【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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 うどんには昨日の晩ご飯に出た天ぷらがいくつか乗っていたが、明らかに俺のより種類も数も多い天ぷらを乗せた丼からうどんをすする奴が居た。

「だからなんでお前いんの」
「今日土曜日だよ?」
「土曜で休みだからってなんでうちに居る」
「お茶も熱いから気をつけてね」
「ありがと麻央ちゃん」

 俺をスルーして茶まで出してもらっているのは、言わなくても分かるだろう。和葉だ。
 図々しいというのはこういうことだと、ありのままの情景を見逃すことにした。

 とりあえず至高なる瞑想タイムに突撃してこなかったことだけは褒めてやろう。
 満足度が200%下がるところだ。

「そういえばこの間、采花さいかちゃんが来てくれたのよ」
「采花ちゃん?」
「たっちゃんと同じクラスの委員長さんだったから、和葉ちゃんも同じクラスだったんじゃないかしら?」
「委員長……ああー、白井さん?」
「そうそう、白井采花ちゃん」

 和葉の中では当たり前に委員長だった記憶があるらしい。やはり本当にシロサイは同級生だったか。

「でも何しに?」
「采花ちゃんもゲーム好きなんですって」
「イメージないなあ。真面目で優等生って感じだったし、全然ゲームしそうなタイプに見えなかったけど」

 メガネで太ってたらしいしな。
 可愛い女子だったわけでもなければ、ゲームをするタイプじゃなかったなら俺の記憶にないのも当然のことだ。

「何しに来たの? 達也と遊びに?」
「そうよ。遊びに来てくれたの」
「白井さんが? んんん~?」

 当の本人の俺が何も言わなくても、2人が勝手に話を進めるのも普段の光景である。
 実際のところ遊びに来たかどうかは不明だが、他に何しに来たかと問われればもっと説明が困難だ。

「何よ達也、白井さんと友だちなの?」
「……友だち……ではない」

 少し考えて言うと、怪訝な顔をされた。

「じゃあ何なの?」
「何って?」
「どんな関係なの?」
「どんな……」

 少し考えて、分かりやすく一言にしてみた。

「童貞アンチ野郎がアンチ小娘になって超睨まれたかと思えば実は隠れファンでゲームを始めたのは俺がきっかけらしいことを聞いた」

 間違ってないし何なら全てを話したつもりなのだが、しっくり来てない顔が向けられ続けている。

「俺と和葉みたいなもんだ」
「めんどくさくなってまとめたね?」

 どんな関係かは俺が一番知りたいよ。
 はあ、ここでもやっぱりこれを思うのか。

 つい数分前まであんなに気持ちよかったのに。


 うどんをすすり終えると麻央が言った。

「たっちゃん、今日圭人が来るからお家に居てね」
「圭人さん来んの?」
「こないだご飯だけだったし。今日はお泊まりしてもらうの」
「えー」

 なんかやだな。
 どうせそういうこと、するんでしょう?
 弟にバレないようにって、ちょっとスリルとか感じながら密やかにするんでしょう?

「たっちゃんがチョコが好きって言ったら、海外で買ったやつまだあるから持ってくるって」
「マジでアニキいい奴だよな」

 外国のチョコはちょっと甘めでカカオの質がいい。
 それに最近、物価高でチョコが高いからな。

 そんな気遣い上手で空気を読める男の圭人さんなら大歓迎だ。
 スリルを満喫させてやるために、その時間になったら廊下でも徘徊してやろうかな。


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