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それを見て、朝陽がこう言いだした。アンと一緒なら出ても良いと。それなら逃れられると思ったのだろう。黒崎が許可をしないからだ。アンは人に慣れているが、知らない人ばかりのところに行くと、大人しくなってしまう。だから、実現しないだろう。そして、朝陽がアンに話しかけた。
「アン、君も嫌だろう?大勢の人に囲まれて写真を撮られるのはさーー」
「アンは広告に出ないよ。あれ?カズ兄さんどうしたの?急に立ち止まって……」
「いや、良いと思ったんだ。犬と一緒に砂浜を走る、21歳の男の子だ。良い構図だ。でも、アンは海を怖がるかも知れないから、別の犬を探す。そうだ、遠藤さん家のリクはどうだろう?」
「ああ、それはいいね。水が大好きだし。テレビに出たこともあるんだよ。カメラマンにもじゃれついて、いい映像が撮れたそうだよ」
それは一昨年のことだ。都内の観光スポットと、ペットも入れる芝生の広場が紹介されるということで、その番組で大型犬を映したくなり、リクに声がかかった。みんなから可愛いと言われて喜び、リクとしても楽しめたらしい。
すると、一貴さんが、うーーんとうなり始めた。犬と走る構図は無しにするそうだ。夏の商品のイメージでは無く、別の広告の案にしたいと言い出した。そして、やっぱり朝陽単体でいうことになった。
「そういうわけで、朝陽君。君一人でカメラの前に立ってくれ。撮影は長引いても良いだろう。君はプラセルの社員だ。一緒に躍進しようじゃないか!」
「俺、医学生なんです。教授が見たら、意地悪を言われそうです……」
「その大学をやめたらどうだ?いい大学があるよ。僕が知っている医学部の先生達なら、そういうことは言わないと思う。プラセルの社員の健康診断や人間ドックに使っている病院に関連があるし、教授陣はモデルをやった生徒を批難しない。聖アルテマ学園大学医学部という。就職先としては、聖加世病院が多いそうだぞ。今の大学の入学時と同じぐらいの難易度だ……」
「でも……。入り直すとなったら、今の大学で勉強してきた2年間が無駄になります……」
「ならない。またしっかり勉強すると良いんだ。それは先生から聞いてある」
「それに、今からだと、共通テストの申し込み期限が過ぎているから、再来年の受験になります……」
「それなら心配ないよ。あ、言っちゃった……」
朝陽の大学のことでは、黒崎も入り直しさせようと考えていた。実は、朝陽に騙す形で共通テストの申し込みをさせておいた。受験料は支払い済みだ。朝陽がどうしても今の大学に復学するというなら仕方がないがと言いつつも、念のためにそうしておいた。だから、来月の共通テストは受けられる。大学の出願は1月だ。間に合う。
実は、黒崎の方から今日、朝陽に聖アルテマ学園大学の受験を勧めようと思っていた。一貴さんとも相談しての結果だ。しかし、プラセルの水が合っているなら、ずっとそこで働いて、本当にプラセルの人間になってもいいだろうと言っていた。六槍さんのように、一貴さんの秘書になっても良いし、企画部が一番合っていたから、そこに入れても良いと思っていたそうだ。しかし、朝陽は医学生に戻ることを11月に決めた。
黒崎としては、朝陽の身辺が気になるという。プラセルで修行させるまでの朝陽は勉強に身が入らず、同じくそういう生徒と校内でたむろしていたのを見ている。いずれは退学するだろう仲間だ。朝陽が唯一仲が良かった同級生が言うには、その生徒達はすでに休学しているそうだ。
だから、朝陽には、自分たちが選んだ大学に行かせたいという思いがある。就職先は聖加世病院が良いと言っている。そこでなかったら、同じ系列の小児科医が多く在籍する病院も候補に入っているという。朝陽は小児科医になりたいと言っているからだ。
「アン、君も嫌だろう?大勢の人に囲まれて写真を撮られるのはさーー」
「アンは広告に出ないよ。あれ?カズ兄さんどうしたの?急に立ち止まって……」
「いや、良いと思ったんだ。犬と一緒に砂浜を走る、21歳の男の子だ。良い構図だ。でも、アンは海を怖がるかも知れないから、別の犬を探す。そうだ、遠藤さん家のリクはどうだろう?」
「ああ、それはいいね。水が大好きだし。テレビに出たこともあるんだよ。カメラマンにもじゃれついて、いい映像が撮れたそうだよ」
それは一昨年のことだ。都内の観光スポットと、ペットも入れる芝生の広場が紹介されるということで、その番組で大型犬を映したくなり、リクに声がかかった。みんなから可愛いと言われて喜び、リクとしても楽しめたらしい。
すると、一貴さんが、うーーんとうなり始めた。犬と走る構図は無しにするそうだ。夏の商品のイメージでは無く、別の広告の案にしたいと言い出した。そして、やっぱり朝陽単体でいうことになった。
「そういうわけで、朝陽君。君一人でカメラの前に立ってくれ。撮影は長引いても良いだろう。君はプラセルの社員だ。一緒に躍進しようじゃないか!」
「俺、医学生なんです。教授が見たら、意地悪を言われそうです……」
「その大学をやめたらどうだ?いい大学があるよ。僕が知っている医学部の先生達なら、そういうことは言わないと思う。プラセルの社員の健康診断や人間ドックに使っている病院に関連があるし、教授陣はモデルをやった生徒を批難しない。聖アルテマ学園大学医学部という。就職先としては、聖加世病院が多いそうだぞ。今の大学の入学時と同じぐらいの難易度だ……」
「でも……。入り直すとなったら、今の大学で勉強してきた2年間が無駄になります……」
「ならない。またしっかり勉強すると良いんだ。それは先生から聞いてある」
「それに、今からだと、共通テストの申し込み期限が過ぎているから、再来年の受験になります……」
「それなら心配ないよ。あ、言っちゃった……」
朝陽の大学のことでは、黒崎も入り直しさせようと考えていた。実は、朝陽に騙す形で共通テストの申し込みをさせておいた。受験料は支払い済みだ。朝陽がどうしても今の大学に復学するというなら仕方がないがと言いつつも、念のためにそうしておいた。だから、来月の共通テストは受けられる。大学の出願は1月だ。間に合う。
実は、黒崎の方から今日、朝陽に聖アルテマ学園大学の受験を勧めようと思っていた。一貴さんとも相談しての結果だ。しかし、プラセルの水が合っているなら、ずっとそこで働いて、本当にプラセルの人間になってもいいだろうと言っていた。六槍さんのように、一貴さんの秘書になっても良いし、企画部が一番合っていたから、そこに入れても良いと思っていたそうだ。しかし、朝陽は医学生に戻ることを11月に決めた。
黒崎としては、朝陽の身辺が気になるという。プラセルで修行させるまでの朝陽は勉強に身が入らず、同じくそういう生徒と校内でたむろしていたのを見ている。いずれは退学するだろう仲間だ。朝陽が唯一仲が良かった同級生が言うには、その生徒達はすでに休学しているそうだ。
だから、朝陽には、自分たちが選んだ大学に行かせたいという思いがある。就職先は聖加世病院が良いと言っている。そこでなかったら、同じ系列の小児科医が多く在籍する病院も候補に入っているという。朝陽は小児科医になりたいと言っているからだ。
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