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4話 彼の過去
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アスランは手際よくオムレツを調理している。
「本当に得意料理だったのね」
「信用したか?」
「したわ…」
「素直でよろしい!あ、もう出来るから…」
食卓に運んでくれ、と言われお皿を預かるものの、以外に重い!と思う間も無くオムレツを乗せたお皿は、あたしの手から滑り落ちた。
「あ~あ」
その声音とは裏腹にアスランは楽しげに床に散らばったものを片付けてゆく。
「ほらな!やっぱりシルヴィアはいいとこのお嬢さんだ」
「え?違うって・・・」
「皿も運べない箱入り娘だ」
言い返せない。アスランの言うとおり。
この辺境の星に来るまで、実は料理なんてしたことがない。料理はロボットが作るもの。それがあたしの認識だった。
「指、切れてる」
彼は、あたしの傷口を手早く消毒しテーピングしてくれた。
「アスランは慣れているのね?」
「ああ、3年前からひとり暮らしだから慣れちまった」
「あれだけモテるのに、料理を作ってくれる女性はいないの?」
「あれは、観賞用の女たちだもの」
『金髪のエンゼルフィッシュ』
その言葉が頭をよぎった。きっと誰にでもそう言っているのだわ。
そう思うと気もちが落胆気味になった。
「さ、冷めないうちにどうぞ、お嬢様!」
「ちょ、その呼び方はやめてよ」
「なんで?見たまんまじゃねぇかよ?」
「お嬢様って呼ばれるの好きじゃないの」
その呼び方は嫌でも地球時代を思いださせた。もう、思い出したくない忌まわしい記憶。
何も知らずにエリート意識をもって生きていた頃。だからその頃の呼び方は聞きたくない。
「おいしい!」
「そうだろう?練習したから」
「へぇ。意外とマメなのね」
「ああ、作ってくれるヤツがいなくなったからな・・・」
そう言うアスランの瞳は、あたしを通り越し別のところへ向けられた。
初めて見た自虐的とも見えるその眼差しにドキリとした。
彼の視線はある一点に集中していた。
あたしは、自分の背後を振り返るのが恐かった。
なんとなしに世間話をしながら食事は終わった。
「アスラン。お水もらえるかな?」
「冷蔵庫にエビアン水が入っているから、俺の分も出してきてくれる?」
「OK!」
シンプルを通り越して殺風景な感じのアスランの部屋。
「!」
その殺風景な空間に、あたしは見つけてしまった。
青のフレーム
青い縁取りのフレームの中で金髪の女性が笑っていた。
『金髪のエンゼル・フィッシュ』
あたしは口の中でそう呟いた。
つづく
「本当に得意料理だったのね」
「信用したか?」
「したわ…」
「素直でよろしい!あ、もう出来るから…」
食卓に運んでくれ、と言われお皿を預かるものの、以外に重い!と思う間も無くオムレツを乗せたお皿は、あたしの手から滑り落ちた。
「あ~あ」
その声音とは裏腹にアスランは楽しげに床に散らばったものを片付けてゆく。
「ほらな!やっぱりシルヴィアはいいとこのお嬢さんだ」
「え?違うって・・・」
「皿も運べない箱入り娘だ」
言い返せない。アスランの言うとおり。
この辺境の星に来るまで、実は料理なんてしたことがない。料理はロボットが作るもの。それがあたしの認識だった。
「指、切れてる」
彼は、あたしの傷口を手早く消毒しテーピングしてくれた。
「アスランは慣れているのね?」
「ああ、3年前からひとり暮らしだから慣れちまった」
「あれだけモテるのに、料理を作ってくれる女性はいないの?」
「あれは、観賞用の女たちだもの」
『金髪のエンゼルフィッシュ』
その言葉が頭をよぎった。きっと誰にでもそう言っているのだわ。
そう思うと気もちが落胆気味になった。
「さ、冷めないうちにどうぞ、お嬢様!」
「ちょ、その呼び方はやめてよ」
「なんで?見たまんまじゃねぇかよ?」
「お嬢様って呼ばれるの好きじゃないの」
その呼び方は嫌でも地球時代を思いださせた。もう、思い出したくない忌まわしい記憶。
何も知らずにエリート意識をもって生きていた頃。だからその頃の呼び方は聞きたくない。
「おいしい!」
「そうだろう?練習したから」
「へぇ。意外とマメなのね」
「ああ、作ってくれるヤツがいなくなったからな・・・」
そう言うアスランの瞳は、あたしを通り越し別のところへ向けられた。
初めて見た自虐的とも見えるその眼差しにドキリとした。
彼の視線はある一点に集中していた。
あたしは、自分の背後を振り返るのが恐かった。
なんとなしに世間話をしながら食事は終わった。
「アスラン。お水もらえるかな?」
「冷蔵庫にエビアン水が入っているから、俺の分も出してきてくれる?」
「OK!」
シンプルを通り越して殺風景な感じのアスランの部屋。
「!」
その殺風景な空間に、あたしは見つけてしまった。
青のフレーム
青い縁取りのフレームの中で金髪の女性が笑っていた。
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あたしは口の中でそう呟いた。
つづく
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