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第三章 世界に降りかかる受難

第516話

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 お仕事って連続するよね。
 なぜ次から次へとこんなに問題が発生するんだ……この世界の人たち、もうちょっと気軽に生きてほしい。

 いや、もしかして問題多発している原因って、女神様?
 地球でバカンス楽しんでいると勝手に思っていたけど、ラノベとか読み漁ってる?
 影響出てきてる感じ?

 すっごい迷惑。

 今日は……なんと、転生スライムです!
 転生ゴブリンっぽい相手は見たことあるけど、スライムは初かもしれない。

 地面に書いてくれた自己紹介が日本語だからすぐ分かった。けれどちょっと不便。
 念話、子供達とは出来るけど、むむむ。

(聞こえますか、今貴方の心に直接呼びかけています)
(ママ、授業中にいきなり笑わそうとしないで)

 失敗した上にアー君に怒られた。
 頑張れアー君、きっと腹筋ムキムキになれるよ。

 とりあえず転生スライムを保護、家に連れて帰って座敷で解放、お昼ご飯を食べ終えた所で改めてお話を聞こうとしたら見失った。
 スラちゃんに溶け込むとは、やるな。

「シャムス、僕が連れてきたスライムどれだろう?」
『分からなーい』
「転生生活を満喫したかったら名乗り出てくるんじゃないか? それより午後は何するー?」
「夕食のデザートのためにフルーツ狩りに行きましょう! 果樹園に!」
「明日はイネスが当番だっけ、疲れさせて明日に響かせる作戦か?」
『今のママ、超回復よ』
「うぐぐぐぐ」

 僕も本当は一日皆と遊び倒したい。
 でも女神様の妄想が乱舞しているようで、呼び出し頻度が上がっているのです。

 お昼寝しようかな、と思った所で転移。
 どこかの教会ですが、教会って大体同じ構造なので見分けが付きません。

「本日のお悩みをどうぞ」
「神子様お疲れ様です。まずはかりんとう饅頭とふんわりドーナツどちらにいたしましょう?」
「んん、んーー!」

 どっちも好きぃ!
 何て悩ましい二択!

 カリカリのかりんとう饅頭もいいけど、ふんわりも捨てがたい。

「かりんとう饅頭ならお煎茶、ドーナツならレモンティーになります」
「むむむむ」

 この司祭、選択肢を増やしおった!
 今日のお昼は輪切りにしたフランスパンに好きな具とチーズを乗せて焼くピザもどき、デザートは焚火で焼いたあちちなアップルパイだった。
 ならばここは和風を選ぶべきか……ぐぬぬ。

「えっちゃん半分こしよう」
「キキ」

 選べないので両方食べます、飲み物はお煎茶で。
 伊達に刀雲のお膝でワガママ振りまいてないのです。

「神子様?」

 ホッと一息ついた所で帰宅しようとしたら司祭さんににっこり微笑まれた。
 そうだった。ご相談聞いてなかったね。
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