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20-29(夏樹視点)
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午前10時8分。
北岡さんのお店の事務所でテレビを観ているところだ。とうとう犯行予告時刻を迎えて、お義父さんが我が家の防犯カメラの映像をスマホでチェックし始めた。門に人が立っていたら反応する仕組みだ。すぐさま映像が送られてくる。そこで、門のそばに居る警察官の姿が送られてきた。他には誰も来ていないようだ。
今日のことは近所の人に話してある。黙って留守にするわけにはいかない。それに、門には警察官が立って周囲を警戒しているから、何があったのだろうかと思うだろう。そういうわけで、今朝は黒崎の出勤の見送りはいなかった。そして、近所の人達は俺達に大変だねと声を掛けてくれていた。
「お義父さん。どう?誰か居る?」
「警察官しかいない。周囲を見てくれているようだ。何もなさそうだ」
「そっか。でも、まだかも知れないから安心できないね。黒崎さん達はどうかな。あ、二葉だ……」
すると、二葉からラインが入った。向こうはみんな無事でいるとのことだった。もちろん、黒崎にも何も無い。そこで良かったねと返信すると、意外な言葉が返ってきた。喧嘩のようなことは起きたのだということだった。それは、山下さんと取り巻き達が起こした暴行事件だということだった。しかし、怪我はしておらず、社員2名が山下さんから突き飛ばされて尻もちをついたとのことだ。
「え、そんな……」
「どうしたんだ?」
「これを読んでよ。山下さんが社員2人を突き飛ばしたんだって」
「どれどれ……」
お義父さんが俺のスマホを手に取り、二葉からのラインを読み始めた。時々、眉間に皺を寄せている。そして、こう言った。山下君はストレスにさいなまれているのだと。それには俺も同じだと思った。こんなことをするなんて通常の神経はしていない。暴れ回っているということだ。
「相手に怪我が無いみたいで良かったよ」
「4月の定期異動が終わったばかりだ。10月まで待たずに定期外の移動になると、社員が落ち着かない。しかし、動かす必要があるだろう」
「そうだね。突き飛ばされたのは、デザート事業部の人だって。ああ、また来たよ。20分まで待機して、会社に帰るって書いてあるよ。エアコンが効きずらくて暑いよーーーーって」
「ここも同じだな」
「そうだね。もう買い換えが必要なんだね。10年使っているって言っていたね。もっと持つかと持っていたよ」
この事務所のエアコンの調子も悪い。俺達が来てからそうなったそうだ。晴海さんが言うには、昨日の夜まで普段通りに効いていたそうだ。しかし、今はそんなに冷えていない。その証拠に、アンがはあはあと息を吐いている。そこで、北岡さんが扇風機の風を当ててくれた。すると、息づかいが元に戻った。
「本当にうちのと同じだ。涼しくなったか?」
「ありがとう。全然違うと思うよ」
「シャーベットを食べるか?気持ちが良いぞ。ははは……」
「甘い物は食べさせていないからさ~」
北岡さんが冷蔵庫を指した。俺達にもどうかと言ってくれた。しかし、お饅頭を食べたところでお腹が膨れて、しばらく甘い物は構わない。そう思ってお義父さんがニコッと微笑みながら断ると、アンが立ち上がった。シャーベットという言葉に反応したのか。食べさせていないのに。
「アン、誰かから食べさせてもらったことがあるのかよ?」
「ぎく……」
「カズ兄さん。だめじゃん」
これで犯人が判明した。しかし、悪気があってのことではないから文句は言わないことにした。アンが涼しくなると思ってのことだろう。トリミングをしているとはいえ、毛がモコモコだ。暑いに決まっている。
「夏樹君。すまない。つい、僕が食べているやつを食べさせた。ほんの少しだ」
「いや、塊だった……」
「ユーリーも食べさせたんだね」
一貴さんが白状して、ユーリーが打ち明けてきた。ということは、2人揃っていたということだ。ユーリーは実家で犬も猫も飼っていた経験から、食べ物には気を付けている。そんな彼がアンにシャーベットを食べさせるのを見ていたということは、よっぽど食べたがっていたのだろう。アンとしては美味しい物を食べられたことになる。俺はそれに対してお礼を言い、アンの身体を撫でた。
北岡さんのお店の事務所でテレビを観ているところだ。とうとう犯行予告時刻を迎えて、お義父さんが我が家の防犯カメラの映像をスマホでチェックし始めた。門に人が立っていたら反応する仕組みだ。すぐさま映像が送られてくる。そこで、門のそばに居る警察官の姿が送られてきた。他には誰も来ていないようだ。
今日のことは近所の人に話してある。黙って留守にするわけにはいかない。それに、門には警察官が立って周囲を警戒しているから、何があったのだろうかと思うだろう。そういうわけで、今朝は黒崎の出勤の見送りはいなかった。そして、近所の人達は俺達に大変だねと声を掛けてくれていた。
「お義父さん。どう?誰か居る?」
「警察官しかいない。周囲を見てくれているようだ。何もなさそうだ」
「そっか。でも、まだかも知れないから安心できないね。黒崎さん達はどうかな。あ、二葉だ……」
すると、二葉からラインが入った。向こうはみんな無事でいるとのことだった。もちろん、黒崎にも何も無い。そこで良かったねと返信すると、意外な言葉が返ってきた。喧嘩のようなことは起きたのだということだった。それは、山下さんと取り巻き達が起こした暴行事件だということだった。しかし、怪我はしておらず、社員2名が山下さんから突き飛ばされて尻もちをついたとのことだ。
「え、そんな……」
「どうしたんだ?」
「これを読んでよ。山下さんが社員2人を突き飛ばしたんだって」
「どれどれ……」
お義父さんが俺のスマホを手に取り、二葉からのラインを読み始めた。時々、眉間に皺を寄せている。そして、こう言った。山下君はストレスにさいなまれているのだと。それには俺も同じだと思った。こんなことをするなんて通常の神経はしていない。暴れ回っているということだ。
「相手に怪我が無いみたいで良かったよ」
「4月の定期異動が終わったばかりだ。10月まで待たずに定期外の移動になると、社員が落ち着かない。しかし、動かす必要があるだろう」
「そうだね。突き飛ばされたのは、デザート事業部の人だって。ああ、また来たよ。20分まで待機して、会社に帰るって書いてあるよ。エアコンが効きずらくて暑いよーーーーって」
「ここも同じだな」
「そうだね。もう買い換えが必要なんだね。10年使っているって言っていたね。もっと持つかと持っていたよ」
この事務所のエアコンの調子も悪い。俺達が来てからそうなったそうだ。晴海さんが言うには、昨日の夜まで普段通りに効いていたそうだ。しかし、今はそんなに冷えていない。その証拠に、アンがはあはあと息を吐いている。そこで、北岡さんが扇風機の風を当ててくれた。すると、息づかいが元に戻った。
「本当にうちのと同じだ。涼しくなったか?」
「ありがとう。全然違うと思うよ」
「シャーベットを食べるか?気持ちが良いぞ。ははは……」
「甘い物は食べさせていないからさ~」
北岡さんが冷蔵庫を指した。俺達にもどうかと言ってくれた。しかし、お饅頭を食べたところでお腹が膨れて、しばらく甘い物は構わない。そう思ってお義父さんがニコッと微笑みながら断ると、アンが立ち上がった。シャーベットという言葉に反応したのか。食べさせていないのに。
「アン、誰かから食べさせてもらったことがあるのかよ?」
「ぎく……」
「カズ兄さん。だめじゃん」
これで犯人が判明した。しかし、悪気があってのことではないから文句は言わないことにした。アンが涼しくなると思ってのことだろう。トリミングをしているとはいえ、毛がモコモコだ。暑いに決まっている。
「夏樹君。すまない。つい、僕が食べているやつを食べさせた。ほんの少しだ」
「いや、塊だった……」
「ユーリーも食べさせたんだね」
一貴さんが白状して、ユーリーが打ち明けてきた。ということは、2人揃っていたということだ。ユーリーは実家で犬も猫も飼っていた経験から、食べ物には気を付けている。そんな彼がアンにシャーベットを食べさせるのを見ていたということは、よっぽど食べたがっていたのだろう。アンとしては美味しい物を食べられたことになる。俺はそれに対してお礼を言い、アンの身体を撫でた。
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