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朝陽の大学生活は順調だと思う。朝8時に家を出て大学に行き、午前も午後も授業を受けて、部活動にも参加している。カリキュラムは大学側が決めており、生徒は自由には決められないが、必要な物が用意されており、まんべんなく学べる仕組みだ。だから、興味の無い学科がありそうだが、朝陽はそれでも頑張っている。歴史学が苦手だったそうだが、講師が上楽先生だから、だんだんと好きになったそうだ。
入学当初の頃なんて、黒崎から目をしっかり開けて授業を聞けとどやしつけられて、可哀想だった。歴史学の小テストの結果が悪かったからだ。隠しても大学側から情報をもらうということまで言い、黒崎は朝陽にテストの結果なども全部言えと言っていた。俺の大学時代も似たような物だったが、優しい言い方をされていたからマシだった。
「あさひーー。あさひーー。おーー、よしよし……」
「恥ずかしいよ……」
「そんなことはないよ~」
朝陽のことが可愛く思えて、もう一度抱きしめると、朝陽が俺の背中をさすった。少し痩せたみたいだと言いながら。意外にもその声が優しくて、すっかり落ち着いて大人になったのだと感じた。そして、朝陽が顔を上げた。お兄ちゃんと言いながら。買い物を終えた黒崎が店から出てきたところだった。
「朝陽。早いな」
「お兄ちゃん。おはよう。良かった。お兄ちゃんも夏樹もラフな格好だからさ。Tシャツで良いって言うから、本当にそうしてきたんだけど、2人ともネクタイをしていたらどうしようかと思っていたよ」
「かしこまった場じゃないからな。お前だけオンライズのTシャツ姿でも良かったんだぞ。どうだ。店の前を通っているか?」
「通れないよ。俺の写真が出ているからさ。まだ慣れていないんだ。学校でも恥ずかしいよ」
「聖アルテマ学園大学の医学生は勉強に忙しくて、街中を歩いていないそうだ。噂をする子は居ない。知らないんだ。ネットも長時間見ない。どうせお前、ショート動画を観ているんだろう」
「そんな言い方やめてくれよ。ちゃんと勉強しているよ」
「そうだよね~。勉強しているよね~。もう秋の商品になったから、モデルさんの写真が変わるだろ?そしたら、くつろげるよ。やれやれだね」
「夏樹。それが……」
俺がそう言うと、朝陽が困った顔をした。またモデルをさせられるのだろうか。そこで話を聞いてみると、春夏の写真ではあるが、デキがいいから、通年使うということになったそうだ。それが決まったのが昨日のことであり、一貴さんから電話が入ったそうだ。
「だから、まだ俺の写真が展示されているんだ。まだ出していなかった写真まで出るんだ。半袖を着ているのに」
「うひゃひゃひゃ。冬のコートを売っているそばでその写真か~。目立つよねえ」
「良かったな。15万の男と呼ばれているそうじゃないか」
「え?黒崎さん。なにそれ?」
「その分の契約金だ。普通は何百万も金が掛かるところを値切られたんだ。プラセルでそう呼ばれているそうだ。一貴から聞いた」
「そうなんだよ。六槍君まで俺のことをそうやって呼ぶんだ。15万やるから黙っておけって社長が言って、プラセルの中で噂が広まったんだって。なんだか、悪いことをして黙っておくみたいな言い方だよ」
「小遣いが出来て良かったじゃ無いか。変なバイトをしなくてもいい。色々とあるだろう。イケメン医学生には誘惑があるものだ。ビデオ出演とかな……」
「それ、やらないよ。もちろんだよーーー」
「なにそれ?」
「夏樹。それ、アダルトビデオのことだよ。1日で5万円だよ。水泳部の子が持って来た話だったんだ。その子もバイトの中身を、木材を運ぶバイトだと思っていたんだ。そしたら、違う内容だったんだ」
「俺が聞いて良かった。音楽スタジオの経営者の会社だというから遠藤さんに聞いて驚いた」
「色々あるんだねえ。バイトは一つでいいじゃん」
朝陽は今のところバイトを一つだけしている。上楽先生の研究室のバイトだ。データ入力や文献の整理など、多岐にわたるそうだ。歴史学に興味は無いとは言え、やってみると楽しいらしく、続けている。朝陽は飽きっぽくて、中学高校の部活を途中でやめたし、前の大学だって真面目に行かなかった。そんな朝陽が真面目にやっているから感動した。怪しいバイトまで目にするようになったのか。
入学当初の頃なんて、黒崎から目をしっかり開けて授業を聞けとどやしつけられて、可哀想だった。歴史学の小テストの結果が悪かったからだ。隠しても大学側から情報をもらうということまで言い、黒崎は朝陽にテストの結果なども全部言えと言っていた。俺の大学時代も似たような物だったが、優しい言い方をされていたからマシだった。
「あさひーー。あさひーー。おーー、よしよし……」
「恥ずかしいよ……」
「そんなことはないよ~」
朝陽のことが可愛く思えて、もう一度抱きしめると、朝陽が俺の背中をさすった。少し痩せたみたいだと言いながら。意外にもその声が優しくて、すっかり落ち着いて大人になったのだと感じた。そして、朝陽が顔を上げた。お兄ちゃんと言いながら。買い物を終えた黒崎が店から出てきたところだった。
「朝陽。早いな」
「お兄ちゃん。おはよう。良かった。お兄ちゃんも夏樹もラフな格好だからさ。Tシャツで良いって言うから、本当にそうしてきたんだけど、2人ともネクタイをしていたらどうしようかと思っていたよ」
「かしこまった場じゃないからな。お前だけオンライズのTシャツ姿でも良かったんだぞ。どうだ。店の前を通っているか?」
「通れないよ。俺の写真が出ているからさ。まだ慣れていないんだ。学校でも恥ずかしいよ」
「聖アルテマ学園大学の医学生は勉強に忙しくて、街中を歩いていないそうだ。噂をする子は居ない。知らないんだ。ネットも長時間見ない。どうせお前、ショート動画を観ているんだろう」
「そんな言い方やめてくれよ。ちゃんと勉強しているよ」
「そうだよね~。勉強しているよね~。もう秋の商品になったから、モデルさんの写真が変わるだろ?そしたら、くつろげるよ。やれやれだね」
「夏樹。それが……」
俺がそう言うと、朝陽が困った顔をした。またモデルをさせられるのだろうか。そこで話を聞いてみると、春夏の写真ではあるが、デキがいいから、通年使うということになったそうだ。それが決まったのが昨日のことであり、一貴さんから電話が入ったそうだ。
「だから、まだ俺の写真が展示されているんだ。まだ出していなかった写真まで出るんだ。半袖を着ているのに」
「うひゃひゃひゃ。冬のコートを売っているそばでその写真か~。目立つよねえ」
「良かったな。15万の男と呼ばれているそうじゃないか」
「え?黒崎さん。なにそれ?」
「その分の契約金だ。普通は何百万も金が掛かるところを値切られたんだ。プラセルでそう呼ばれているそうだ。一貴から聞いた」
「そうなんだよ。六槍君まで俺のことをそうやって呼ぶんだ。15万やるから黙っておけって社長が言って、プラセルの中で噂が広まったんだって。なんだか、悪いことをして黙っておくみたいな言い方だよ」
「小遣いが出来て良かったじゃ無いか。変なバイトをしなくてもいい。色々とあるだろう。イケメン医学生には誘惑があるものだ。ビデオ出演とかな……」
「それ、やらないよ。もちろんだよーーー」
「なにそれ?」
「夏樹。それ、アダルトビデオのことだよ。1日で5万円だよ。水泳部の子が持って来た話だったんだ。その子もバイトの中身を、木材を運ぶバイトだと思っていたんだ。そしたら、違う内容だったんだ」
「俺が聞いて良かった。音楽スタジオの経営者の会社だというから遠藤さんに聞いて驚いた」
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