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Lv.17 ヒロインの回想には勇者が必須
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次回ライガンの大会が公式発表され、事務所からの推薦で俺も出場することが決まった。
「あーごめんムジンくん。今回薙刀剣士さんたちから声かけてもらって、もうチーム組むって言っちゃったんだよね」
今回はどうしようと迷っている間に、前回チームメンバーとして優秀で心強かった青赤コンビが別メンバーとチームを組んでしまったらしい。
4人以上のチーム戦出場か、2人のペア戦出場枠があるのだが……。
シロサイとペアを組んだらまた違う方向で盛り上がってしまいそうだ。
「え、ムジンくん、シロサイちゃんと組めばいいじゃない。2人の連携プレイをまた見たいって配信コメントでもよく言われるんでしょ?」
これは事務所の人である。
もはやシロサイとの関係を匂わせることを、話題作りにちょうどいいとさえ思っているのがありあり読める。
俺としても出場するからには優勝できる仲間が良い。赤青コンビ以上に信頼できる相手なんて思いつかない。
ならば事務所の思惑に乗ってやろうじゃないか。
シロサイに声をかけると、二つ返事でペアが成立した。
そして最近よくオンラインを繋いでペア練習を繰り返して居るのだが、珍しく今日は家まで来た。
手作りのご飯を作ってきてくれたらしい。
俺が配信含めリモートを繋いで居る時にチョコレートばかり食べているのに気づき、ご飯は食べてるのかと聞かれたのがきっかけだ。
「大したものじゃないけど、野菜食べれるように」
「久しぶりに手作りのもの食べる」
「ほんと心配だよ」
「お茶くらいは淹れられるから待って」
キッチンで沸かしたお湯でお茶を淹れようとして、手が滑る。軽く漏れ出たお湯が手にかかり思わず声が出た。
「あっちっ」
「えっ大丈夫!?」
焦って飛んできたシロサイは俺の手を掴んで、流水につけさせた。
「ここだよね? 痛い?」
「大丈夫、てかそんな大袈裟じゃないかも」
「ダメ。火傷は腫れてからじゃ遅いんだから」
掴まれたまま、流れる水につけてしばらく。
無言ながらに心配されているのをものすごく感じる。
俺よりも背の低いシロサイの顔を俯瞰で見ていると、妙な気分になってくる。
「シロサイ」
「ん? やっぱり痛い?」
俺を見上げた目に、ふっと笑ってしまった。
「何で笑ってるのよ」
「ムラムラしてきた」
「……こらっ!」
掴まれていた手をしばかれた。
「シロサイさぁ」
「……なぁに」
「もしかして俺のこと好きでしょ」
「好きって何度も言ってるじゃん」
言わせたくて聞いたのだが、あっさり言われて照れた顔も見られないのは寂しい。
「何で俺がいいの?」
今まで恋愛についての話題は避けたがっていた俺にしては非常に思いがけない質問だった。
聞いた俺も何でそんなこと聞いてるんだろうと頭の隅で思ったが、純粋にその理由は気になる。
「高山くんは覚えてないかも」
「そんな昔のこと?」
「高校時代のことだからね」
「え、委員長時代に俺のこと既に好きだったの?」
「ううん。でもきっかけではある」
「うん?」
「私、今、一人暮らししてるんだけど」
ここから、シロサイの昔話が始まった。
「あーごめんムジンくん。今回薙刀剣士さんたちから声かけてもらって、もうチーム組むって言っちゃったんだよね」
今回はどうしようと迷っている間に、前回チームメンバーとして優秀で心強かった青赤コンビが別メンバーとチームを組んでしまったらしい。
4人以上のチーム戦出場か、2人のペア戦出場枠があるのだが……。
シロサイとペアを組んだらまた違う方向で盛り上がってしまいそうだ。
「え、ムジンくん、シロサイちゃんと組めばいいじゃない。2人の連携プレイをまた見たいって配信コメントでもよく言われるんでしょ?」
これは事務所の人である。
もはやシロサイとの関係を匂わせることを、話題作りにちょうどいいとさえ思っているのがありあり読める。
俺としても出場するからには優勝できる仲間が良い。赤青コンビ以上に信頼できる相手なんて思いつかない。
ならば事務所の思惑に乗ってやろうじゃないか。
シロサイに声をかけると、二つ返事でペアが成立した。
そして最近よくオンラインを繋いでペア練習を繰り返して居るのだが、珍しく今日は家まで来た。
手作りのご飯を作ってきてくれたらしい。
俺が配信含めリモートを繋いで居る時にチョコレートばかり食べているのに気づき、ご飯は食べてるのかと聞かれたのがきっかけだ。
「大したものじゃないけど、野菜食べれるように」
「久しぶりに手作りのもの食べる」
「ほんと心配だよ」
「お茶くらいは淹れられるから待って」
キッチンで沸かしたお湯でお茶を淹れようとして、手が滑る。軽く漏れ出たお湯が手にかかり思わず声が出た。
「あっちっ」
「えっ大丈夫!?」
焦って飛んできたシロサイは俺の手を掴んで、流水につけさせた。
「ここだよね? 痛い?」
「大丈夫、てかそんな大袈裟じゃないかも」
「ダメ。火傷は腫れてからじゃ遅いんだから」
掴まれたまま、流れる水につけてしばらく。
無言ながらに心配されているのをものすごく感じる。
俺よりも背の低いシロサイの顔を俯瞰で見ていると、妙な気分になってくる。
「シロサイ」
「ん? やっぱり痛い?」
俺を見上げた目に、ふっと笑ってしまった。
「何で笑ってるのよ」
「ムラムラしてきた」
「……こらっ!」
掴まれていた手をしばかれた。
「シロサイさぁ」
「……なぁに」
「もしかして俺のこと好きでしょ」
「好きって何度も言ってるじゃん」
言わせたくて聞いたのだが、あっさり言われて照れた顔も見られないのは寂しい。
「何で俺がいいの?」
今まで恋愛についての話題は避けたがっていた俺にしては非常に思いがけない質問だった。
聞いた俺も何でそんなこと聞いてるんだろうと頭の隅で思ったが、純粋にその理由は気になる。
「高山くんは覚えてないかも」
「そんな昔のこと?」
「高校時代のことだからね」
「え、委員長時代に俺のこと既に好きだったの?」
「ううん。でもきっかけではある」
「うん?」
「私、今、一人暮らししてるんだけど」
ここから、シロサイの昔話が始まった。
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