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序章
国の混乱
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彼女が突然、姿を消したことで国中が大騒ぎになっていた。
きっかけは、アルフレッド殿下が国王に事の経緯を一部始終話したのが始まりである。
知らせを受けた国王は至急、セルディーア家に遣いの者を送り、ミカエラへの婚約破棄を取り消す旨を伝達したのだか、彼女を乗せている馬車はまだこちらに戻って来ていない事が判明。更に、セルディーア家当主は婚約破棄について、たった今耳にして驚いていたとの返答があった。
「アルフレッド、今すぐにエレメント・ローザ学園に行きセルディーア嬢を乗せている馬車の行方を追え。
見つかり次第、ここへ通すのじゃ…良いな?」
「はっ!!」
アルフレッド殿下は少数の騎士を連れ、ローザ学園へ向かった。
すぐにセルディーア家の紋章が入った馬車は見つかったものの、ミカエラの姿がない。
「セルディーア嬢はまだ戻ってきていないだと…。
お前達っ、急いで学園内の敷地を徹底的に調べろ!」
しかし、いくら探しても彼女の姿はどこにもなかった。
アルフレッド殿下は王宮へ戻り、国王に報告する。
「何処にもいないじゃと?そんなはず……。
―まさかっっ!!ここに魔導師を呼べっ、今すぐじゃっ!」
国王は血相を変えて、両脇に控えていた大臣達に命令する。
やがていくつもの足音が聞こえ、大臣達に連れられた宮廷魔導師が入ってきた。
「遅くなってすみません…。
王様、先程の命令なのですが、その…仰った通りの結果でございました。」
魔導師の言葉に、国王は目に見えて落胆する。
「やはりそうであったか、セルディーア嬢は既にこの国を去っていたのか…。
もう良い、下がれ。」
「父上っ、それはどういう意味なのですか!?」
アルフレッド殿下は目を見開き、国王を問い詰める。
「セルディーア嬢と最後に会ったのはお前じゃったな。
おそらくじゃか…あの時、精霊の力を借りて予期せぬ場所へ行ってしまったと儂は思っておる。」
国王は、更に衝撃の言葉を口にする。
「儂らは本来、精霊と契約を交わすのは一人に対して一体までじゃ。
何故なら、人間の持つ魔力には限りあり複数の契約はきわめて困難なのじゃ…。
しかし…実はミカエラ嬢のみ複数の精霊と契約を交わしておる。」
「風の大精霊、セラフィムルス以外にも契約をしていると…?」
「その通りじゃ、彼女がこの国を去った事でほとんどの精霊が彼女の後を追ってしまった。
今、我が国に存在が確認出来ている精霊は…たったの11体だけじゃ。」
たったの11体。彼女がいたときに比べ、300近い数の精霊がいなくなってしまったのだ。
それだけ彼女の存在が大きかった。
「ではっ!!彼女は一体何体もの精霊と契約を交わしているのですが!?」
「―およそ170体ございます。私が知る限りの精霊でありますが、この中に精霊獣も含まれております。
更に今回の精霊が激減を強めた理由に、セルディーア様がこの国を出たときに発せられた魔力に怯え、下級精霊が存在を隠してしまわれたのも一つの原因ではないかとも考えております。」
先程の魔導師が、助言をと話に参加する。
「アルフレッド…、すまぬがシュバルツをここに呼べ。
一刻を争う事態だと国王より命令が下されたことを必ず伝えよ。」
「御意。」
きっかけは、アルフレッド殿下が国王に事の経緯を一部始終話したのが始まりである。
知らせを受けた国王は至急、セルディーア家に遣いの者を送り、ミカエラへの婚約破棄を取り消す旨を伝達したのだか、彼女を乗せている馬車はまだこちらに戻って来ていない事が判明。更に、セルディーア家当主は婚約破棄について、たった今耳にして驚いていたとの返答があった。
「アルフレッド、今すぐにエレメント・ローザ学園に行きセルディーア嬢を乗せている馬車の行方を追え。
見つかり次第、ここへ通すのじゃ…良いな?」
「はっ!!」
アルフレッド殿下は少数の騎士を連れ、ローザ学園へ向かった。
すぐにセルディーア家の紋章が入った馬車は見つかったものの、ミカエラの姿がない。
「セルディーア嬢はまだ戻ってきていないだと…。
お前達っ、急いで学園内の敷地を徹底的に調べろ!」
しかし、いくら探しても彼女の姿はどこにもなかった。
アルフレッド殿下は王宮へ戻り、国王に報告する。
「何処にもいないじゃと?そんなはず……。
―まさかっっ!!ここに魔導師を呼べっ、今すぐじゃっ!」
国王は血相を変えて、両脇に控えていた大臣達に命令する。
やがていくつもの足音が聞こえ、大臣達に連れられた宮廷魔導師が入ってきた。
「遅くなってすみません…。
王様、先程の命令なのですが、その…仰った通りの結果でございました。」
魔導師の言葉に、国王は目に見えて落胆する。
「やはりそうであったか、セルディーア嬢は既にこの国を去っていたのか…。
もう良い、下がれ。」
「父上っ、それはどういう意味なのですか!?」
アルフレッド殿下は目を見開き、国王を問い詰める。
「セルディーア嬢と最後に会ったのはお前じゃったな。
おそらくじゃか…あの時、精霊の力を借りて予期せぬ場所へ行ってしまったと儂は思っておる。」
国王は、更に衝撃の言葉を口にする。
「儂らは本来、精霊と契約を交わすのは一人に対して一体までじゃ。
何故なら、人間の持つ魔力には限りあり複数の契約はきわめて困難なのじゃ…。
しかし…実はミカエラ嬢のみ複数の精霊と契約を交わしておる。」
「風の大精霊、セラフィムルス以外にも契約をしていると…?」
「その通りじゃ、彼女がこの国を去った事でほとんどの精霊が彼女の後を追ってしまった。
今、我が国に存在が確認出来ている精霊は…たったの11体だけじゃ。」
たったの11体。彼女がいたときに比べ、300近い数の精霊がいなくなってしまったのだ。
それだけ彼女の存在が大きかった。
「ではっ!!彼女は一体何体もの精霊と契約を交わしているのですが!?」
「―およそ170体ございます。私が知る限りの精霊でありますが、この中に精霊獣も含まれております。
更に今回の精霊が激減を強めた理由に、セルディーア様がこの国を出たときに発せられた魔力に怯え、下級精霊が存在を隠してしまわれたのも一つの原因ではないかとも考えております。」
先程の魔導師が、助言をと話に参加する。
「アルフレッド…、すまぬがシュバルツをここに呼べ。
一刻を争う事態だと国王より命令が下されたことを必ず伝えよ。」
「御意。」
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