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天井を見上げると、俺達を差すライトが眩しくて目を細めた。どこにどう動くか、今日のリハーサルまでに細かく日程が決められていた。そして、ステージで歌うときの動き方も細かく決めてある。覚えるのが大変だと思った。寝転んで歌ったり、跳んだり跳ねたりもする。観客が楽しめるようにだ。もちろん、映像として記録されて商品化もされる。
「うっうっ。高宮さんが俺のことを見て、手を振っているよ~。ゆうとー、先に行ってよ。今は励ましを受けたくない気分なんだ」
「どうしてだよーー?今日は何も起こらずに済んでいるだろ?マイクの調子が悪かったり、天井の電気が付いたり消えたりするのは、昨日までだったし」
「わあ~。本人が来た!逃げろ!」
高宮さんが俺達の元に歩いてきた。小走りだ。俺にタックルしようとしているのが分かり、ダッシュで逃げた。それを仙頭さんがカメラに収めて、スタッフが笑っている。
「黒崎君!捕まえた!」
「捕まった……」
はあと息を吐くと、悠人から髪の毛をくしゃくしゃとかき混ぜられた。俺は少しくせ毛だから、もわっと逆立つようになる。それを高宮さんが追い打ちを掛けるようにして頭を撫でられて、背中をさすられた。カメラのレンズには、髪がくしゃくしゃになった俺が映っている。昨日は映るはずのない影が記録されて、現場が騒ぎになった。オバケが出たという噂が広がり、心霊スポットに行ったせいだと自覚した。
それを高宮さんは良いことだと言った。そして、俺に心霊番組に出てみないかと言い出した。ナレーションを担当するという話だったから、経験が広がると思い、是非ともやらせてくださいと返事をした。しかし、その時に背中がぞわぞわとして、やめた方がいいと思った。そこで今、高宮さんから追いかけられているというわけだ。
「さあ、ナレーションの仕事を引き受けようじゃないか。君の憧れの”マーリン先生が来た”は、ベテラン揃いだ。もっと経験を積んでからじゃないと、入れられない」
「でも、俺は嫌な予感がするんです~。いくら2時間番組のゴールデンタイムだと言っても、怖い物は怖いんです~」
「なつきーー。俺も嫌な予感がするんだ……。高宮さん……」
悠人が間に入ったことで、高宮さんが腕の力を緩めた。しかし、俺の肩から手を離さない。何としてでも仕事を受けてもらうぞという意思表示だ。しかし、悠人がそこまで言うならとつぶやいた。
「そうか……。いい話だと思うんだけどなあ。君がナレーションを担当すると発表したら、新しいファン層を獲得できると思ったんだが。イケメンなだけじゃなくて、良い声をしているという宣伝にもなる」
「うっうっ。良い歌を歌うとは言ってもらえないんですね~……。しくしく……」
「なつきーー。それは俺も同じ事だよ。味噌汁コマーシャルのイメージで、大人しいイメージになったんだ。本当はバリバリのロックなのに……」
「2人とも。経験を積んだら、色んな事にチャレンジできるぞ!贅沢は言っていられない。そうだ。IKUの方針で、開明高校の子達との対話は記事にならないことになった。高校とIKUの話し合いもあった」
「あ、そうなんですね。会うのは変わらないの?」
「会いに来るのは同じだ。静かにしていようということになった。よかったな、君達の希望が叶った」
「はい!」
そういうことかと、納得した。さっき、遠藤さんがステージの脇に立っていたからだ。聡太郎に話しかけていた。きっとその報告だろう。大和もそばにいて、ホッとした顔をしていたから、何が起きたのかと思っていた。しかし、リハーサル中であり、話しかけるわけにはいかず、気になったままだった。
「うっうっ。高宮さんが俺のことを見て、手を振っているよ~。ゆうとー、先に行ってよ。今は励ましを受けたくない気分なんだ」
「どうしてだよーー?今日は何も起こらずに済んでいるだろ?マイクの調子が悪かったり、天井の電気が付いたり消えたりするのは、昨日までだったし」
「わあ~。本人が来た!逃げろ!」
高宮さんが俺達の元に歩いてきた。小走りだ。俺にタックルしようとしているのが分かり、ダッシュで逃げた。それを仙頭さんがカメラに収めて、スタッフが笑っている。
「黒崎君!捕まえた!」
「捕まった……」
はあと息を吐くと、悠人から髪の毛をくしゃくしゃとかき混ぜられた。俺は少しくせ毛だから、もわっと逆立つようになる。それを高宮さんが追い打ちを掛けるようにして頭を撫でられて、背中をさすられた。カメラのレンズには、髪がくしゃくしゃになった俺が映っている。昨日は映るはずのない影が記録されて、現場が騒ぎになった。オバケが出たという噂が広がり、心霊スポットに行ったせいだと自覚した。
それを高宮さんは良いことだと言った。そして、俺に心霊番組に出てみないかと言い出した。ナレーションを担当するという話だったから、経験が広がると思い、是非ともやらせてくださいと返事をした。しかし、その時に背中がぞわぞわとして、やめた方がいいと思った。そこで今、高宮さんから追いかけられているというわけだ。
「さあ、ナレーションの仕事を引き受けようじゃないか。君の憧れの”マーリン先生が来た”は、ベテラン揃いだ。もっと経験を積んでからじゃないと、入れられない」
「でも、俺は嫌な予感がするんです~。いくら2時間番組のゴールデンタイムだと言っても、怖い物は怖いんです~」
「なつきーー。俺も嫌な予感がするんだ……。高宮さん……」
悠人が間に入ったことで、高宮さんが腕の力を緩めた。しかし、俺の肩から手を離さない。何としてでも仕事を受けてもらうぞという意思表示だ。しかし、悠人がそこまで言うならとつぶやいた。
「そうか……。いい話だと思うんだけどなあ。君がナレーションを担当すると発表したら、新しいファン層を獲得できると思ったんだが。イケメンなだけじゃなくて、良い声をしているという宣伝にもなる」
「うっうっ。良い歌を歌うとは言ってもらえないんですね~……。しくしく……」
「なつきーー。それは俺も同じ事だよ。味噌汁コマーシャルのイメージで、大人しいイメージになったんだ。本当はバリバリのロックなのに……」
「2人とも。経験を積んだら、色んな事にチャレンジできるぞ!贅沢は言っていられない。そうだ。IKUの方針で、開明高校の子達との対話は記事にならないことになった。高校とIKUの話し合いもあった」
「あ、そうなんですね。会うのは変わらないの?」
「会いに来るのは同じだ。静かにしていようということになった。よかったな、君達の希望が叶った」
「はい!」
そういうことかと、納得した。さっき、遠藤さんがステージの脇に立っていたからだ。聡太郎に話しかけていた。きっとその報告だろう。大和もそばにいて、ホッとした顔をしていたから、何が起きたのかと思っていた。しかし、リハーサル中であり、話しかけるわけにはいかず、気になったままだった。
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