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第二章 聖杯にまつわるお話
第470話
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あの場にカイちゃんがいたのは僕に害意が向いたのをえっちゃんが察知、パンドラもいるし、自分で対処するより誰かを呼んで、こういう時はこんな感じの惨劇になるよ。と教えるためで、ちょっとだけ悩んだ末に選ばれたのがカイちゃん。
魔王様を上回るヤバい物件を選ぶえっちゃんって、意外と好戦的だよね。
今回は最年少のパンドラがいたから国ごと滅ぼしたりはしなかったらしいけど、辺り一面モザイクな時点でダメだと思います。
しかもお肉食べ続けていたし、この子意外と精神図太い。
「パンドラはなんであそこにいたの?」
「スラムで聖女活動してたら使者に呼ばれた!」
「教会の者が止める間もなくほぼ拉致のような連れ去り方だったようですね。パンドラ」
「はい!」
「知らない人について行かない」
「すんませんでした!」
いつもは傍若無人なパンドラが土下座する勢いでカイちゃんに謝っている。
分かる。カイちゃんの笑顔の圧って怖いよね。
「でもさ、私がついて行かないとスラムのチビどもに危害加えそうだったんだよぉ」
「いいですか、そういう時は迷わずシヴァを呼びなさい、少年のためなら秒で来ます」
同時に問題が起ころうが、シヴァさんは分身出来るので全く問題ないそうです。
でも各地でいたいけな少年を助けるパンドラには感謝しており、なんかいつの間にか加護付けたらしい。
「え?」
「本人が上機嫌で私に報告しにきました。女も役に立つ時があるんだな、と」
「シヴァさん女性嫌いだっけ?」
「少年を増やすために存在を認めてはいましたが、この世界、男が産めるでしょう? 存在意義を感じなくなったみたいですよ」
僕はこの瞬間一つの決意をした。
万が一にもシヴァさんが管理者に名乗りを上げさせないためにも、女神様には女神様としてもっと働いてもらおうと。
「シヴァさんが管理者になったら女の子が消失するっ、ヘラ母さんがいなくなるのは嫌だし、女神様が自棄を起こして暴走したら迷惑!!」
「……」
カイちゃんが否定しない、ありえると思ったんだろう。
「そこのご友人」
「は、はい!」
ギャルな男の娘はカイちゃんを刺激しないように声を殺していたけどいたんですよ。
おにぎり冷めちゃうから食べてもいいのに。
「元の場所に戻りたいですか?」
「え、っと」
「本音言っていいぜ、カイ兄ちゃんは人間に比較的優しいからさ!」
正座しながらフォローするパンドラを、本当かよって目でギャル君が見ている。
「村には居場所はないです、僕、えっと私がこんな風だから浮いてて……」
「では紹介状を書くので魔王城に就職すると良いでしょう、良心的な者ばかりですし、爪が長い子もいるのできっと人気が出るでしょう」
人気が出たらゴブリンが弟子入りとかするかも、それはそれで楽しそう。
「ま、まおう」
「魔王様すんげぇいい人だから、私の親戚でもあるんだぜ!」
「えっ、魔王ってこの人じゃ」
「かあちゃんは魔王じゃないって、魔王を呼んでかあちゃんが呼ばれた理由は謎だけど、そもそもあの王子なんで魔王を呼ぼうとしたんだろうな? 聞いてる?」
「ただ召喚された相手を倒せば褒章をやるって言われて拉致されただけだから」
「ただの馬鹿だったのかな?」
理由知っていそうな人、カイちゃんが全滅させちゃったからなぁ。
その後、ギャル君は魔王様の面接を受けて正式に魔王城に就職、おしゃれ好きな魔物相手に腕をふるっているそうです。
多分、そのうち魔物の誰かとラブラブになったと噂が届くんだろうなぁ。
魔王様を上回るヤバい物件を選ぶえっちゃんって、意外と好戦的だよね。
今回は最年少のパンドラがいたから国ごと滅ぼしたりはしなかったらしいけど、辺り一面モザイクな時点でダメだと思います。
しかもお肉食べ続けていたし、この子意外と精神図太い。
「パンドラはなんであそこにいたの?」
「スラムで聖女活動してたら使者に呼ばれた!」
「教会の者が止める間もなくほぼ拉致のような連れ去り方だったようですね。パンドラ」
「はい!」
「知らない人について行かない」
「すんませんでした!」
いつもは傍若無人なパンドラが土下座する勢いでカイちゃんに謝っている。
分かる。カイちゃんの笑顔の圧って怖いよね。
「でもさ、私がついて行かないとスラムのチビどもに危害加えそうだったんだよぉ」
「いいですか、そういう時は迷わずシヴァを呼びなさい、少年のためなら秒で来ます」
同時に問題が起ころうが、シヴァさんは分身出来るので全く問題ないそうです。
でも各地でいたいけな少年を助けるパンドラには感謝しており、なんかいつの間にか加護付けたらしい。
「え?」
「本人が上機嫌で私に報告しにきました。女も役に立つ時があるんだな、と」
「シヴァさん女性嫌いだっけ?」
「少年を増やすために存在を認めてはいましたが、この世界、男が産めるでしょう? 存在意義を感じなくなったみたいですよ」
僕はこの瞬間一つの決意をした。
万が一にもシヴァさんが管理者に名乗りを上げさせないためにも、女神様には女神様としてもっと働いてもらおうと。
「シヴァさんが管理者になったら女の子が消失するっ、ヘラ母さんがいなくなるのは嫌だし、女神様が自棄を起こして暴走したら迷惑!!」
「……」
カイちゃんが否定しない、ありえると思ったんだろう。
「そこのご友人」
「は、はい!」
ギャルな男の娘はカイちゃんを刺激しないように声を殺していたけどいたんですよ。
おにぎり冷めちゃうから食べてもいいのに。
「元の場所に戻りたいですか?」
「え、っと」
「本音言っていいぜ、カイ兄ちゃんは人間に比較的優しいからさ!」
正座しながらフォローするパンドラを、本当かよって目でギャル君が見ている。
「村には居場所はないです、僕、えっと私がこんな風だから浮いてて……」
「では紹介状を書くので魔王城に就職すると良いでしょう、良心的な者ばかりですし、爪が長い子もいるのできっと人気が出るでしょう」
人気が出たらゴブリンが弟子入りとかするかも、それはそれで楽しそう。
「ま、まおう」
「魔王様すんげぇいい人だから、私の親戚でもあるんだぜ!」
「えっ、魔王ってこの人じゃ」
「かあちゃんは魔王じゃないって、魔王を呼んでかあちゃんが呼ばれた理由は謎だけど、そもそもあの王子なんで魔王を呼ぼうとしたんだろうな? 聞いてる?」
「ただ召喚された相手を倒せば褒章をやるって言われて拉致されただけだから」
「ただの馬鹿だったのかな?」
理由知っていそうな人、カイちゃんが全滅させちゃったからなぁ。
その後、ギャル君は魔王様の面接を受けて正式に魔王城に就職、おしゃれ好きな魔物相手に腕をふるっているそうです。
多分、そのうち魔物の誰かとラブラブになったと噂が届くんだろうなぁ。
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