどくなるようなら病院行こう」
「大会、間に合うかな…」
不安そうな真理に佐藤がしょげるように頭を下げた。
「ごめん。俺が見てたのに」
「いえ!佐藤コーチは悪くないです。ただ私が転んだだけで」
「いや、休憩時間が短すぎたのかもしれないし」
申し訳なさそうな佐藤に、真理は冗談でも言って笑わせようと思った。
「じゃあ大会に間に合わなかったら、佐藤コーチの彼女にしてくださいね」
「いや、それは…」
「えぇ~」
真理はベッドの上で大きく脚を開いた。
「ほらぁ。私のお股も佐藤コーチを求めてるぅ」
「おい…岩本…」
呆れ顔を見せられる。
「でもぉ、ちょっと太もももピリピリする感じするぅ」
「ピリピリ?どこだ?」
開いた股の間に目を向けると、佐藤はそっと内ももに触れる。
「あっ…うーん、ともうちょっと…こっちのほうかな?」
「内転筋?筋肉というより筋でも傷めたか?」
優しく撫でられると、本当はなかった違和感が生まれるようにピリピリした。
真理はもっと触れられたいと思った。
「佐藤コーチぃ、なんだかここも痛ぁい」
「どこ?」
「ええと…脇腹…?」
「見せてみろ」
真理は自分の練習着を捲り上げた。
佐藤が覗き込んで確認するが、脇腹には目立った怪我やアザは何もない。
「見た感じ何もないけど、内側か?こけた時に打った?」
「うーんと、押したら痛いかなぁ?」
「ここか?」
少し躊躇った末に生肌に触れる佐藤の手は、先ほど自分を軽々持ち上げた男の手だ。
大きくて暖かい手が脇腹に触れると、真理はドキドキした。
「あ…もうちょっと上…かなぁ」
「上?」
脇腹から触れる位置を少し上げると、自然と服ももう少し捲られる。
捲った先には真理の小さな胸を包むブラジャーが見えた。
「佐藤コーチってばあ」
「ん?」
「私のお胸のこんな近くに顔を寄せてきて、えっちなんだからぁ」
「岩本」
心配そうにのぞき込む佐藤はまた呆れ顔で見上げた。
真理はにやにやしていて、脇腹の痛みが嘘だったと気付く。
「私は佐藤コーチが彼氏だったらいいのにって思うけどなーあ?」
真理の追撃は終わらない。
「こんなに近くに居て、こんな風に触ってくれたら好きになっちゃいますしぃ」
「あのな、岩本」
「佐藤コーチが私を好きになってくれたらなぁ」
「……はぁ」
佐藤が溜め息をついたと思った途端、真理はベッドの上に仰向けになった。
驚いて目をぱちくりさせると、佐藤が見下ろしてくる。
「そんなことばっか言ってっから」
どうやら真理は佐藤に突然、押し倒されたらしい。
腕を掴まれ体重をかけられると身動きは取れなくなった。
「もう我慢すんのしんどい」
いつもと違う声色だった。
その目線もいつもと違って鋭く、大人の男というよりも雄の獣のように見える。
同年代の男子と比べ大人な魅力を持つ人が身近にいれば、大層な経験などなくても充分にその色気は感じられるらしい。
高校3年生となり陸上部の最後の大会に向けて、日々部活に打ち込む岩本真理は部活の外部コーチである佐藤に恋心とも呼べるほどの興味があった。
クラスの男子たちとは違う大人の余裕、大人の色気。
「佐藤コーチっ」
準備を行う佐藤の腕に巻き付くと、胸を押し当てた。
この年頃らしい小さな乳房は佐藤の腕を遠慮がちに挟み込む。
「……岩本。またか。辞めとけ」
毎日熱心にコーチングしてくれる佐藤との距離を縮めたい真理は、何の知識も何の勝算もないままに毎日のように誘惑し続けた。
そして佐藤は呆れ顔と慣れた様子で、巻き付かれた腕を抜き取る。
「佐藤コーチって彼女いないのに、どうして私になびいてくれないんですか?私はいつでも佐藤コーチを求めてるのにぃ」
「高校生に欲情するほど俺も暇じゃないの」
「ちぇ~!」
じゃれあった後には真剣な練習が始まる。
「上じゃない、前だ」
「はいっ!」
「呼吸を意識しろ」
「はいっ!」
「体幹がブレてる」
「はいっ!」
的確なアドバイスによって集中したトレーニングができる。
陸上の短距離選手らしく強化された脚の筋肉だが、やはり高校生だ。筋肉質すぎないすらりと長い脚は真理の軽い体重を支えトップスピードを上げた。
その時だ。
「きゃあっ!」
「あっ!」
真理は思い切りこけた。
つまずくなんて可愛いものではなく、完全にこけた。つんのめって地面へと倒れる。
「大丈夫か!岩本!」
「痛っ…」
体を起こすけれど、足首に手を当てる姿に佐藤は焦る。
大会前のこの大事な時期に故障など、あってはならない。擦りむいた膝から血を流しているのも痛々しいけれど捻挫などを考えるとぞっとする。
「保健室行こう!すぐに冷やさないと!」
「えっ、佐藤コーチ!?」
佐藤は真理の体を抱え上げ、勢いそのままに走り出した。
お姫様抱っこだ。
周りの生徒から注目を浴びながら、真理はまるで守られている気分になった。
簡単に自分の体を持ち上げてしまえる男の人の力に、ときめきを覚える。
やはり真理にとって佐藤は大人の男だった。
ガラガラッ
勢いよく保健室の扉を開けるが、保険医の姿はなかった。
「保険の先生いないのか」
そう言って真理の体をベッドの上に乗せた。
主人の居ない保健室の棚を漁り、目についた消毒液や湿布を取り出した。
「まずは消毒からだな。膝も血が出てる」
「は、はい」
手際よく消毒して、傷口に大きな絆創膏を貼ってくれた。
足首を軽くひねりながら、真理の反応をうかがった。
「これ、痛い?」
「痛くないです」
「これは?」
「あ、ちょっと違和感が」
コーチ業をしているだけあって、そういう知識もあるのだろう。
まるで整形外科の医者のように確認すると、「ここか」と納得した様子で湿布を貼った。
「痛みもなくて腫れてないけど、ひどくなるようなら病院行こう」
「大会、間に合うかな…」
不安そうな真理に佐藤がしょげるように頭を下げた。
「ごめん。俺が見てたのに」
「いえ!佐藤コーチは悪くないです。ただ私が転んだだけで」
「いや、休憩時間が短すぎたのかもしれないし」
申し訳なさそうな佐藤に、真理は冗談でも言って笑わせようと思った。
「じゃあ大会に間に合わなかったら、佐藤コーチの彼女にしてくださいね」
「いや、それは…」
「えぇ~」
真理はベッドの上で大きく脚を開いた。
「ほらぁ。私のお股も佐藤コーチを求めてるぅ」
「おい…岩本…」
呆れ顔を見せられる。
「でもぉ、ちょっと太もももピリピリする感じするぅ」
「ピリピリ?どこだ?」
開いた股の間に目を向けると、佐藤はそっと内ももに触れる。
「あっ…うーん、ともうちょっと…こっちのほうかな?」
「内転筋?筋肉というより筋でも傷めたか?」
優しく撫でられると、本当はなかった違和感が生まれるようにピリピリした。
真理はもっと触れられたいと思った。
「佐藤コーチぃ、なんだかここも痛ぁい」
「どこ?」
「ええと…脇腹…?」
「見せてみろ」
真理は自分の練習着を捲り上げた。
佐藤が覗き込んで確認するが、脇腹には目立った怪我やアザは何もない。
「見た感じ何もないけど、内側か?こけた時に打った?」
「うーんと、押したら痛いかなぁ?」
「ここか?」
少し躊躇った末に生肌に触れる佐藤の手は、先ほど自分を軽々持ち上げた男の手だ。
大きくて暖かい手が脇腹に触れると、真理はドキドキした。
「あ…もうちょっと上…かなぁ」
「上?」
脇腹から触れる位置を少し上げると、自然と服ももう少し捲られる。
捲った先には真理の小さな胸を包むブラジャーが見えた。
「佐藤コーチってばあ」
「ん?」
「私のお胸のこんな近くに顔を寄せてきて、えっちなんだからぁ」
「岩本」
心配そうにのぞき込む佐藤はまた呆れ顔で見上げた。
真理はにやにやしていて、脇腹の痛みが嘘だったと気付く。
「私は佐藤コーチが彼氏だったらいいのにって思うけどなーあ?」
真理の追撃は終わらない。
「こんなに近くに居て、こんな風に触ってくれたら好きになっちゃいますしぃ」
「あのな、岩本」
「佐藤コーチが私を好きになってくれたらなぁ」
「……はぁ」
佐藤が溜め息をついたと思った途端、真理はベッドの上に仰向けになった。
驚いて目をぱちくりさせると、佐藤が見下ろしてくる。
「そんなことばっか言ってっから」
どうやら真理は佐藤に突然、押し倒されたらしい。
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