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刀国学園
第62話
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特別授業だとは聞いていた。
聞いていたけどこれは特別を通り越してお祭りに近いのではないだろうか、用意された主賓席でステージ上を眺めながら思わず遠い目になってしまうのは仕方ないと思う。
ただっ広い講堂に集められた全生徒が、瞳をキラキラさせながらステージ上を見つめている。
ステージ上でおじいちゃん先生から紹介を受け、順番に自己紹介する本日の特別講師。
本日の特別講師
・ギルド長
・刀国将軍
・教皇(旧総主教)
・魔王様
・レイアさん
・タイガ
・春日さん
もう、どこに驚けばいいんだろう。
ギルド長以外全員知り合いの所か、将軍として紹介されたのが刀雲な所か、魔王様が紹介された瞬間に子供達のテンションが振り切れた所か……ツッコミが追い付かない。
でも久々の軍服カッコいい、痺れる。
これで国王様いたら刀国のトップ勢ぞろいだな、って思ったけど講師陣を紹介しているおじいちゃんが国王様だった。
好々爺過ぎて気付かなかったよ。
もしかしてこのメンバー集めたの国王様? 権力総動員したのかな?
それにしても……うん、ここまで揃っていると何か不測の事態が起こっても大丈夫だね、極端な話、突然スタンピードがこの場で始まっても騎士様とレイアさんいるし、最悪の事態が起こっても春日さんがいるから復活可能、何も怖くない。
おじいちゃんからマイクを受け取ったレイアさんが壇上で仁王立ちし、生徒達を見渡してからニヤリと笑みを浮かべた。
その背後でおじいちゃんの指示で先生方が椅子を片付けている。
「何人か見込みありそうなのはいるな、将来冒険者になると決めている奴は私の前まで来い」
ざわざわとした後、数人の子供達が前に出て来た。
子供らしくない覚悟を決めた表情の子供達の中には、レオ君の友人君もいたので驚き、君、絶対に冒険者向いてないって。
「恐らく彼らは孤児だ」
小さな声で騎士様が教えてくれた。
冒険者は誰でもなれるから目指す孤児は多いらしい、一人で生きて行く一番な簡単な手段だから。
数人の顔を見渡した後、レイアさんが友人君とその隣の震えている子に視線を向けた。
「全員いい顔だ、けどそこのチビ二人は冒険者は向いてねぇな」
「っでも僕は!」
「落ち着けって別の道示してやっから、ほれ出番だぞ」
「まさかの丸投げ!?」
突然レイアさんから視線を向けられた騎士様が大げさに驚いた。ふりをしている。楽しそうだなぁ、生き生きしているのが丸分かりですよ。
「そうだねぇ、チワワな子は命のやり取りより書類仕事の方が向いているかな、騎士団で雇ったらいいんじゃないかな」
「手配します」
「刀雲よろしく~」
本人が一言も発しない内に雇い先が決まったようだ。
刀雲がその子の前まで移動し、膝をついて目線を合わせた。
「名は」
「……リュイ、です」
「職場が決定するまでは君の身柄は私が引き受ける。どこに配属するかはこの後決めよう」
「はい」
刀雲が「私」だって!
か、かぁぁぁっこいぃ、今度二人っきりの時にちょっと言ってもらおうかな!
「そっちの子はお世話係でいいんじゃなぁい? とりあえずアカーシャの下で見習いから始めたらいいと思うよ~」
「ひょぇ」
我が家に来るようです、顔を真っ赤にして倒れそうだけど大丈夫かな?
「よろしくね」
「ひゃ、ひゃぁい!」
手を差し出しだしたアカーシャに気絶寸前なのが本当に心配だ。
うち最上級の美形がごろごろいるよ? 神様とかその上の存在とかホイホイいるし、僕の横にいるこの人外の美形もほぼ一緒に暮らしてるけど……慣れてもらうしかないかー。
「よーし、残りのお前らは体験学習と行くか! タイガァ!」
「問題ない」
「本当に、やるのか、子供に危険は……」
「魔王が結界を揺るがせなきゃ大丈夫だって、あれもいるから何があってもフォローさせるから!」
若干顔色の悪い魔王様の背をレイアさんがバシバシ叩いている。痛そう、あれダメージ入ってるんじゃなかろうか。
「用意出来たぞ」
「さすが、主神様」
「棒読みの賛辞をありがとう」
「行くぜ!」
今気付いたけど、レイアさんのテンションも高いな。
聞いていたけどこれは特別を通り越してお祭りに近いのではないだろうか、用意された主賓席でステージ上を眺めながら思わず遠い目になってしまうのは仕方ないと思う。
ただっ広い講堂に集められた全生徒が、瞳をキラキラさせながらステージ上を見つめている。
ステージ上でおじいちゃん先生から紹介を受け、順番に自己紹介する本日の特別講師。
本日の特別講師
・ギルド長
・刀国将軍
・教皇(旧総主教)
・魔王様
・レイアさん
・タイガ
・春日さん
もう、どこに驚けばいいんだろう。
ギルド長以外全員知り合いの所か、将軍として紹介されたのが刀雲な所か、魔王様が紹介された瞬間に子供達のテンションが振り切れた所か……ツッコミが追い付かない。
でも久々の軍服カッコいい、痺れる。
これで国王様いたら刀国のトップ勢ぞろいだな、って思ったけど講師陣を紹介しているおじいちゃんが国王様だった。
好々爺過ぎて気付かなかったよ。
もしかしてこのメンバー集めたの国王様? 権力総動員したのかな?
それにしても……うん、ここまで揃っていると何か不測の事態が起こっても大丈夫だね、極端な話、突然スタンピードがこの場で始まっても騎士様とレイアさんいるし、最悪の事態が起こっても春日さんがいるから復活可能、何も怖くない。
おじいちゃんからマイクを受け取ったレイアさんが壇上で仁王立ちし、生徒達を見渡してからニヤリと笑みを浮かべた。
その背後でおじいちゃんの指示で先生方が椅子を片付けている。
「何人か見込みありそうなのはいるな、将来冒険者になると決めている奴は私の前まで来い」
ざわざわとした後、数人の子供達が前に出て来た。
子供らしくない覚悟を決めた表情の子供達の中には、レオ君の友人君もいたので驚き、君、絶対に冒険者向いてないって。
「恐らく彼らは孤児だ」
小さな声で騎士様が教えてくれた。
冒険者は誰でもなれるから目指す孤児は多いらしい、一人で生きて行く一番な簡単な手段だから。
数人の顔を見渡した後、レイアさんが友人君とその隣の震えている子に視線を向けた。
「全員いい顔だ、けどそこのチビ二人は冒険者は向いてねぇな」
「っでも僕は!」
「落ち着けって別の道示してやっから、ほれ出番だぞ」
「まさかの丸投げ!?」
突然レイアさんから視線を向けられた騎士様が大げさに驚いた。ふりをしている。楽しそうだなぁ、生き生きしているのが丸分かりですよ。
「そうだねぇ、チワワな子は命のやり取りより書類仕事の方が向いているかな、騎士団で雇ったらいいんじゃないかな」
「手配します」
「刀雲よろしく~」
本人が一言も発しない内に雇い先が決まったようだ。
刀雲がその子の前まで移動し、膝をついて目線を合わせた。
「名は」
「……リュイ、です」
「職場が決定するまでは君の身柄は私が引き受ける。どこに配属するかはこの後決めよう」
「はい」
刀雲が「私」だって!
か、かぁぁぁっこいぃ、今度二人っきりの時にちょっと言ってもらおうかな!
「そっちの子はお世話係でいいんじゃなぁい? とりあえずアカーシャの下で見習いから始めたらいいと思うよ~」
「ひょぇ」
我が家に来るようです、顔を真っ赤にして倒れそうだけど大丈夫かな?
「よろしくね」
「ひゃ、ひゃぁい!」
手を差し出しだしたアカーシャに気絶寸前なのが本当に心配だ。
うち最上級の美形がごろごろいるよ? 神様とかその上の存在とかホイホイいるし、僕の横にいるこの人外の美形もほぼ一緒に暮らしてるけど……慣れてもらうしかないかー。
「よーし、残りのお前らは体験学習と行くか! タイガァ!」
「問題ない」
「本当に、やるのか、子供に危険は……」
「魔王が結界を揺るがせなきゃ大丈夫だって、あれもいるから何があってもフォローさせるから!」
若干顔色の悪い魔王様の背をレイアさんがバシバシ叩いている。痛そう、あれダメージ入ってるんじゃなかろうか。
「用意出来たぞ」
「さすが、主神様」
「棒読みの賛辞をありがとう」
「行くぜ!」
今気付いたけど、レイアさんのテンションも高いな。
応援ありがとうございます!
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