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セグラー兄弟から説教

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「カイルからだいたいの話は聞いたけど」

フィルが帰ってきてまた前回のように食事が始まった。

「クララ怒ってた」

ルーベンスは食事をしながらも前回ほど味わう余裕がない。

「怒ってたというより、聞かれたくなかったってことだよね」

「よく思い出して。
俺に聞かれてもクララは平気だった。セドリックにも。ルーがいるとわかって慌てたんだよ。ということは」

「僕に聞かれたくなかった?」

「そう!よし、ルーベンスはセドリックよりマシだ!」

フィルはワインを飲んだ。
「いやいや兄貴、僕もそう思ったんだけどね」

「クララはカイルより僕のことが嫌い?」

「違う!」

「まず、あの時にクララは『従兄弟に恋愛感情がない』ということを彼女らに言ってたんだよね。これからもないということや、親戚として、と言っていた。ここまではいい?」

先生の口調でフィルが言う。カイルが頷く。
ルーベンスも頷く。

「これを話題の当事者であるカイルに聞かれて気まずいのはまだわかる。でもクララは平気だった。
でもルーには聞かれたくなかった。クララにとって、従兄弟としてカイルとルーは同じじゃないんだよ。」

ルーは固まったあと、ワインを手酌で二杯飲んで、肉を二切れ食べた。

「おい」

「……そんなわけ。
それじゃまるで」

赤くなっていくルーベンス。

やれやれ、やっとここまで来たかとセグラ-兄弟が落ち着き、やっとメイン料理にゆっくり取りかかった。

「え、なんでクララはルーに怒ってるんだ?」

「脳筋セディは黙っとけ!」
「色恋レベル五歳児か!」

セグラー兄弟の空腹こわい。彼らのこんな暴言聞いたことないとルーは思った。
彼らは今でこそ穏やかな文官タイプだが幼い頃は騎士になるべく荒いタイプの大人に揉まれて

訓練のあとの肉の奪い合いなどを経験している。

「なあ、なんでルーはクララのエスコートを断ったんだ?嫌いじゃないんだろ」

セドリックが尋ねる。

「嫌いじゃないよ。そんなわけない。でも、これ以上近くにいたらダメだ。クララに嫌われる」

「クララがルーを嫌いになることなんかない」

ゆっくりと言い聞かせるようにセドリックの声が染み込む。

「これ以上、好きにならないために離れたいのか」

フィルがワインを注ぎながら言うと、
コクリ、とルーは頷いた。

「やっと認めたな」

「やっとだ。」

「ルーよりクララの方が認めないかもよ」

三人は乾杯している。

「なんで三人ともそんなに平然としてるの」

「クララが小さい頃から一番好きなのはルーだったから」

「小さい頃から知ってるのに今さら好きになるなんておかしいって思わない?」

「思わない」

「セドリックはともかく、二人はクララのことをそういうふうに好きになったことはないの?」

「ない。」

「良かった……」








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