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第三章 世界に降りかかる受難

第590話

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 帝国兄弟も普通の器では生まれてこない可能性があったかもしれない、でも生んだの僕だからね、母子ともに何の問題もないのです。
 問題らしきものと言えば、人の理から外れちゃっているから、成長速度が個人の自由。
 最初の方に生んだ双子は甘やかされライフを満喫するため、生後数年経った今もハイハイレベル。あれは本人が成長する気にならないと大きくならないやつ。

 うーんうちの子は全体的にそんなだから参考にならないなぁ。
 魔力過多を上手いこと解決して、ヨムちゃんへの信仰を爆発的に広めたい。

「魔力を代わりに使う誰かがいればおっけぇ」
「どうやって」
「教会で魔力繋げちゃう?」

 とにかく自分で魔力を使えるようになるまでの数年だけ、期間限定で魔力を繋げて、自分で使えるようになったら解除と共にクリーンを授ける。というのはどうだろう?
 いやいっそ、生まれる前から魔力過多と分かっているなら、ヨムちゃんの力でどうにかならないかな?

「どうだろヨムちゃん」

 ちょうどそこに池という名の水があったので聞いてみた。

「俺、細かいこと良く分からない!」
「そっかー」

 池からざっぱぁんと登場し、池の上に立ったヨムちゃんが元気よく答えてくれた。
 そうだよねー、基本的にヨムちゃんの力の使い方は勢いだもんねー。

「何かテンプレな解決方法はないかなぁ?」
「テンプレはよく死ぬからなぁ……あー何かと契約する!」
「もふもふはダメよ、自由でいなきゃ」

 契約には魔力がいるもんね、それも手の一つではあるけど、本人が望まない限りだーめー。

「あとは王道で魔石に力をこめるとか!」
「ませきに?」
「魔力を吸収した魔石はギルドか教会に卸して新しいのと交換してもらう!」
「アカーシャの仕事増えちゃう」
「冒険者ギルドと提携すれば魔石も気軽に手に入るし、多少お金は掛かるけどまぁそこはアー君たちに要相談で」

 そういう感じでどうかな?
 皇帝を見上げたら一考の余地ありのようで、顎に手を当ててなるほどと頷いていた。
 うむうむ、さすがヨムちゃん。

「早速会議に挙げてみる」

 難しいお話が終わった所で僕もピザ食べる。
 皇帝に下におろしてもらい、猛ダッシュで皆の所に向かおうとしてコケて池に落ちました。

「母ちゃん、水辺では気を付けような」
「あい」

 ばっしゃーんとはならずに、何と池の上に座っててびっくり。僕、いつの間に忍者スキルを身に着けていたんだろうか。
 何て思いながら池から岸に上げてもらったら、皇帝に回収されて再び抱っこされました。

 家に帰ってから池に落っこちた件をえっちゃんが刀雲に報告して、刀雲とヘラ母さんからお説教を長々と食らいました。
 そんなー。
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