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序章
決意と覚悟、そして救出
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「お願い、私をその場所まで案内して欲しいの。」
けれど誰も頷こうとしてくれなかった。
『我が主と言えどその願いは聞き入れられぬ。』
『何故主様は見知らぬ人間をお救いになろうとするのですか?
わざわざ危ない橋を渡るなどお止めくださいませ。』
「危なくないよ、だって私には皆がいて皆が私のためにその力を貸してくれる。
でも、私自身はその後ろでいつも見てるだけ、私だって戦えるよ?
今ここで見てみない振りをしたらあの人達は確実に死んじゃう。だから…。」
『ミカエラちゃん、あっしらは契約を結んだ精霊だからお願いじゃ動かないっすよ?』
ヴォルフがニコッと笑って返す。
「…そう、分かった。
―命約によって結ばれし者達よ。
我、ミカエラの名において命ずる、この身を願う場所まで案内し我を守りたまえ。
拒否は許さない。」
この場にいる精霊達は一斉に跪く。
『『『『『『我が主の望むままに』』』』』』
「…。」
本当は彼らに強制させたくなかった。
命約を交わした精霊は主とする者の命令に絶対逆らえない。
嫌でも従わないといけない。
彼らを私の命令で縛りたくなかったからこそ、お願いと言う形で逃げ道をつくっていた。でもそんな甘い事を言ってられない。
「ごめんなんて言わないよ。
もう守られるだけのお姫さまなんかじゃない、自分の身くらい守れる。」
私は皆の前で宣言し、目的地に急いで向かう。
★★
目的地に到着すれば既に魔物に取り囲まれている状況だった。
「セラフィはこの辺一帯に結界魔法を展開、ハーディーが魔物に錯乱魔法を発動している間にヴォルフは混乱している隙をついて攻撃!
私とウンディーネは怪我人の手当てをするから。
皆、準備はいい?」
頷いたの確認し行動開始。
セラフィ曰く魔物はオーク4体とゴブリン7体、リーダーがオークキングの一体。
結界に気づいたゴブリンの数体は破壊しよう行動に出る。
けれど…
『クフフッ、妾を無視するとは蛆虫以下の知能しか無いと見えんのぅ!
喚け叫べっ狂ってもがいて死ねばよい!』
『ハーディーさん、ちと落ち着いて欲しいっす。』
ハーディーとヴォルフは順調に魔物を倒している間私は負傷者の手当てを行う。
「しっかりして!
光を纏いし奇跡の女神フェアレィよ、願わくは聖なる光を我らに与えたまえ…。
―<慈悲ある涙の奇跡>」
馬車を中心に魔法陣を展開し6つの翼を生やした金髪の美しい女性が現れる。
彼女は手を組み頬から一筋の涙を流す。
『汝の願い聞き届けたり』
涙は光の粒子となって痛々しい傷を瞬く間に癒していった。
結構な魔力を消費したけどまだ大丈夫。
『主様、どうやら終わったようでございます。』
見れば魔物の死体が山積みになっていて、
セラフィが血で汚れた大地の浄化を行っていた。
「皆、お疲れ様。」
『妾の手にかかれば造作もない事じゃ。
すまないが少し野暮用を思いだしたから
ちょっと行って来るぞぇ。』
ハーディーはひとしきり彼女を愛でた後何処かへ行ってしまった。
けれど誰も頷こうとしてくれなかった。
『我が主と言えどその願いは聞き入れられぬ。』
『何故主様は見知らぬ人間をお救いになろうとするのですか?
わざわざ危ない橋を渡るなどお止めくださいませ。』
「危なくないよ、だって私には皆がいて皆が私のためにその力を貸してくれる。
でも、私自身はその後ろでいつも見てるだけ、私だって戦えるよ?
今ここで見てみない振りをしたらあの人達は確実に死んじゃう。だから…。」
『ミカエラちゃん、あっしらは契約を結んだ精霊だからお願いじゃ動かないっすよ?』
ヴォルフがニコッと笑って返す。
「…そう、分かった。
―命約によって結ばれし者達よ。
我、ミカエラの名において命ずる、この身を願う場所まで案内し我を守りたまえ。
拒否は許さない。」
この場にいる精霊達は一斉に跪く。
『『『『『『我が主の望むままに』』』』』』
「…。」
本当は彼らに強制させたくなかった。
命約を交わした精霊は主とする者の命令に絶対逆らえない。
嫌でも従わないといけない。
彼らを私の命令で縛りたくなかったからこそ、お願いと言う形で逃げ道をつくっていた。でもそんな甘い事を言ってられない。
「ごめんなんて言わないよ。
もう守られるだけのお姫さまなんかじゃない、自分の身くらい守れる。」
私は皆の前で宣言し、目的地に急いで向かう。
★★
目的地に到着すれば既に魔物に取り囲まれている状況だった。
「セラフィはこの辺一帯に結界魔法を展開、ハーディーが魔物に錯乱魔法を発動している間にヴォルフは混乱している隙をついて攻撃!
私とウンディーネは怪我人の手当てをするから。
皆、準備はいい?」
頷いたの確認し行動開始。
セラフィ曰く魔物はオーク4体とゴブリン7体、リーダーがオークキングの一体。
結界に気づいたゴブリンの数体は破壊しよう行動に出る。
けれど…
『クフフッ、妾を無視するとは蛆虫以下の知能しか無いと見えんのぅ!
喚け叫べっ狂ってもがいて死ねばよい!』
『ハーディーさん、ちと落ち着いて欲しいっす。』
ハーディーとヴォルフは順調に魔物を倒している間私は負傷者の手当てを行う。
「しっかりして!
光を纏いし奇跡の女神フェアレィよ、願わくは聖なる光を我らに与えたまえ…。
―<慈悲ある涙の奇跡>」
馬車を中心に魔法陣を展開し6つの翼を生やした金髪の美しい女性が現れる。
彼女は手を組み頬から一筋の涙を流す。
『汝の願い聞き届けたり』
涙は光の粒子となって痛々しい傷を瞬く間に癒していった。
結構な魔力を消費したけどまだ大丈夫。
『主様、どうやら終わったようでございます。』
見れば魔物の死体が山積みになっていて、
セラフィが血で汚れた大地の浄化を行っていた。
「皆、お疲れ様。」
『妾の手にかかれば造作もない事じゃ。
すまないが少し野暮用を思いだしたから
ちょっと行って来るぞぇ。』
ハーディーはひとしきり彼女を愛でた後何処かへ行ってしまった。
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