65 / 78
Lv.22 勇者にはヒロインが必要で
しおりを挟む
壇上から降りてすぐ事務所の人に叱られた。
しかしリアルタイム配信だったために、もう後戻りはできなかった。
会場の敷地内ではあるものの人の目が少ない場所に移動して、ことの真相をやっと聞ける状況になった。
「で、あいつらに何言われたの?」
「ん……ムジンフリーリィは彼女にしてくれないんでしょ? 公開告白までしたのに結局はただのゲーム仲間止まりなんでしょ?って」
あーなるほどと思った。
そういう手で来てたのか。
「で、シロサイはそれ聞いて凹んだの?」
「うん……だって本当のことだし。あの人たちの言葉で傷つきはしなかったけど、優勝して告白してもまたダメなのかなって考えたら自滅した」
「ははっ。そういうことか」
む、つまりそれって。
「シロサイが自滅したの俺のせいじゃねーか」
思い至ったがもう、過去の話である。
「でも優勝して告白してくれるんでしょって高山くんが言うから、今度こそ可能性はあるのかなって思ったら復活した」
「たんじゅ~ん」
「う、うるさいな」
優勝することより、優勝したその後のことを気にかけてたのか。そりゃ、優勝が決まったあのタイミングで好きとか言いたくなるわけだ。
「それで……答えを聞かせてくれる気になった?」
「え?」
「私は高山くんのことが好きだよ」
「俺がシロサイに告ったんだけど」
「え? もしかしてあれが告白??」
「ダメか」
カラカラと笑うとシロサイは不服な顔をした。
身を固める時って、こんな気分なのかなー。
「彼女になりたい?」
「うん。なりたい」
こんな聞かれ方したら反発しそうなものなのに、それでも真剣な眼差しが可愛い。
先延ばしにするのはもう、俺だって嫌だった。
告白する側ってこんなに緊張するんだな。
「シロサイ。俺の彼女になって」
俺の言葉を聞いて、頬をほんのり赤く染まらせて、シロサイは目を輝かせた。
「お、お願い、します」
照れるシロサイを見ていると、こっちまで照れる。手を握ってみた。
すでに身体まで重ねた仲なのに、何故か新鮮で心がくすぐられた。
「シロサイ。ちゅーしとこっか」
「……人に見られちゃうよ」
「ほい」
キスをしやすいように顔を近づけてみる。
シロサイは照れながらも、素早く、すごく浅いフレンチキスをしてくれた。
「するんだ?」
「……したいもん」
「うぇー何だそれ。可愛いなおい」
「高山くんが言ったんじゃん~」
会場内よりも人気は少なかったけれど、ここは敷地内であり関係者ばかりである。
ペア戦の優勝者だと知っている民ももちろん居て、好奇の目には晒されたと思う。
だが気にならない。
結局は俺らが良ければいいのだ。
「もっかい」
「え~」
「ほい」
こうして俺とシロサイは正式に、お付き合いをすることになったのだった。
[ムジンとシロサイにとってはバトルがオマケ]
[試合内容より告白の方が見応えあった]
[なんか2人の為にあった大会みたい]
[結局付き合うってこと? ネタ??]
[ガチだった。チューしてるの見たし]
大会公式サイトの動画コメント欄にはこんなコメントが殺到してしまい、優勝を目指して頑張ってたメガネーズの活躍は2位になったにも関わらず一気に霞んでしまった。
しかし奴らはシロサイを蹴落とそうとしていたのだ。同情の余地はない。
チーム戦は青赤コンビのチームが優勝し、事務所-SHIKABANE-の名前もさらに広まった。
しかしリアルタイム配信だったために、もう後戻りはできなかった。
会場の敷地内ではあるものの人の目が少ない場所に移動して、ことの真相をやっと聞ける状況になった。
「で、あいつらに何言われたの?」
「ん……ムジンフリーリィは彼女にしてくれないんでしょ? 公開告白までしたのに結局はただのゲーム仲間止まりなんでしょ?って」
あーなるほどと思った。
そういう手で来てたのか。
「で、シロサイはそれ聞いて凹んだの?」
「うん……だって本当のことだし。あの人たちの言葉で傷つきはしなかったけど、優勝して告白してもまたダメなのかなって考えたら自滅した」
「ははっ。そういうことか」
む、つまりそれって。
「シロサイが自滅したの俺のせいじゃねーか」
思い至ったがもう、過去の話である。
「でも優勝して告白してくれるんでしょって高山くんが言うから、今度こそ可能性はあるのかなって思ったら復活した」
「たんじゅ~ん」
「う、うるさいな」
優勝することより、優勝したその後のことを気にかけてたのか。そりゃ、優勝が決まったあのタイミングで好きとか言いたくなるわけだ。
「それで……答えを聞かせてくれる気になった?」
「え?」
「私は高山くんのことが好きだよ」
「俺がシロサイに告ったんだけど」
「え? もしかしてあれが告白??」
「ダメか」
カラカラと笑うとシロサイは不服な顔をした。
身を固める時って、こんな気分なのかなー。
「彼女になりたい?」
「うん。なりたい」
こんな聞かれ方したら反発しそうなものなのに、それでも真剣な眼差しが可愛い。
先延ばしにするのはもう、俺だって嫌だった。
告白する側ってこんなに緊張するんだな。
「シロサイ。俺の彼女になって」
俺の言葉を聞いて、頬をほんのり赤く染まらせて、シロサイは目を輝かせた。
「お、お願い、します」
照れるシロサイを見ていると、こっちまで照れる。手を握ってみた。
すでに身体まで重ねた仲なのに、何故か新鮮で心がくすぐられた。
「シロサイ。ちゅーしとこっか」
「……人に見られちゃうよ」
「ほい」
キスをしやすいように顔を近づけてみる。
シロサイは照れながらも、素早く、すごく浅いフレンチキスをしてくれた。
「するんだ?」
「……したいもん」
「うぇー何だそれ。可愛いなおい」
「高山くんが言ったんじゃん~」
会場内よりも人気は少なかったけれど、ここは敷地内であり関係者ばかりである。
ペア戦の優勝者だと知っている民ももちろん居て、好奇の目には晒されたと思う。
だが気にならない。
結局は俺らが良ければいいのだ。
「もっかい」
「え~」
「ほい」
こうして俺とシロサイは正式に、お付き合いをすることになったのだった。
[ムジンとシロサイにとってはバトルがオマケ]
[試合内容より告白の方が見応えあった]
[なんか2人の為にあった大会みたい]
[結局付き合うってこと? ネタ??]
[ガチだった。チューしてるの見たし]
大会公式サイトの動画コメント欄にはこんなコメントが殺到してしまい、優勝を目指して頑張ってたメガネーズの活躍は2位になったにも関わらず一気に霞んでしまった。
しかし奴らはシロサイを蹴落とそうとしていたのだ。同情の余地はない。
チーム戦は青赤コンビのチームが優勝し、事務所-SHIKABANE-の名前もさらに広まった。
0
あなたにおすすめの小説
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
うちの幼馴染がデレすぎてて俺の理性はもう限界。でも毎日が最高に甘いからもうどうでもいいや
静内燕
恋愛
相沢悠太の日常は、規格外の美少女である幼馴染、白石葵によって完全に支配されている。
朝のモーニングコール(ベッドへのダイブ付き)から始まり、登校中の腕組み、そして「あーん」が義務付けられた手作り弁当。誰もが羨むラブラブっぷりだが、悠太はこれを「家族愛」だと頑なに誤解(無視)している。
「ゆーたは私の運命の相手なんだもん!」と、葵のデレデレは今日も過剰の一途。周囲の冷やかしや、葵を狙う男子生徒のプレッシャーが高まる中、悠太の**「幼馴染フィルター」**はついに限界を迎える。
この溺愛っぷり、いつまで「家族」で通せるのか?
甘すぎる日常が、悠太の鈍感な理性を溶かし尽くす――最初からクライマックスの、超高濃度イチャイチャ・ラブコメ、開幕!
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
玖羽 望月
恋愛
――運命というものがあるのなら、それを信じたいと思う。
両親を亡くし天涯孤独の身となった由依は、偶然知り合った大智にずっと心に秘めていた願いを話す。
「血の繋がった家族が……子どもが欲しいんです」
交際相手もいない由依だったが、大智はそれを笑わず聞いてくれた。
――そして、
「僕では……駄目かな? 君の子どもの父に……」
思ってもみない申し出を戸惑いながら受ける由依。
優しく甘い夢のような一夜は幕を開ける。
「約束、して……。僕の前から消えないって……」
会ったばかりなのに切なげに大智に懇願される由依。けれど由依は、はなからその約束を守るつもりはなかった。
――それから数年後。由依は大智と再会する。
大智に優しかったあの日の面影はなく、冷血弁護士と呼ばれていた。そして由依の生活も一変していた。
☆瀬奈 由依《せな ゆい》(26)
幼い頃から憧れていた保育士として働く。
☆阿佐永 大智《あさなが だいち》(27)
選択肢が限られたなか、しかたなく弁護士となった。
※年齢は開始時点
【作中に登場する場所や企業は創作上のものです。また、職業について実際と異なる部分があるかと思います。全て作者の拙い想像の範囲です。ご了承ください】
他サイトにも掲載しています。
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
読んでくださり感謝いたします。
すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる