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祭事

第134話

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 ある時はさらわれた子供を救い、
 ある時は親に虐待され、捨てられた子に手を差し伸べ、
 ある時は戦争で親を亡くし孤児となった子を迎え入れ、
 奴隷に身を堕としている子があれば救い上げ、
 気付いたら少年ハーレムを築いていたパーシヴァルさん。

 正直、関わりたくない。
 でも同じ家で暮らし、溺愛されてる。

 偏見のない目で見れば行動は真っ当?なんだよなぁ。
 さらわれた子供は親元に返したし、親の庇護がない子供達は他国の子だろうが刀国に連れて来て、戸籍を与えて孤児院に預ける。

 憂いなく子供を助けたいと言う理由で和街の一部を開拓、孤児院を新設する徹底ぶり。
 職員は吸血鬼が中心、後は誰か紹介してくれと頼まれたのでドンを紹介したり、食事はドリアンを数体派遣したから何とかなったと思う。

 それにしてもどうやって神薙さんの許可を得たんだろうか?

「子供達が大人になったら自分で対価を支払う、いわゆる奨学金に似たようなものだ」
「成人以降は興味を無くすんですね……」
「成人したら自立してもらわねば、一人でも多くの子をかこ……救う為に」

 今絶対「囲う」って言いかけた!

「その点、イツキは素晴らしい、大人にならない永遠の少年、くふふ」

 この言動はもう慣れた。
 慣れなきゃやってられん、家事手伝ってくれるからいいかと諦めた。

 中身こんなでも短期間で子供の守護神として知名度が上がりつつあるんだよ、女神様もあの一件があるから逆らえないみたいだし、子供に関する事は一流だと騎士様に太鼓判を押されてる。
 男の子限定で。

 一応、この世界にも女の子いるんだけどなぁ、盛大にスルーしていらっしゃるんですよ。

『シヴァたん本読んで?』
「喜んで」

 幼児期間が長いと言われているシャムスもお気に入りだ。
 母国から大量に絵本を持ち込み、毎日膝に乗せて読み聞かせをしている。
 国営の孤児院にも寄付したらしく、教皇様からお礼状が届いた。

 他にも色々子供が喜びそうな遊びや、栄養価の高い苗を持ち込んだとか。
 食材が増えるのは助かるなぁ。
 騎士様も女神様も、その辺ザルだからあまり発展してないんだよね、最近はマシになったらしいとは聞いているけど。

「学校の先生にならなかったのが不思議なぐらいですね」
「世界を守護したり、国を動かしたり、色々仕事あったからねぇ。何より長生きしている分、好みというかこだわりを持っててね」
「なんだかなぁ」

 誰でも良いわけじゃないのか、女神様みたいに雑食かと思ってた。

『読んだらおやつなの』
「腕を揮おう」
『ふわふわで丸いのがいーな』
「最高の一枚を用意する」

 甘やかしてくれるのを良い事に、シャムスが色々おねだりしているみたいなんだよね、今のところおやつや食後のデザートが中心みたいだけど。
 ボールみたいに真ん丸になったらどうしよう。

 それはそれで可愛いからいいか。
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