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三食昼寝、家族付き
第978話
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ムーくんの伴侶になったお兄さん、まさかの襲い受だった。
なぜ分かったかと言うと、宴会が明けた翌日の朝食の席で妊娠報告をされたから。
「ありえない」
「あるある」
『よくあるの』
「うちでは結構フツーにある」
一晩で身ごもる事はあれど、翌朝に妊娠が分かるほど育つのは本来はありえないらしい。
え、本当に!?
僕なんて身ごもっているのを自覚する前に出産することもあるよ?
「こんな早く妊娠するなんてっ、こうなったらいつ出産してもいいように遺産分割の手配をしないと」
「なんでそんなに悲壮なんだ?」
「出産は命懸けだ、出血多量で命を落とすのも珍しくない」
「兄さん実は刀国に来て日が浅いな」
『情報古いの』
「刀国には安産の神と呼ばれる神がいてな、助けを求めると出産楽々」
「信者がうなぎ登りに増えているから神の力も爆上がり!」
「さすが僕らの兄弟! カッコイイ!」
「刀羅、鬼羅、おはよう。頭爆発してるよ」
涼玉のセリフを決めポーズとともに補足した双子、朝の身支度が済んでないようで髪が飛んだり跳ねたりしている。
二人の髪質は騎士様譲りの神ヘアーだけど、寝癖と無縁と見せかけて寝起きはボサボサになりがちです。
「母様」
「お願い」
両側から抱き着いて頭を差し出す二人、部屋でセットしてこなかったのは、つまりまぁ甘えているんです。
可愛いから許す。
昨日もらったヘアブラシでまずは刀羅から。
僕の前に座らせ、オイルを使いながら全体を梳かしていると、刀羅の頭が盛大に舟をこぎ始めた。
とてもやり辛い。
「刀羅頑張れ」
『起きて起きて』
「いっそ寝た方がやり易そうだな」
涼玉が指摘した瞬間、刀羅の体が僕の方に倒れてきた。
あわや激突!! の寸前でムーくんが刀羅の体をキャッチしてくれた。
「兄上、寝ています」
「ありがとうムーくん、朝食までそこのクッションコーナーに寝かせておいて」
「はい」
次にやった鬼羅も同じく寝落ちした。
「おはよー」
「太陽が黄色い」
「声も掠れているな、喉に良いものを貰おう」
ヨムちゃんが元気に座敷に入ってきて、少し遅れて雷ちゃんやセティも入ってきた。
「この元気のいいヨムが、俺らの兄弟であり、巷で有名な安産の神だ」
「特に決まった祝詞はないから、陣痛来たら呼べよ!」
アー君の紹介にヨムちゃんがいい笑顔で応える。
「ヨムちゃん、ケルちゃんは?」
「まだ寝てる」
僕の子はほとんど泊っていったけど、白澤を番に持つフィリーネや獣人団のボスを持つ朱、参謀の狐が番の青藍は泊まらずに帰宅したんだよね。
「うぅ熟睡してしまった」
「朝食食べたらもう一寝入りしてこい」
「ゲーム」
「いつでも出来るだろ」
春日さんの腕の中、目をこすりながらエンラがぐずついている。
死神のラスボスだろうとも、幼体に入れば精神はそっちに引っ張られるらしい、ゲームをしたいと言いながらも寝落ち寸前だ。
「母上、父上達は?」
座るとダルそうに髪をかきあげるセティ、動作の一つ一つが色っぽいですね。
「朝方まで飲んでたみたい、当分起きないよ」
「朱が帰ったのってパパ達が酒臭かったからなんだよな」
『でもお土産は酒饅頭』
「下手に飲むより酒が強そう」
お喋りしながらも幼児達はモリモリ朝食のパンを食べ続けている。
食パンを厚切りにして、バターをたっぷり付けて食べるのが気に入ったようで、それぞれ二枚以上は食べているかな。
アー君はチーズをのせて食べるのが気にいったみたい。
邪神兄弟は全員昨晩のうちに帰宅、伴侶が待ってると言ってお土産片手に夕食を食べたら帰っていった。
もちろんラミアちゃんも黒豚君と昨夜のうちに帰宅済み。
輸入に関して本格的に動くのは明日から、今日は皆さんお休みです。
なぜ分かったかと言うと、宴会が明けた翌日の朝食の席で妊娠報告をされたから。
「ありえない」
「あるある」
『よくあるの』
「うちでは結構フツーにある」
一晩で身ごもる事はあれど、翌朝に妊娠が分かるほど育つのは本来はありえないらしい。
え、本当に!?
僕なんて身ごもっているのを自覚する前に出産することもあるよ?
「こんな早く妊娠するなんてっ、こうなったらいつ出産してもいいように遺産分割の手配をしないと」
「なんでそんなに悲壮なんだ?」
「出産は命懸けだ、出血多量で命を落とすのも珍しくない」
「兄さん実は刀国に来て日が浅いな」
『情報古いの』
「刀国には安産の神と呼ばれる神がいてな、助けを求めると出産楽々」
「信者がうなぎ登りに増えているから神の力も爆上がり!」
「さすが僕らの兄弟! カッコイイ!」
「刀羅、鬼羅、おはよう。頭爆発してるよ」
涼玉のセリフを決めポーズとともに補足した双子、朝の身支度が済んでないようで髪が飛んだり跳ねたりしている。
二人の髪質は騎士様譲りの神ヘアーだけど、寝癖と無縁と見せかけて寝起きはボサボサになりがちです。
「母様」
「お願い」
両側から抱き着いて頭を差し出す二人、部屋でセットしてこなかったのは、つまりまぁ甘えているんです。
可愛いから許す。
昨日もらったヘアブラシでまずは刀羅から。
僕の前に座らせ、オイルを使いながら全体を梳かしていると、刀羅の頭が盛大に舟をこぎ始めた。
とてもやり辛い。
「刀羅頑張れ」
『起きて起きて』
「いっそ寝た方がやり易そうだな」
涼玉が指摘した瞬間、刀羅の体が僕の方に倒れてきた。
あわや激突!! の寸前でムーくんが刀羅の体をキャッチしてくれた。
「兄上、寝ています」
「ありがとうムーくん、朝食までそこのクッションコーナーに寝かせておいて」
「はい」
次にやった鬼羅も同じく寝落ちした。
「おはよー」
「太陽が黄色い」
「声も掠れているな、喉に良いものを貰おう」
ヨムちゃんが元気に座敷に入ってきて、少し遅れて雷ちゃんやセティも入ってきた。
「この元気のいいヨムが、俺らの兄弟であり、巷で有名な安産の神だ」
「特に決まった祝詞はないから、陣痛来たら呼べよ!」
アー君の紹介にヨムちゃんがいい笑顔で応える。
「ヨムちゃん、ケルちゃんは?」
「まだ寝てる」
僕の子はほとんど泊っていったけど、白澤を番に持つフィリーネや獣人団のボスを持つ朱、参謀の狐が番の青藍は泊まらずに帰宅したんだよね。
「うぅ熟睡してしまった」
「朝食食べたらもう一寝入りしてこい」
「ゲーム」
「いつでも出来るだろ」
春日さんの腕の中、目をこすりながらエンラがぐずついている。
死神のラスボスだろうとも、幼体に入れば精神はそっちに引っ張られるらしい、ゲームをしたいと言いながらも寝落ち寸前だ。
「母上、父上達は?」
座るとダルそうに髪をかきあげるセティ、動作の一つ一つが色っぽいですね。
「朝方まで飲んでたみたい、当分起きないよ」
「朱が帰ったのってパパ達が酒臭かったからなんだよな」
『でもお土産は酒饅頭』
「下手に飲むより酒が強そう」
お喋りしながらも幼児達はモリモリ朝食のパンを食べ続けている。
食パンを厚切りにして、バターをたっぷり付けて食べるのが気に入ったようで、それぞれ二枚以上は食べているかな。
アー君はチーズをのせて食べるのが気にいったみたい。
邪神兄弟は全員昨晩のうちに帰宅、伴侶が待ってると言ってお土産片手に夕食を食べたら帰っていった。
もちろんラミアちゃんも黒豚君と昨夜のうちに帰宅済み。
輸入に関して本格的に動くのは明日から、今日は皆さんお休みです。
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