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三食昼寝、家族付き
第1065話
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我が家で宴会が催されたその日、参加人数が多過ぎて庭にまで参加者が溢れていた。
邪神が順調に増えているだけでなく、婚姻を結んで縁戚が増えたからなぁ。
「鈴、結婚おめでとう」
「いやぁぁ、主様から離れたくなぁぁいいいい」
本日の酒の肴……もとい主役が騎士様に縋り付いている。
「大丈夫、大丈夫、第二の刀国作ると思えばいいんだよ!」
「第二の?」
「そうそう、刀国のように国民が自由な感じの国を作るんだ」
説得するにしても中身がふわっとしすぎていませんかね騎士様。
「それに鈴、よく考えてごらん」
「うっす?」
「刀国の国民は全て鈴の子供なんだろう」
「はい!」
「その刀国の王と皇帝君は養子縁組をした。つまり鈴は義理の息子と婚姻するんだ」
「ここに来てまさかの私が近親相姦!? やだ萌える」
「しかも刀羅と鬼羅も国王と養子縁組をしているから、皇帝とうちの子達は義理の兄弟! 皇帝と婚姻すれば俺の身内になるんだ!」
「する! 皇帝と結婚します!」
丸めこみ方が雑だなぁ。
思いながらシャムスの口に甘辛ミニ焼きおにぎりを運ぶ。
『おいちー』
「ママ、女神って実は騙されやすいのか?」
「騎士様相手だけだと思うよ」
混乱して冷静さを欠いている女神様はいつか気付く日が来るのだろうか、僕の体を作ったのは女神様だから女神様は僕の第二の母、いやヘラ母さんがいるから第三? まぁいいや、とにかくすでに騎士様とは家族なんです。
僕の母ポジという自覚無いから一生気付かない可能性の方が高いか。
「でも主様ぁ、私の本性は鈴の音色なので、実体がないから子供できなぁいでぇす」
「大丈夫、その辺はカイちゃんとアカーシャが研究中だから、きっとそのうちどうにかなる。それを待てずに人間が後宮に側室を入れて、もしそれを鈴が気に入らなかったら好きにしなさい」
「はい! 人間のどろどろを体験、取材したら洗脳します! あと地球で『これが異世界後宮の実態!』みたいな感じの暴露本出しちゃいます!」
暴走気味な主従を誰かに止めてもらおうと見渡したけど、視線を向けた人全員に露骨に視線を逸らされました。
よし分かった、僕も放っておきます!
「うーん、なぁママ、慶事に空から何かを降らせるのはお約束だろ、女神は何が好きだっけ?」
『BL?』
「BLだな」
「BLです」
「空からBL写真集を降らせるの? 止めようね?」
「うん、一瞬ありかと思ったけど、さすがに地獄だよな。無しで」
女神様の好きなもの、騎士様、お酒、テンプレ、あとなんだろう。
「一升瓶降らせたら死人出るよなぁ」
『物理攻撃になっちゃう』
「首の骨ボッキボキだな」
「テンプレ、婚約破棄を降らせますか?」
「イネス、慶事の場に婚約破棄はダメだよ」
「はぁい」
イネスの発想がちょっと朱寄りで危険ですね、お願いだから兄弟に影響を与えるならもうちょっと平和な感じの影響にしていただきたい。
「桜でいいか、綺麗だし」
『刀国の国花だから、何の問題もないの』
「それにしようぜ、綺麗なら問題ないだろ!」
「何か効果付けましょう、土地的に浄化作用はどうでしょう」
よしよし、会話の内容がまともな感じになってきた。
女神様はへべれけでこちらの話は聞こえていないっぽいし、いい感じのサプライズになるだろう。
「そう言えば公爵との養子縁組ってどうなったの?」
「あみだくじで決めた。シャムスの案」
『エッヘン』
「意外とスムーズに馴染んで皇帝の仲間も自分自身に驚いてたぞ」
「遊び人は食べ歩き公爵の養子になったその日に、家族総出で屋台街に繰り出してました」
氷の騎士は酒好き公爵の家に迎えられ、祝いだと浴びるほど飲まされて真っ赤に染まっていたとか何とか。
漆黒の死神は子だくさん公爵家、上はひい爺さんから下はハイハイを始めた赤ちゃんまで、総出でもみくちゃにされて闇を発動する暇もなかったそうです。
ついでに言えばアカーシャの同級生のお兄さんが死神くんに一目惚れ、夜這いという手段で既成事実を作られて名実ともに家族になったらしい。幸せだからOK。
イグちゃんから加護をもらったユノの狂犬くん、こちらはマシュー君の一家に仲間入り。
加護の効果は分からないけど、兄弟であるナーガに力の使い方を教わっているうちに、マシュー君の家で働いていた魔物の一人といい感じだとイグちゃん談。
そして悲劇の皇帝くん、こちらは連日王宮に通い、神々との付き合い方、無茶ぶりのスルーの仕方などを国王から教わっている最中。
神のやることを止めるのはほぼ不可能なので、被害を減らす方法を模索した方が早いとか、そんな感じのことを伝授してるんだって。
うん、みんな幸せそうでなにより!
「桜の花にママの力混ぜて、帝国の人間の薄暗い部分をふわっとさせよう」
『ただの暗部が愉快な暗部になっちゃう』
「裏切り要素を抱えたのは近日中に始末だ!」
「イグが張り切ってました!」
……大丈夫、これは平常運転!
邪神が順調に増えているだけでなく、婚姻を結んで縁戚が増えたからなぁ。
「鈴、結婚おめでとう」
「いやぁぁ、主様から離れたくなぁぁいいいい」
本日の酒の肴……もとい主役が騎士様に縋り付いている。
「大丈夫、大丈夫、第二の刀国作ると思えばいいんだよ!」
「第二の?」
「そうそう、刀国のように国民が自由な感じの国を作るんだ」
説得するにしても中身がふわっとしすぎていませんかね騎士様。
「それに鈴、よく考えてごらん」
「うっす?」
「刀国の国民は全て鈴の子供なんだろう」
「はい!」
「その刀国の王と皇帝君は養子縁組をした。つまり鈴は義理の息子と婚姻するんだ」
「ここに来てまさかの私が近親相姦!? やだ萌える」
「しかも刀羅と鬼羅も国王と養子縁組をしているから、皇帝とうちの子達は義理の兄弟! 皇帝と婚姻すれば俺の身内になるんだ!」
「する! 皇帝と結婚します!」
丸めこみ方が雑だなぁ。
思いながらシャムスの口に甘辛ミニ焼きおにぎりを運ぶ。
『おいちー』
「ママ、女神って実は騙されやすいのか?」
「騎士様相手だけだと思うよ」
混乱して冷静さを欠いている女神様はいつか気付く日が来るのだろうか、僕の体を作ったのは女神様だから女神様は僕の第二の母、いやヘラ母さんがいるから第三? まぁいいや、とにかくすでに騎士様とは家族なんです。
僕の母ポジという自覚無いから一生気付かない可能性の方が高いか。
「でも主様ぁ、私の本性は鈴の音色なので、実体がないから子供できなぁいでぇす」
「大丈夫、その辺はカイちゃんとアカーシャが研究中だから、きっとそのうちどうにかなる。それを待てずに人間が後宮に側室を入れて、もしそれを鈴が気に入らなかったら好きにしなさい」
「はい! 人間のどろどろを体験、取材したら洗脳します! あと地球で『これが異世界後宮の実態!』みたいな感じの暴露本出しちゃいます!」
暴走気味な主従を誰かに止めてもらおうと見渡したけど、視線を向けた人全員に露骨に視線を逸らされました。
よし分かった、僕も放っておきます!
「うーん、なぁママ、慶事に空から何かを降らせるのはお約束だろ、女神は何が好きだっけ?」
『BL?』
「BLだな」
「BLです」
「空からBL写真集を降らせるの? 止めようね?」
「うん、一瞬ありかと思ったけど、さすがに地獄だよな。無しで」
女神様の好きなもの、騎士様、お酒、テンプレ、あとなんだろう。
「一升瓶降らせたら死人出るよなぁ」
『物理攻撃になっちゃう』
「首の骨ボッキボキだな」
「テンプレ、婚約破棄を降らせますか?」
「イネス、慶事の場に婚約破棄はダメだよ」
「はぁい」
イネスの発想がちょっと朱寄りで危険ですね、お願いだから兄弟に影響を与えるならもうちょっと平和な感じの影響にしていただきたい。
「桜でいいか、綺麗だし」
『刀国の国花だから、何の問題もないの』
「それにしようぜ、綺麗なら問題ないだろ!」
「何か効果付けましょう、土地的に浄化作用はどうでしょう」
よしよし、会話の内容がまともな感じになってきた。
女神様はへべれけでこちらの話は聞こえていないっぽいし、いい感じのサプライズになるだろう。
「そう言えば公爵との養子縁組ってどうなったの?」
「あみだくじで決めた。シャムスの案」
『エッヘン』
「意外とスムーズに馴染んで皇帝の仲間も自分自身に驚いてたぞ」
「遊び人は食べ歩き公爵の養子になったその日に、家族総出で屋台街に繰り出してました」
氷の騎士は酒好き公爵の家に迎えられ、祝いだと浴びるほど飲まされて真っ赤に染まっていたとか何とか。
漆黒の死神は子だくさん公爵家、上はひい爺さんから下はハイハイを始めた赤ちゃんまで、総出でもみくちゃにされて闇を発動する暇もなかったそうです。
ついでに言えばアカーシャの同級生のお兄さんが死神くんに一目惚れ、夜這いという手段で既成事実を作られて名実ともに家族になったらしい。幸せだからOK。
イグちゃんから加護をもらったユノの狂犬くん、こちらはマシュー君の一家に仲間入り。
加護の効果は分からないけど、兄弟であるナーガに力の使い方を教わっているうちに、マシュー君の家で働いていた魔物の一人といい感じだとイグちゃん談。
そして悲劇の皇帝くん、こちらは連日王宮に通い、神々との付き合い方、無茶ぶりのスルーの仕方などを国王から教わっている最中。
神のやることを止めるのはほぼ不可能なので、被害を減らす方法を模索した方が早いとか、そんな感じのことを伝授してるんだって。
うん、みんな幸せそうでなにより!
「桜の花にママの力混ぜて、帝国の人間の薄暗い部分をふわっとさせよう」
『ただの暗部が愉快な暗部になっちゃう』
「裏切り要素を抱えたのは近日中に始末だ!」
「イグが張り切ってました!」
……大丈夫、これは平常運転!
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