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3 男だらけの騎士団

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だいたい騎士を目指そうという奴はもともと幼い頃から鍛練をしていたり
運動神経が良かったり
成り上がってやろうという野心があったりする。

その中で、リュートはいつも傷だらけだった。
剣を初めて握ったのが18歳。
それまでは森で暮らしていた。
狩りをしていたので弓や短刀は心得があったが、いわゆる長剣での打ち合いや間合いの取り方は苦手だ。

騎士団では長剣しか与えられない。

「やっぱ、俺無理なのかなー」

童顔で小柄、蜂蜜のような髪とドングリのような瞳のリュートは、むさ苦しい男だらけのなかで可愛がられていた。

「運動神経は悪くないんだよ。むしろ反射神経は良いんだよ、リュートは。」

同期のカイが頭を撫でてくる。
カイは東方の血を引いているので、身軽だ。長剣は苦手だと言っている。諜報部員とか暗部の方が向いていると思う。
笑顔で背後から斬りつけそうな感じがする。

「実践では騎士道なんて役に立たないと思うけどね」

「ばっ、馬鹿かよ!そんなこと言ってるの聞かれたら!」

確かに、綺麗すぎる剣すじはすこいなと思うけれど強そうだとは思わない。
邪道だというカイの剣のほうが速い。

でもリュートはまだ重さに慣れなくて、体重も軽いので打ち合うと負けてしまう。
他の団員からは坊や扱いをされている。
いびられることはないが、まともに相手されてないんだなと思う。カイが陰口を叩かれるのは実践である意味認められているということだと思う。

メイさんの薬のお陰で食欲が増えて、少し体がしっかりとしてきた。
パワーが付くといいなと思いながら、少しは男らしくなってきたと鏡の前で体をさわってニヤニヤしてしまう。

「なあ、カイ、俺ちょっと男らしくなってきてない?」

「あ?いやー、なんというか。相変わらず可愛いけど」

「違う!男らしく!」

カイは細いけど筋肉はちゃんとついている。

「もっとゴツゴツした感じになりたいんだよ」

「ふーん。そういう薬はないのか?最近通ってるんだろ」

「そういうのはないって言われた。食べて鍛練するしかない。」

カイは体をほぐしながら笑っている。

「まあ、個性も強みだと俺は思ってるから」

「カイはそりゃ良いけど。俺の強みってなんだよ」


しばらく真剣に悩んだあと

「女装での諜報活動とか?」

と言われた。


その話をメイさんにしたら、
声を殺して笑われて、その日何度も思いだし笑いをされた。
「ふふ、それは、大変でしたね。
こちら、美白クリームが必要なら、いつでも用意しますので、ふふ。」

メイさんまで、ひどい!
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