【完結】女好きプロゲーマーが恋愛ごっこを卒業するまで

ソラ太郎

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 家が近づくに連れて、言葉数は減った。

 色々考えてんだろうなと思いつつ、俺の歩幅は速度を緩めない。意外とそのつもりで向かってるようなものだし、足取りが逸ってるかもしれない。

 角を曲がれば俺の家の入り口が見えるところで、会いたくないやつにばったり出会う。

「達也……と、白井さん」
「おう」
「こ、こんにちは島田さん」

 家がご近所さんとは言え、こんなピンポイントのタイミングで普通会うかな。
 買い物袋を下げているから待ってた感じではないけど、これも運命というやつだろうか。

「……え、2人で遊ぶの?」
「おう」
「達也の家で?」
「そーだよ。じゃーな。行こう」

 文句とか悪口とか罵倒される前に、この場を去ろう。こないだから和葉のことを気にしてるらしく、「いいのかな」の顔をしているシロサイの手を握って引っ張った。

 和葉……そんなあからさまな顔すんなよ。
 シロサイの気が変わったらどうすんだ。

「あ、和葉。麻央がまたご飯食べに来て欲しいって言ってたぞ」
「……ぁ、うん」

 堂々としてれば大丈夫だった。
 追いかけてくることもなく、家の中まで逃げ切れた。



「おかえり、たっちゃん。早かったね。あ、采花ちゃん! いらっしゃい」
「こんにちは、麻央さん」

 リビングに居る麻央はすぐにシロサイに気づいた。
 この家へ、俺自身が友達を連れて来るのが珍しいらしい。そわそわしている。

「飲み物とか買ってきたから、何も要らないから」
「そお? クッキーは?」
「今もらってく。ありがと」

 麻央手作りのクッキーを受け取ると、シロサイの手をまた引っ張って階段へ。
 途中、思い立って、麻央に告げた。

「麻央。しばらく部屋に入って来ないで」
「……あらまぁ」

 麻央はうっかり要らないことも口に出してしまうような天然女子ではあるものの、そういう雰囲気にはどうやら敏感らしい。



 部屋に入ってドアを閉めると持って居た荷物を置けば、もう両手は自由だ。

 シロサイとの距離を詰めて正面から見つめる。
 頭の後ろに手を添えたら、さほど力を入れなくても相手の頭はこちらへ引き寄せられる。

 角度を変えれば鼻は当たらない。
 薄く開けば唇の柔らかさが伝わるし、ゆっくりすれば歯は当たらない。

「ぁ……」

 何か言おうとしたその口を、俺のそれで塞いでしまった。
 すごく、柔らかい。

 麻央の練習の時には麻央の部屋かもしくはリビングなんかを使っていたし、この部屋で女を抱いたことはない。

 だからかいつもと違う興奮がそこにはあって、五感がシロサイだけに集中していた。

 腰に回した手で身体を押してやれば、何を言うでもなくシロサイをベットの方へと誘うことができた。
 阿吽の呼吸の、連携プレイというやつだ。

 その時点でシロサイも覚悟を決めて居たようで、寝ころばせるのも俺が上に乗るのも抵抗一つされなかった。

 おそらくだがシロサイは初めてだ。
 嫌がる素振りもないけど自分からアクションを起こすわけでもないし、震えたりはしていないのにどこか緊張感が伝わって来る。

「初めて?」
「……うん」
「優しくする」

 こそばさが勝つんだろうなと思いながら、性感帯を探してキスを施す。
 それぞれの箇所で小さな反応が見えたけど、それを鵜呑みにしてはいけない。

 ……麻央に似ている。

 強張って無駄な力が入ると意識は逸れる。
 大事なのは意識を集中させて、気持ち良さに身を任せることだ。

「シロサイ、俺に集中して」
「……うん」

 潤んだ瞳がウブさを引き立てて、やけにそそる。
 いつの間にか俺の息子は出番を控えて全力を見せていた。

 だめだぞ息子よ。焦ってはならん。
 シロサイの大事なとこは、まだ防壁が開き切ってないんだ。焦ってはならん。

「んっ」

 小さく漏れる声が快感によるものか、それとも慣れない刺激に驚いているのか。
 まだ判断材料が少ない。

 一枚布を剥ぎ取るだけで、これまでの様子と一切違った風景が拝めた。

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