神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

文字の大きさ
635 / 1,238
第三章 世界に降りかかる受難

第624話

しおりを挟む
 いや、その気になればアンデッドを倒す事も可能なのよ?
 実際にぺっかぺっか光ったイネスが単独で滅びた大地を一つ浄化したエピソードあるし、でもね、最近はただ浄化するよりもああいう感じにした方が楽しいって気付いちゃってね、下手に威力調節出来るようになってからはもう何が何だか。

「そういう訳で浄化はしても成仏するとは限らないのでござる」
「素直に成仏しろよ!」

 涙目でこちらを睨む社畜戦士、背後にはハートマークを飛ばすアンデッド系がたくさん。
 気を利かせた護衛さんが配った応援団扇やタスキ、はちまきを身に着けているんだけど……もしや最初からイネスを選ぶと読んでいた? それとも個人の持ち物なのだろうか、追究するのやめとこ。

「ゾンビとか普通に怖い! 腐ってるし!」
「浄化で綺麗にして骨だけにすればスケルトン」
『聖水を浴びれば腐った肉落ちるよ』
「ママ、聖水降らせていいですか?」
「カイちゃん、部屋の隅でいいので適当な大きさの穴掘ってください」
「ハイハイ」

 学園の教室ほどではないけれど、決して狭くはないはずの空間にアンデッドが押し寄せてちょっと窮屈。
 ここで聖水降らされたら僕まで濡れちゃうので嫌です、水場を用意するからそっちで手を打って欲しい。
 カイちゃんが地面に穴を開けてくれたので、次はヨムちゃんにお願いして水を出してもらい、さらに次をお願いする前にイネスがビカッとすれば聖水温泉の完成です。

「ほらほら、アンデッドたちを誘導してください」
「俺がやるの!?」
「田中様ファイトー、これも修練の一つですよ」
「護衛だよね、投げやりすぎない!?」
「あははー」

 渋々立ち上がったお兄さんはそのまま出来上がった温泉までアンデッドを率いて移動し、ここに入って汚れを落としてお願いだからと懇願している。
 懇願しなくても言うこと聞くのにね。

「あ、あぁぁぁ!!」
「ギャアアアア!!」
「いやぁぁぁんえっちぃぃぃ!!」

 温泉に入った途端響く悲鳴。
 これで成仏するんじゃないかと期待したお兄さん、残念! それで成仏したら誰も苦労しない!

「スケルトンは骨がピカピカになったね」

 ここが洞窟とは思えない色白な骨の出来上がりである。なんなら薄っすら光っている。さすが聖水。
 色白になったスケルトンが頬を染めてチラチラお兄さんを見てるよ、必死に視線を逸らしてないで褒めてあげてほしい。

「ゾンビは案の定スケルトンになったなー」
『ゴースト、幽体だから効果ないの』

 腐った肉は温泉の中に落ちた訳ではなく、温泉に浸かった瞬間に蒸発してました。
 あれでダメージを受けてないのだから世の中不思議な事もあるよね。

 そんな感じで大量のスケルトンとゴースト、階層が浅いから弱めの子しかいないの仕方ないね。
 でもちょっと寂しいから、お風呂上りで一息付いているスケルトンにフード付きのローブを着せてみました。魔法を使うアンデッドの代表、リッチの完成である。
 おお何かいい感じ、ついでだから出羽亀トレントの枝で作った杖もあげちゃう。うむうむ。

「なぁ、リッチが誕生してるんだけど」
「いつもの事ですよ田中様」
『僕もやる。このゴーストとスケルトンを混ぜてー、闇属性のリッチ、ダークリッチの出来上がりー!』
「なぁ、リッチの上位種が爆誕してるんだけど」
「いつもの事ですよ田中様」
「じゃあ俺はじいちゃんから貰った古い鱗とゾンビの犬を混ぜて、ドラゴンゾンビだ!」
「なぁ、あれ」
「いつもの事ですよ田中様」
「私もやります! カイちゃんこの魔石に魔力ください」
「はいどうぞ」
「これをゴーストに食べさせます!」
「なぁネクロマンサーじゃないかな、あれ」
「いつもの事ですよ田中様!!」

 楽しい工作のお時間です、愉快、愉快。
 社畜戦士も楽しんでいるようで何より。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―

綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。 一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。 もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。 ルガルは生まれながらに選ばれし存在。 国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。 最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。 一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。 遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、 最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。 ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。 ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。 ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。 そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、 巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。 その頂点に立つ社長、一条レイ。 冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。

N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間 ファンタジーしてます。 攻めが出てくるのは中盤から。 結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。 表紙絵 ⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101) 挿絵『0 琥』 ⇨からさね 様 X (@karasane03) 挿絵『34 森』 ⇨くすなし 様 X(@cuth_masi) ◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

もふもふ獣人転生

  *  ゆるゆ
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 もふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しいジゼの両片思い? なお話です。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるように書いています。 リトとジゼの動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

異世界で孵化したので全力で推しを守ります

のぶしげ
BL
ある日、聞いていたシチュエーションCDの世界に転生してしまった主人公。推しの幼少期に出会い、魔王化へのルートを回避して健やかな成長をサポートしよう!と奮闘していく異世界転生BL 執着最強×人外美人BL

悪役令息の僕とツレない従者の、愛しい世界の歩き方

ばつ森⚡️8/22新刊
BL
【だって、だって、ずぎだっだんだよおおおおおお】 公爵令息のエマニュエルは、異世界から現れた『神子』であるマシロと恋仲になった第一王子・アルフレッドから『婚約破棄』を言い渡されてしまった。冷酷に伝えられた沙汰は、まさかの『身ぐるみはがれて国外追放』!?「今の今まで貴族だった僕が、一人で生きて行かれるわけがない!」だけど、エマニュエルには、頼りになる従者・ケイトがいて、二人の国外追放生活がはじまる。二人の旅は楽しく、おだやかで、順調に見えたけど、背後には、再び、神子たちの手がせまっていた。 「してみてもいいですか、――『恋人の好き』」 世界を旅する二人の恋。そして驚愕の結末へ!!! 【謎多き従者×憎めない悪役】 4/16 続編『リスティアーナ女王国編』完結しました。 原題:転んだ悪役令息の僕と、走る従者の冒険のはなし

処理中です...