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序章
妾を従わせるただ1人の存在。-ハーディーside
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ゲートのくぐった先には-…。
「な、な、ななっ何故ここに…っあ、ああ悪魔がーっ!?」
『騒がしいのは嫌いじゃ、黙れ蛆虫。』
この妾に汚い指など向けおって…知能が足りん蛆虫に興味も用もない。
ハーディーは、ハルバード国王以外の人間達を眠らせた。彼らは成す術もなく強制的に夢の世界へ誘えば、抵抗もなく身を委ねる。
その様子を間近で見ていたハルバード国王は強ばった表情で問いかけた。
「悪魔であるお主がわしに何の用じゃ……。」
『何用とな…一国の王が思考を放棄するとはこの国も終わったと見えようぞ。
ならば聞け…!
ーよくも妾の愛し子をぞんざいに扱ったな…っ
この怒りをどうしてくれようか!!!!』
手から生み出した蕀で愚王を縛りあげる。
「~~っ!!」
ハルバード国王は強烈な痛みをぐっとこらえされるがままの状態だ。
『ほぅ………?これに耐えるとはのぅ。ならば妾の話をそのまま聞くが良い。
ー「色欲」を司る黒き魔女とは妾の事、脳みその足りぬ頭にしかと刻め愚王。長き時に渡り粗末な扱いで愛し子に過剰な重荷を背負わせ、虐げっ、散々利用した挙げ句…っ!
簡単に切り捨てる愚かな下等種共めがっっ!』
「がっ…ーぐがあぁあぁあぁあああ!!」
『これはほんの一部の罰に過ぎん。愛し子の嘆きに比べれば、悲しみに比べれば…、可愛いもんじゃろう??』
蕀を解きハルバード国王は血にまみれ床に転がった。
それをハーディーは冷めた目で、死ぬ一歩手前の状態まで回復魔法とかけた。
『簡単には殺さぬ。
愛し子が悲しむからのぅ…。』
「そ…の、愛し…子、とは…っ、まさかっ、…ミカー」
『愚王ごときがその名を口にするなぁあ!!
ーそうじゃ、妾を従わせるただ1人の存在、妾の愛し子…。悪魔であるこの妾を受け入れる彼女の魔力量の桁に、ようやっと怖じ気づいたかぇ??』
「(なんと言う事じゃ…っ。これでは…)
わしの息子をはじめ、数々の無礼を許せとは言わぬ…だかこれだけは言わせてほしい。
本当に…申し訳なかった、と。」
『謝罪などどうでも良い。
愛し子の邪魔をするな、次はないと思え。』
それだけ言うと優雅な足取りで開門の向こう側へと進む。
「ま…待ってほしい。
彼女に弁解したい事があるのじゃ……、せめて話だけは聞いてもらえぬか?
もし…まだ我が息子との縁が僅かにでも残っておるのならば、どうか…どうか頼む!!」
勢いよく土下座をしたハルバード国王に、ハーディーは嘲笑った。
『弁解…のぅ?
愛し子がその気になったならば妾は手出しせぬが、容赦はしないぞぇ。
精々足掻け愚王、そう簡単に愛し子を差し出す真似ごとはせぬぞ…クフフッ…。』
そう言い残し、ハーディーは再び止めていた足を歩み進め……やがて消えた。
(さて…次はシュヴァルツ、お前の番だ。)
「な、な、ななっ何故ここに…っあ、ああ悪魔がーっ!?」
『騒がしいのは嫌いじゃ、黙れ蛆虫。』
この妾に汚い指など向けおって…知能が足りん蛆虫に興味も用もない。
ハーディーは、ハルバード国王以外の人間達を眠らせた。彼らは成す術もなく強制的に夢の世界へ誘えば、抵抗もなく身を委ねる。
その様子を間近で見ていたハルバード国王は強ばった表情で問いかけた。
「悪魔であるお主がわしに何の用じゃ……。」
『何用とな…一国の王が思考を放棄するとはこの国も終わったと見えようぞ。
ならば聞け…!
ーよくも妾の愛し子をぞんざいに扱ったな…っ
この怒りをどうしてくれようか!!!!』
手から生み出した蕀で愚王を縛りあげる。
「~~っ!!」
ハルバード国王は強烈な痛みをぐっとこらえされるがままの状態だ。
『ほぅ………?これに耐えるとはのぅ。ならば妾の話をそのまま聞くが良い。
ー「色欲」を司る黒き魔女とは妾の事、脳みその足りぬ頭にしかと刻め愚王。長き時に渡り粗末な扱いで愛し子に過剰な重荷を背負わせ、虐げっ、散々利用した挙げ句…っ!
簡単に切り捨てる愚かな下等種共めがっっ!』
「がっ…ーぐがあぁあぁあぁあああ!!」
『これはほんの一部の罰に過ぎん。愛し子の嘆きに比べれば、悲しみに比べれば…、可愛いもんじゃろう??』
蕀を解きハルバード国王は血にまみれ床に転がった。
それをハーディーは冷めた目で、死ぬ一歩手前の状態まで回復魔法とかけた。
『簡単には殺さぬ。
愛し子が悲しむからのぅ…。』
「そ…の、愛し…子、とは…っ、まさかっ、…ミカー」
『愚王ごときがその名を口にするなぁあ!!
ーそうじゃ、妾を従わせるただ1人の存在、妾の愛し子…。悪魔であるこの妾を受け入れる彼女の魔力量の桁に、ようやっと怖じ気づいたかぇ??』
「(なんと言う事じゃ…っ。これでは…)
わしの息子をはじめ、数々の無礼を許せとは言わぬ…だかこれだけは言わせてほしい。
本当に…申し訳なかった、と。」
『謝罪などどうでも良い。
愛し子の邪魔をするな、次はないと思え。』
それだけ言うと優雅な足取りで開門の向こう側へと進む。
「ま…待ってほしい。
彼女に弁解したい事があるのじゃ……、せめて話だけは聞いてもらえぬか?
もし…まだ我が息子との縁が僅かにでも残っておるのならば、どうか…どうか頼む!!」
勢いよく土下座をしたハルバード国王に、ハーディーは嘲笑った。
『弁解…のぅ?
愛し子がその気になったならば妾は手出しせぬが、容赦はしないぞぇ。
精々足掻け愚王、そう簡単に愛し子を差し出す真似ごとはせぬぞ…クフフッ…。』
そう言い残し、ハーディーは再び止めていた足を歩み進め……やがて消えた。
(さて…次はシュヴァルツ、お前の番だ。)
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