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序章
ミカエラの夢
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自由の身になった私はこれからどうするか悩んでいた。
「どうしようかな?剣術も体術も不得意の私に出来ること……う~ん…。」
冒険者は正直やりたくない。
なら商人?
『ミカエラちゃんは魔力も十分あるし、物作り得意だから商人の方が良いんじゃない?』
炎を司る大精霊、ヴォルフは提案する。
「商人は確かに良いけど材料を揃えるのに一苦労だなぁー。」
『なら一つに絞っちゃったらどうです?』
私と会話するのがそんなに嬉しいのか、周りでクルクルとはしゃいでいる。
『ミカエラちゃんはさ、ポーション作るの凄く上手いじゃん?
ポーションを作って売れば生活に困らない位のお金が手に入るっすよ??』
「ポーション…。
そうだね!光魔法が扱えない人達にとって必需品だし作り手が一人でも増えた方がメリットあるものね。」
ポーションにも数えきれない種類があるから専門で商売してみようかな?
セラフィとウンディーネ、それから森の妖精達に薬草と水を集めてもらい私とヴォルフで調合を始める。
ポポン草と水は体回復ポーション、ダダン草と水で気回復ポーション、ハッカ草と魔素は魔回復ポーション が出来る。
それぞれ下級~上級を作製することにした。
―体回復ポーション(下級)―
小規模の擦り傷や切り傷を治す。
普段の生活で使用するのに適したポーション。
―体回復ポーション(中級)―
身体から切り離されていない状態であれば治す事が可能。
打撲や内出血等の内側を怪我した場合もこれが用いられる。
―体回復ポーション(上級)―
失った身体の一部を再生する事が出来る。
更に再生された部位はその後の後遺症が残らない。
―気回復ポーション(下級)―
体力の25%を回復する。
―気回復ポーション(中級)―
体力の50%を回復する。
―気回復ポーション(上級)―
体力の75%を回復する。
―魔回復ポーション(下級)―
魔力の25%を回復する。
―魔回復ポーション(中級)―
魔力の50%を回復する。
―魔回復ポーション(上級)―
魔力の75%を回復する。
ポーションを使用する場合、体内の細胞を活性化させ治療するため物によっては使用者の魔力と体力を消耗してしまうが、私が作るポーションは魔力を使せず体力だけが消耗される。
どんなポーションであろうと同じ現象が起こる。作った当初、魔力を使用するという事実に驚いた記憶があったな。
「うん、問題なく作製出来たね。」
それぞれのポーションを鞄にしまう。
現在地は世界樹の森、移動手段が徒歩のみの今は長旅になるはず。
旅をしたことがない私にとって未知の試みだった。楽しみでしょうがない。
『我が主、他国に赴くならばルーゼ王国が最適であると考える。治安も良く精霊に対して偏見がない。』
「ルーゼ王国、どんな国なんだろう…!」
まるで遠足気分の私は急いで支度してルーゼ王国へ出発。
森の妖精達は森の聖域ギリギリまで着いてきて見送ってくれた。落ち着いたらまた遊びに来る事を伝えると『絶対また来てねっ』と言われてまた涙が出そうになった。
★★
世界樹の森を出てから見るもの触るものが初めてづくしで楽しい日々を送っている。
朝鳥達の鳴き声のうるささに飛び起きてハーディーと大笑いしたり、魔物と遭遇すればヴォルフは張り切り過ぎて草木を燃やしてセラフィに説教されていたり。
因みに、私は全く戦闘に参加出来ずその間はずっとセラフィに横抱きされたままだった。
夜は倒した魔物をさばいて食事をするんだけど初めて見たときは絶叫をあげて気絶してしまった。今は少し慣れて血を見ても怖くなくなった。
ただ、さばき方を教えてもらおうとしても精霊達が既に下ごしらえを済ませてしまっていてやった事がない。
私には必要のないと一点張りされるので仕方なくポーション作りや薬草の保存方法を勉強している。
一人旅を始めてから1ヶ月と少し経ったある日、たまたま<千里眼>で景色を見ていた時魔物の集団に襲われている馬車を発見した。
「どうしようかな?剣術も体術も不得意の私に出来ること……う~ん…。」
冒険者は正直やりたくない。
なら商人?
『ミカエラちゃんは魔力も十分あるし、物作り得意だから商人の方が良いんじゃない?』
炎を司る大精霊、ヴォルフは提案する。
「商人は確かに良いけど材料を揃えるのに一苦労だなぁー。」
『なら一つに絞っちゃったらどうです?』
私と会話するのがそんなに嬉しいのか、周りでクルクルとはしゃいでいる。
『ミカエラちゃんはさ、ポーション作るの凄く上手いじゃん?
ポーションを作って売れば生活に困らない位のお金が手に入るっすよ??』
「ポーション…。
そうだね!光魔法が扱えない人達にとって必需品だし作り手が一人でも増えた方がメリットあるものね。」
ポーションにも数えきれない種類があるから専門で商売してみようかな?
セラフィとウンディーネ、それから森の妖精達に薬草と水を集めてもらい私とヴォルフで調合を始める。
ポポン草と水は体回復ポーション、ダダン草と水で気回復ポーション、ハッカ草と魔素は魔回復ポーション が出来る。
それぞれ下級~上級を作製することにした。
―体回復ポーション(下級)―
小規模の擦り傷や切り傷を治す。
普段の生活で使用するのに適したポーション。
―体回復ポーション(中級)―
身体から切り離されていない状態であれば治す事が可能。
打撲や内出血等の内側を怪我した場合もこれが用いられる。
―体回復ポーション(上級)―
失った身体の一部を再生する事が出来る。
更に再生された部位はその後の後遺症が残らない。
―気回復ポーション(下級)―
体力の25%を回復する。
―気回復ポーション(中級)―
体力の50%を回復する。
―気回復ポーション(上級)―
体力の75%を回復する。
―魔回復ポーション(下級)―
魔力の25%を回復する。
―魔回復ポーション(中級)―
魔力の50%を回復する。
―魔回復ポーション(上級)―
魔力の75%を回復する。
ポーションを使用する場合、体内の細胞を活性化させ治療するため物によっては使用者の魔力と体力を消耗してしまうが、私が作るポーションは魔力を使せず体力だけが消耗される。
どんなポーションであろうと同じ現象が起こる。作った当初、魔力を使用するという事実に驚いた記憶があったな。
「うん、問題なく作製出来たね。」
それぞれのポーションを鞄にしまう。
現在地は世界樹の森、移動手段が徒歩のみの今は長旅になるはず。
旅をしたことがない私にとって未知の試みだった。楽しみでしょうがない。
『我が主、他国に赴くならばルーゼ王国が最適であると考える。治安も良く精霊に対して偏見がない。』
「ルーゼ王国、どんな国なんだろう…!」
まるで遠足気分の私は急いで支度してルーゼ王国へ出発。
森の妖精達は森の聖域ギリギリまで着いてきて見送ってくれた。落ち着いたらまた遊びに来る事を伝えると『絶対また来てねっ』と言われてまた涙が出そうになった。
★★
世界樹の森を出てから見るもの触るものが初めてづくしで楽しい日々を送っている。
朝鳥達の鳴き声のうるささに飛び起きてハーディーと大笑いしたり、魔物と遭遇すればヴォルフは張り切り過ぎて草木を燃やしてセラフィに説教されていたり。
因みに、私は全く戦闘に参加出来ずその間はずっとセラフィに横抱きされたままだった。
夜は倒した魔物をさばいて食事をするんだけど初めて見たときは絶叫をあげて気絶してしまった。今は少し慣れて血を見ても怖くなくなった。
ただ、さばき方を教えてもらおうとしても精霊達が既に下ごしらえを済ませてしまっていてやった事がない。
私には必要のないと一点張りされるので仕方なくポーション作りや薬草の保存方法を勉強している。
一人旅を始めてから1ヶ月と少し経ったある日、たまたま<千里眼>で景色を見ていた時魔物の集団に襲われている馬車を発見した。
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