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09咲き乱れる ※
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本当に珍しく、どの情人とも肌を重ねない夜。丸く満ちた月の光が窓から差し込み、ベールに包まれたカミラの白い肌を浮かび上がらせる。
いまだカミラを孕ませる男はおらず、ただその甘い香りに集まる蝶のようにカミラの蜜を得ようとその手を伸ばすだけの日々が続く。
毎日のように子種を注いでは逆に孕みにくいのかもしれないと、王宮から派遣された医師に言われ月に一度ほどこうして誰にも肌を許さず、寝室に誰も入れずに過ごすようになって半年ほどたった。
(早う妾に子を授けてくださいまし)
平らな子宮の上をゆっくりと撫で、今夜は下げられることのないベールの向こうに見える月を見上げる。
(誰でも良い、妾を孕ませてくださいまし。次代を、妾の血を繋ぐ子をくださいまし)
とさりと軽い音を立ててベッドに体を横たえてカミラは「ほう…」と甘い吐息をこぼす。
「なれば我の子を孕むか、稀代の毒花よ」
ふと耳元で囁かれ視線を向けるが、そこには誰もおらずふわりとベールが揺れるだけ。
「だれぞいらしゃるのか」
首を動かしてみても人の気配はなく、それでも確かに聞こえた涼やかな声は耳に残っている。
月の光がカミラの肌の上で揺れ、耳元でまた声が聞こえる。
「我の子を孕むか、カミラ」
「妾に子をくださいますのか」
「なれどそなたの望むような、そなたと同じモノは産まれぬぞ」
「けれど妾の、この血脈を繋ぐ子にございましょう。なればまたいずれ妾のようなモノも造られましょう」
「流石はこの国が造り上げた最高傑作の毒花よの。ただの女とは頭の中身が違う」
「クスクス。誉め言葉にございましょうな」
「もちろん、これ以上ないほどの誉め言葉ぞ」
耳元の囁きと共にさらりと音を立てて頭を撫でられる。
「……そういえば、頭を撫でられるのは初めてにございましょうか」
「人の子は毒にあてられてしまう故な、愛でることを知らぬのだろう。このように美しい毒花である弊害よの」
「クスクス。ではこなた様は何者でいらしゃいますか」
「我にそれを問うて如何にする」
「この身を抱くお方を知りたいと思うただけにございます」
「そなたはただ我らに身を委ねればよい。そもそも、その身に只人の子を孕めるはずもなかろうに」
見えない何かで子宮の上を撫でられ、カミラの体が揺れる。
「ここまで造り上げられた女の体に、只の人の種が根付くはずもなかろうに」
「まあ、この体は子を育てる苗床にございますのに、意地悪をおっしゃいます」
「こんなに毒を孕む苗床をもっていて何を言う。わかっておるのだろう。ただでさえ奇跡的に作り出された極上の苗床に甘い毒を染み込ませた。只の子種が実を結ぶと思うておらなんだろう。だから多くの男を銜えこみ子種で満たして無理にでも孕もうとしていたのであろう」
「クスクス。では妾を孕ませるこなた様は人ならざると申されますか」
「只人と思うてもおるまい」
クスクスとカミラが笑う。
「妾を孕ませてくださるのなら、化け物であろうとかまいませぬ」
「本当に、そなたは最高傑作の『女』よの」
ぐちゅりと蜜壺に何かが入れられてカミラの腰が揺らめく。
「何もせずともそなたの体は男を受け入れようと甘く香る」
「クスクス。それが妾にございます」
「そうだろうな、そう造られたのだからの。なれどそなたの蜜はほんに甘く香る」
くちゅくちゅと蜜壺の中で何かが動いて音を立てる。
「あっん…こなた様っ奥に届いて…んっぁ」
「我の物をさらに奥に飲み込もうとしておるの。まだ味見でしかないというのに、貪欲な体よの」
「んっだって気持ちいいところ、をこすって」
今までにないほどに胸が高鳴るのを感じてカミラは笑みを深める。
「こなた様、妾に子を孕ませてくださいまし」
「哀れな女よの。子を孕むためだけに造り出されたというのに、只人の子を孕めぬ体にされて。こうして我のようなモノに犯される」
「クスクス。だから何だとおっしゃいます。この血を繋げることこそが妾の役目にございます。人ならざるものに薄められ、混じった血であればより強く血が受け継がれましょう」
「ククク。そのようなそなた故、我らですら求めるのだろうなあ」
奥までほぐされどろどろに溶かされた蜜壺から何かが抜かれ、すぐさま先ほどよりも太いナニカが入れられる。
「あぅっんくぁぁああっ」
中の肉が抉られるように広げられ、人の肉棒とは違うと思い知らされるような柔らかい棘のようなものが動かされるたびに中をこすっていき、カミラは簡単に達しビクビクと痙攣するように体を揺らす。
「いいっすごぅんあっ!こんなっん、だめっ止まらないっずっといってっんや、こなたっさまぁこんなのすごっ」
「美しいのカミラ。ほんに、淫らで美しい」
揺れるカミラの体が持ち上げられ、手ではない何かが体に絡みつき肌を刺激する。
乳房が揉まれ、乳頭がこすられる。
「はっん、もっ…とぉ。こなた様、もっとぉ」
「人の業はなんと深いものよ。種を残すためとはいえ。そなたのような『女』を造り出すのだからな」
ただでさえ感じやすく造られた体がいつもよりも敏感になり、空気の動きでさえ甘い声が出る。
達し続ける体に、普通であればとうに気が狂っているほどの快楽にもカミラは笑みを浮かべもっとと乞う。
「いいのっこんなのっすごいのぉっ。こなたさまぁ、妾に子種をっ胎に子種をくださいましっ」
「たんと喰らえ。カミラ」
中に入っていたものが膨れ次の瞬間子宮に直接熱いナニカが放たれる。
「あっああ…」
ひくひくと痙攣する体はまだ達し続けており、中に入れられたものを逃さないというようにきつくナニカを締め付ける。
「……あ、ああっん」
ふと月の光に映し出された影を見てカミラはクスリと笑う。
「まだにございます。孕むまで妾を犯してくださいますのでしょう」
「ククク。我もそうしたいのだがの、次が控えておる」
「クスクス。こなた様と同じようなモノにございますか?」
「そうであるやもしれぬし、そうでないやもしれぬ。されどお主は拒まぬのであろう」
「申しましたでしょう、孕ませてくれるのなら何者でもかまわぬと」
「そうであったの」
ずるりと中からナニカが抜かれベッドの上におろされる。
上下する胸を惜しむ様に何かが撫でていき空気が動きベールが揺れる。
「もし孕まねば次の蜜月の夜に参ろうぞ」
「いやにございます。妾は今宵孕みとうございます」
「ククク。そうか」
そう言って気配が離れ、別の気配がカミラに触れる。
「あっんん!」
前振りもなく蜜壺にナニカが入れられカミラの目が大きく開かれる。
「良い締め付けだ」
「クスクス。お気に召しましたか」
「ああ、これならば我の子種を与えてやろう」
「嬉しゅうございます」
相変わらず見えないナニカがカミラを抱く。揺らされながらカミラは口の端を持ち上げて笑う。
(今宵こそ、妾は児を孕んでみせる。魔のモノの子だろうと、神のモノの子だろうとかまわぬ)
クスクスと笑うカミラを見えないモノが貪るように犯す。
「狂うほどに、妾を犯してくださいまし」
「よかろう」
ひと際深く中をえぐられカミラが背中と喉をのけぞらせ息を止めるほどに達する。
「…もう狂うこともできぬその身で、狂いたいと願うなど。ほんに哀れな『女』よ」
「クスクスクスクス。それが妾にございます」
クスクスとカミラは笑う。
「人である前に妾は『女』。人が造り出した『女』にございます。この身は次代を残すための苗床なれば、そこに宿す子が何の子であれ構いますまい」
様々な血を飲み込み糧としてきたこの血脈が、化け物になろうとも構わないとカミラは笑う。
いまだカミラを孕ませる男はおらず、ただその甘い香りに集まる蝶のようにカミラの蜜を得ようとその手を伸ばすだけの日々が続く。
毎日のように子種を注いでは逆に孕みにくいのかもしれないと、王宮から派遣された医師に言われ月に一度ほどこうして誰にも肌を許さず、寝室に誰も入れずに過ごすようになって半年ほどたった。
(早う妾に子を授けてくださいまし)
平らな子宮の上をゆっくりと撫で、今夜は下げられることのないベールの向こうに見える月を見上げる。
(誰でも良い、妾を孕ませてくださいまし。次代を、妾の血を繋ぐ子をくださいまし)
とさりと軽い音を立ててベッドに体を横たえてカミラは「ほう…」と甘い吐息をこぼす。
「なれば我の子を孕むか、稀代の毒花よ」
ふと耳元で囁かれ視線を向けるが、そこには誰もおらずふわりとベールが揺れるだけ。
「だれぞいらしゃるのか」
首を動かしてみても人の気配はなく、それでも確かに聞こえた涼やかな声は耳に残っている。
月の光がカミラの肌の上で揺れ、耳元でまた声が聞こえる。
「我の子を孕むか、カミラ」
「妾に子をくださいますのか」
「なれどそなたの望むような、そなたと同じモノは産まれぬぞ」
「けれど妾の、この血脈を繋ぐ子にございましょう。なればまたいずれ妾のようなモノも造られましょう」
「流石はこの国が造り上げた最高傑作の毒花よの。ただの女とは頭の中身が違う」
「クスクス。誉め言葉にございましょうな」
「もちろん、これ以上ないほどの誉め言葉ぞ」
耳元の囁きと共にさらりと音を立てて頭を撫でられる。
「……そういえば、頭を撫でられるのは初めてにございましょうか」
「人の子は毒にあてられてしまう故な、愛でることを知らぬのだろう。このように美しい毒花である弊害よの」
「クスクス。ではこなた様は何者でいらしゃいますか」
「我にそれを問うて如何にする」
「この身を抱くお方を知りたいと思うただけにございます」
「そなたはただ我らに身を委ねればよい。そもそも、その身に只人の子を孕めるはずもなかろうに」
見えない何かで子宮の上を撫でられ、カミラの体が揺れる。
「ここまで造り上げられた女の体に、只の人の種が根付くはずもなかろうに」
「まあ、この体は子を育てる苗床にございますのに、意地悪をおっしゃいます」
「こんなに毒を孕む苗床をもっていて何を言う。わかっておるのだろう。ただでさえ奇跡的に作り出された極上の苗床に甘い毒を染み込ませた。只の子種が実を結ぶと思うておらなんだろう。だから多くの男を銜えこみ子種で満たして無理にでも孕もうとしていたのであろう」
「クスクス。では妾を孕ませるこなた様は人ならざると申されますか」
「只人と思うてもおるまい」
クスクスとカミラが笑う。
「妾を孕ませてくださるのなら、化け物であろうとかまいませぬ」
「本当に、そなたは最高傑作の『女』よの」
ぐちゅりと蜜壺に何かが入れられてカミラの腰が揺らめく。
「何もせずともそなたの体は男を受け入れようと甘く香る」
「クスクス。それが妾にございます」
「そうだろうな、そう造られたのだからの。なれどそなたの蜜はほんに甘く香る」
くちゅくちゅと蜜壺の中で何かが動いて音を立てる。
「あっん…こなた様っ奥に届いて…んっぁ」
「我の物をさらに奥に飲み込もうとしておるの。まだ味見でしかないというのに、貪欲な体よの」
「んっだって気持ちいいところ、をこすって」
今までにないほどに胸が高鳴るのを感じてカミラは笑みを深める。
「こなた様、妾に子を孕ませてくださいまし」
「哀れな女よの。子を孕むためだけに造り出されたというのに、只人の子を孕めぬ体にされて。こうして我のようなモノに犯される」
「クスクス。だから何だとおっしゃいます。この血を繋げることこそが妾の役目にございます。人ならざるものに薄められ、混じった血であればより強く血が受け継がれましょう」
「ククク。そのようなそなた故、我らですら求めるのだろうなあ」
奥までほぐされどろどろに溶かされた蜜壺から何かが抜かれ、すぐさま先ほどよりも太いナニカが入れられる。
「あぅっんくぁぁああっ」
中の肉が抉られるように広げられ、人の肉棒とは違うと思い知らされるような柔らかい棘のようなものが動かされるたびに中をこすっていき、カミラは簡単に達しビクビクと痙攣するように体を揺らす。
「いいっすごぅんあっ!こんなっん、だめっ止まらないっずっといってっんや、こなたっさまぁこんなのすごっ」
「美しいのカミラ。ほんに、淫らで美しい」
揺れるカミラの体が持ち上げられ、手ではない何かが体に絡みつき肌を刺激する。
乳房が揉まれ、乳頭がこすられる。
「はっん、もっ…とぉ。こなた様、もっとぉ」
「人の業はなんと深いものよ。種を残すためとはいえ。そなたのような『女』を造り出すのだからな」
ただでさえ感じやすく造られた体がいつもよりも敏感になり、空気の動きでさえ甘い声が出る。
達し続ける体に、普通であればとうに気が狂っているほどの快楽にもカミラは笑みを浮かべもっとと乞う。
「いいのっこんなのっすごいのぉっ。こなたさまぁ、妾に子種をっ胎に子種をくださいましっ」
「たんと喰らえ。カミラ」
中に入っていたものが膨れ次の瞬間子宮に直接熱いナニカが放たれる。
「あっああ…」
ひくひくと痙攣する体はまだ達し続けており、中に入れられたものを逃さないというようにきつくナニカを締め付ける。
「……あ、ああっん」
ふと月の光に映し出された影を見てカミラはクスリと笑う。
「まだにございます。孕むまで妾を犯してくださいますのでしょう」
「ククク。我もそうしたいのだがの、次が控えておる」
「クスクス。こなた様と同じようなモノにございますか?」
「そうであるやもしれぬし、そうでないやもしれぬ。されどお主は拒まぬのであろう」
「申しましたでしょう、孕ませてくれるのなら何者でもかまわぬと」
「そうであったの」
ずるりと中からナニカが抜かれベッドの上におろされる。
上下する胸を惜しむ様に何かが撫でていき空気が動きベールが揺れる。
「もし孕まねば次の蜜月の夜に参ろうぞ」
「いやにございます。妾は今宵孕みとうございます」
「ククク。そうか」
そう言って気配が離れ、別の気配がカミラに触れる。
「あっんん!」
前振りもなく蜜壺にナニカが入れられカミラの目が大きく開かれる。
「良い締め付けだ」
「クスクス。お気に召しましたか」
「ああ、これならば我の子種を与えてやろう」
「嬉しゅうございます」
相変わらず見えないナニカがカミラを抱く。揺らされながらカミラは口の端を持ち上げて笑う。
(今宵こそ、妾は児を孕んでみせる。魔のモノの子だろうと、神のモノの子だろうとかまわぬ)
クスクスと笑うカミラを見えないモノが貪るように犯す。
「狂うほどに、妾を犯してくださいまし」
「よかろう」
ひと際深く中をえぐられカミラが背中と喉をのけぞらせ息を止めるほどに達する。
「…もう狂うこともできぬその身で、狂いたいと願うなど。ほんに哀れな『女』よ」
「クスクスクスクス。それが妾にございます」
クスクスとカミラは笑う。
「人である前に妾は『女』。人が造り出した『女』にございます。この身は次代を残すための苗床なれば、そこに宿す子が何の子であれ構いますまい」
様々な血を飲み込み糧としてきたこの血脈が、化け物になろうとも構わないとカミラは笑う。
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