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6.お酒と本音
同僚の男女 -2
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「た、鷹也っ?」
やっと起き上がれた栞里は、脱衣を止めようと鷹也の手を握る。けれど勢いよくズボンが下ろされたタイミングにちょうど合致したために、まるで自分が脱がせてしまったような光景になった。
「ひゃっ」
パンツまでずり降ろされたことで、男性の性器が丸見えになった。
ぷらんとしたそれが、隣室のキッチンからの明かりでぼんやりと目に映る。
目を背けようとするけれど、今度は栞里の服を脱がし始めた。
「鷹也っ、酔ってるのは分かるけどっダメだから!」
お酒の力で我を失っているのだろう。
目がいつもと違っていて、鷹也からは自制心とかそういうものを感じられない。
そこにあるのは本来ある性欲だけ。
本能のままに動かされているマリオネットだ。
確実に興奮しているのは分かり、その興奮の対象が自分であることに高揚する気持ちはある。それと同時に、栞里には意識も理性もある。
いけないことをしている気分にさせられてしまう。
「鷹也ったら!」
拒み続けていると、顔がいきなり近づいてくる。
先ほど味わったばかりのその感触が想い描かれ、思わず唇に力が入ってしまう。
どうするべきか分かって居るのに一瞬で脳内会議が行なわれ、いくつもの可能性と考えを過ぎらせた。
鷹也と何かあったら、今後の関係性に影響が出るかもしれない。
ここでしてしまったら、もう彼女になることなんて期待できないかもしれない。
付き合ってないのに体の関係になっていいの?
でもこれを拒めば次はないかもしれない。
鷹也は確実に酔いが回っていて、自分を認識していないかもしれない。
酔った鷹也と何かあっても、お酒のせいにできる?
脳内会議が終了する前に再度、唇が触れ合った。
自分を求められている感覚に酔いしれそうになる。
(……どうしよう、どうしよう)
ずっとして欲しかったキス。大好きな鷹也の唇の感覚に集中してしまう。
「んっ…」
とろけそうになりながらも、鷹也が脱がせようとしてくる手を本気で止めるかどうするかを迷ってしまう。
添えられた手の温もりがお酒のせいか熱く感じるし、自分も多少は飲んでいるはずなのに鷹也から香るお酒の匂いが知らしめるのは彼の酔いの深さ。
(私が彼女だったら、ここで拒む必要なんてないのに…)
迷っているうちにいつの間にかはだけた自分のブラウスに気づくと、ブラの上から鷹也の手が這ってきた。
「あっ、鷹也っ…」
ダメだと言おうとするけれど、その口もまた塞がれてしまう。
無理やりのようでいて、意識の有無さえ怪しい彼が相手なら最後までしてしまってもバレないのではないかと思った。
(……触られたい……けど)
自分の股が疼く。
くちゅ、くちゅと響く音に、重ねられた唇が粘膜を刺激し合っている様子が俯瞰で見えるようだ。
理性と反対に興奮度だけは確かに増していく。
大好きな鷹也。
これまでこういう雰囲気になったことはなかった。二人きりになっても決して手を出してこない彼はきっと、自分には興味がないのだ。
それなら―――。
(酔っていても、いい……)
栞里は酔っ払いの鷹也を受け入れることにした。
性欲という名の本能でしかなくても、今しか彼と繋がる機会はないかもしれない。
それならこれを思い出に変えるくらいの気概で居たい。
(私は今日のことを、絶対に後悔なんかしない!)
重なった唇から舌を出して彼の中に推し進めると、鷹也からも同じように返された。
嬉しくなってしまう。喜びが絡み合う。
やっと起き上がれた栞里は、脱衣を止めようと鷹也の手を握る。けれど勢いよくズボンが下ろされたタイミングにちょうど合致したために、まるで自分が脱がせてしまったような光景になった。
「ひゃっ」
パンツまでずり降ろされたことで、男性の性器が丸見えになった。
ぷらんとしたそれが、隣室のキッチンからの明かりでぼんやりと目に映る。
目を背けようとするけれど、今度は栞里の服を脱がし始めた。
「鷹也っ、酔ってるのは分かるけどっダメだから!」
お酒の力で我を失っているのだろう。
目がいつもと違っていて、鷹也からは自制心とかそういうものを感じられない。
そこにあるのは本来ある性欲だけ。
本能のままに動かされているマリオネットだ。
確実に興奮しているのは分かり、その興奮の対象が自分であることに高揚する気持ちはある。それと同時に、栞里には意識も理性もある。
いけないことをしている気分にさせられてしまう。
「鷹也ったら!」
拒み続けていると、顔がいきなり近づいてくる。
先ほど味わったばかりのその感触が想い描かれ、思わず唇に力が入ってしまう。
どうするべきか分かって居るのに一瞬で脳内会議が行なわれ、いくつもの可能性と考えを過ぎらせた。
鷹也と何かあったら、今後の関係性に影響が出るかもしれない。
ここでしてしまったら、もう彼女になることなんて期待できないかもしれない。
付き合ってないのに体の関係になっていいの?
でもこれを拒めば次はないかもしれない。
鷹也は確実に酔いが回っていて、自分を認識していないかもしれない。
酔った鷹也と何かあっても、お酒のせいにできる?
脳内会議が終了する前に再度、唇が触れ合った。
自分を求められている感覚に酔いしれそうになる。
(……どうしよう、どうしよう)
ずっとして欲しかったキス。大好きな鷹也の唇の感覚に集中してしまう。
「んっ…」
とろけそうになりながらも、鷹也が脱がせようとしてくる手を本気で止めるかどうするかを迷ってしまう。
添えられた手の温もりがお酒のせいか熱く感じるし、自分も多少は飲んでいるはずなのに鷹也から香るお酒の匂いが知らしめるのは彼の酔いの深さ。
(私が彼女だったら、ここで拒む必要なんてないのに…)
迷っているうちにいつの間にかはだけた自分のブラウスに気づくと、ブラの上から鷹也の手が這ってきた。
「あっ、鷹也っ…」
ダメだと言おうとするけれど、その口もまた塞がれてしまう。
無理やりのようでいて、意識の有無さえ怪しい彼が相手なら最後までしてしまってもバレないのではないかと思った。
(……触られたい……けど)
自分の股が疼く。
くちゅ、くちゅと響く音に、重ねられた唇が粘膜を刺激し合っている様子が俯瞰で見えるようだ。
理性と反対に興奮度だけは確かに増していく。
大好きな鷹也。
これまでこういう雰囲気になったことはなかった。二人きりになっても決して手を出してこない彼はきっと、自分には興味がないのだ。
それなら―――。
(酔っていても、いい……)
栞里は酔っ払いの鷹也を受け入れることにした。
性欲という名の本能でしかなくても、今しか彼と繋がる機会はないかもしれない。
それならこれを思い出に変えるくらいの気概で居たい。
(私は今日のことを、絶対に後悔なんかしない!)
重なった唇から舌を出して彼の中に推し進めると、鷹也からも同じように返された。
嬉しくなってしまう。喜びが絡み合う。
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