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第二章 聖杯にまつわるお話
第444話
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神託内容を伝えるのが嫌で口を閉ざしていたら、イグちゃんが言った通り脳内で延々と神託が繰り返されているのですが。
こんな女神嫌すぎる。
(んもう、じゃあこういうのはどう?)
折れない僕に女神様が言葉を変えた。
この人をどうにかショタに変えて、ポイっとシヴァさんに献上出来ないか考えたのが伝わったのだろうか。
「では女神様からの伝言……じゃなくて神託を伝えますね、無視してもいいのでとりあえず聞いてください」
僕のセリフに領主さんは固まり、脳内ではブーイングが響いている。
この脳内放送がなかったら神託も無視するんだけどなぁ。
「教会の儀式の間で交合すると治りますよ」
「??????」
領主さんが混乱している。まぁそうだよね。
でも効果はあると思いますよ、刀国ではそれで母乳が出るようになります。
建前的には「神に交わりの儀式を捧げて治癒の慈悲をもらう」とかそんな感じ、その辺は為政者がうまいこと綺麗な言葉に変換して広めてほしい。
思いつかなかったらヴィシュタル教の教会でお悩み相談するといいですよ、ちなみに刀国は最初は綺麗な言葉で飾ってたけど途中から面倒になって今はそのまま伝えているようです。
なお実態は「女神に濃厚なあれこれを捧げることでネタを提供、地球で薄い本になって発売されるけど異世界だしいいよね、病気は治すし」。とかそんな感じ。
ああでも薄い本になるとは限らないのか、あの人って小説からゲームまで幅広くやってるし。
「実践しなくていいですよ、うちの子たちが啓示した方法で解決できるはずですから」
「とりあえず問題解決して皆で美味いもの食べようぜー!」
『お鍋が美味しい季節よ』
「煮込みラーメン希望です」
口には出さないけどうちの子が問題解決するのは慈善事業ではない、単に遊戯の一つみたいなものなので、ダメもとで試してみた方がお得ですよ。
神の気まぐれで悩みが消えたらラッキーみたいな。
それから一時間後、領主の館の庭先に領民が幾人か呼び出された。
魔力過多を患った人の一部らしい、平民だから貴族の呼び出しに拒否権はないと言えど、皆さんしんどそうですねー。
これが刀国民だったら美味いもの食わせろって煩いだろうなぁ。
貴族を前に怯える平民、死にそうな自分達がどんな目に合わされるのか露骨に怯えていますね。
貴族様が相手だから逆らえない、口答えどころか口を開くことさえ許されない。こんな状況で実験体にされるとか死ねと言っているようにしか聞こえないね!
でも大丈夫!
主導するのうちのイネスだから!
あと解散の時にはひよこ豆のスープとパンが配られます、お金で買えない価値があるスーパーひよこ豆。
今なら一人につき一袋貰える!
刀国の話だけどね。
なんて脳内で遊んでいたら、イネスが「クリーン」の説明を終えた。
何度か「ぺかぁ」と間違えていた気がするけど、呪文は特に重要じゃないから問題ない。
『魔力過多なら使えばいいじゃない』
「暴走の時点で攻撃的なイメージしかないのがいけないんだろうな」
「クリーンなら暴走しても周囲がピカピカになるだけです」
ご都合主義の擬人化と言われる僕、そして夢の世界を通じて能力を共有する子供達が指導すればあら不思議、ふんわりした言葉でもふんわりした感じに伝わって何か使えるようになったみたいです。
練習している間に一人の子供が限界が来て暴走してしまったけど、門の錆が取れてピカピカになったので領主さんもにっこり。
「解決です」
『やったー!』
「イェーイ」
ふんわりとした適当な説明でもどうにか出来る。謎能力の万能さが素敵だと思います。
「神子様」
「はい?」
「成人した者は上手くクリーンを使えないようです」
「大人な分、頭が固いからかなぁ? それとも女神の呪いかな?」
『呪いの可能性が捨てきれないの』
「みゃぁん」
「食いついてくるよな」
「まぁ、飯作ったからさ、食って体力つけてから教会行けばいいと思うぜ」
イグちゃんが優しい。
邪神だけどうちの子より人間に対して優しい気がする。
こんな女神嫌すぎる。
(んもう、じゃあこういうのはどう?)
折れない僕に女神様が言葉を変えた。
この人をどうにかショタに変えて、ポイっとシヴァさんに献上出来ないか考えたのが伝わったのだろうか。
「では女神様からの伝言……じゃなくて神託を伝えますね、無視してもいいのでとりあえず聞いてください」
僕のセリフに領主さんは固まり、脳内ではブーイングが響いている。
この脳内放送がなかったら神託も無視するんだけどなぁ。
「教会の儀式の間で交合すると治りますよ」
「??????」
領主さんが混乱している。まぁそうだよね。
でも効果はあると思いますよ、刀国ではそれで母乳が出るようになります。
建前的には「神に交わりの儀式を捧げて治癒の慈悲をもらう」とかそんな感じ、その辺は為政者がうまいこと綺麗な言葉に変換して広めてほしい。
思いつかなかったらヴィシュタル教の教会でお悩み相談するといいですよ、ちなみに刀国は最初は綺麗な言葉で飾ってたけど途中から面倒になって今はそのまま伝えているようです。
なお実態は「女神に濃厚なあれこれを捧げることでネタを提供、地球で薄い本になって発売されるけど異世界だしいいよね、病気は治すし」。とかそんな感じ。
ああでも薄い本になるとは限らないのか、あの人って小説からゲームまで幅広くやってるし。
「実践しなくていいですよ、うちの子たちが啓示した方法で解決できるはずですから」
「とりあえず問題解決して皆で美味いもの食べようぜー!」
『お鍋が美味しい季節よ』
「煮込みラーメン希望です」
口には出さないけどうちの子が問題解決するのは慈善事業ではない、単に遊戯の一つみたいなものなので、ダメもとで試してみた方がお得ですよ。
神の気まぐれで悩みが消えたらラッキーみたいな。
それから一時間後、領主の館の庭先に領民が幾人か呼び出された。
魔力過多を患った人の一部らしい、平民だから貴族の呼び出しに拒否権はないと言えど、皆さんしんどそうですねー。
これが刀国民だったら美味いもの食わせろって煩いだろうなぁ。
貴族を前に怯える平民、死にそうな自分達がどんな目に合わされるのか露骨に怯えていますね。
貴族様が相手だから逆らえない、口答えどころか口を開くことさえ許されない。こんな状況で実験体にされるとか死ねと言っているようにしか聞こえないね!
でも大丈夫!
主導するのうちのイネスだから!
あと解散の時にはひよこ豆のスープとパンが配られます、お金で買えない価値があるスーパーひよこ豆。
今なら一人につき一袋貰える!
刀国の話だけどね。
なんて脳内で遊んでいたら、イネスが「クリーン」の説明を終えた。
何度か「ぺかぁ」と間違えていた気がするけど、呪文は特に重要じゃないから問題ない。
『魔力過多なら使えばいいじゃない』
「暴走の時点で攻撃的なイメージしかないのがいけないんだろうな」
「クリーンなら暴走しても周囲がピカピカになるだけです」
ご都合主義の擬人化と言われる僕、そして夢の世界を通じて能力を共有する子供達が指導すればあら不思議、ふんわりした言葉でもふんわりした感じに伝わって何か使えるようになったみたいです。
練習している間に一人の子供が限界が来て暴走してしまったけど、門の錆が取れてピカピカになったので領主さんもにっこり。
「解決です」
『やったー!』
「イェーイ」
ふんわりとした適当な説明でもどうにか出来る。謎能力の万能さが素敵だと思います。
「神子様」
「はい?」
「成人した者は上手くクリーンを使えないようです」
「大人な分、頭が固いからかなぁ? それとも女神の呪いかな?」
『呪いの可能性が捨てきれないの』
「みゃぁん」
「食いついてくるよな」
「まぁ、飯作ったからさ、食って体力つけてから教会行けばいいと思うぜ」
イグちゃんが優しい。
邪神だけどうちの子より人間に対して優しい気がする。
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