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「……カイルよ。もう一度聞くが、お前はこの請求書をどうするつもりだ?」
王宮の執務室。国王陛下は、眉間に深い皺を刻みながら、机の上に広げられた山のような紙束を指差した。
それはすべて、リリアが「カイル王子の婚約者(仮)」という肩書きを使って買い漁った、宝飾品やドレスのツケだった。
「……あ、父上。……それは、その……彼女の心の安定のために必要な経費でして……」
「安定だと? 王国の税収の数パーセントが、一人の令嬢の『安定』のために消えていいはずがなかろう。……それに比べて見ろ、ナギ・カームを」
国王は、窓の外を指差した。
そこでは、ナギがアイン辺境伯と共に、王宮の警備兵たちを集めて「正しいスクワットの角度」について熱弁を振るっていた。
「……彼女は、私が贈った褒賞金さえも『領地のプロテイン工場の建設資金にする』と言って、すべて国益のために回したのだぞ。……お前は、至宝を捨てて泥沼を掴んだのだな」
「……ぐ、ぬぬ……。……ですが父上、リリアはか弱いのです! あんな、自分で岩を砕くような女とは違うのです!」
カイルが必死に叫んでいた、その時。
バルコニーの下で講義を終えたナギが、ふと足を止め、鋭い視線を王宮の回廊へと向けた。
「……アイン。……あそこにいるリリア様、少しおかしくないかしら?」
「……何がだ? いつものように、王子の影で震えるフリをしているようだが」
アインが不思議そうに尋ねる。
ナギは目を細め、リリアの「足運び」を凝視した。
「……いいえ。……見て。あの方、今、石畳の段差を避ける時、無意識に『重心の移動』を完璧に行っていますわ。……あれは、か弱い令嬢の動きではありません。……相当に鍛えられた、隠密の動きですわよ」
「……何だと?」
ナギの「筋肉の勘」は、時に予言よりも正確だった。
十年間、自らの体と向き合い、重心と筋肉の連動を研究し続けてきた彼女にとって、他人の「体の嘘」を見抜くのは造作もないことだったのだ。
「……普通の令嬢なら、あの高さの段差であんなに膝を柔らかく使いませんわ。……それに見て、あの首筋の筋肉。……あれは、重いドレスを支えるためではなく、背後からの殺気を察知するために発達したものですわね」
「……ナギ。……君の観察眼(筋肉愛)には恐れ入る。……もしそれが本当なら、彼女は単なるわがまま令嬢ではないということか」
「ええ。……ちょっと、確かめてきますわ」
ナギは、重厚なドレスの裾(といっても動きやすいように改造済み)を翻すと、猫のような速さで回廊へと駆け上がった。
「……リリア様ぁ! ごきげんよう!」
「……ひっ!? な、ナギ様……。……急に背後から声をかけないでくださいまし。心臓が止まるかと思いましたわ……」
リリアが、大仰に胸を押さえてよろめく。
だが、ナギはその瞬間、リリアの肩にわざと「力強く」手を置いた。
「……あら、失礼。……あまりにリリア様が儚げでしたので、つい支えて差し上げようと思いまして。……おーほっほっほ! ……ところでリリア様、その袖の下に隠している『鉄の礫(つぶて)』、重くありませんこと?」
リリアの顔が、一瞬で凍りついた。
「……な、何を……おっしゃっているのか、分かりませんわ」
「……とぼけても無駄ですわよ。……私の筋肉は、あなたの袖から漂う『油と火薬の匂い』を正確に捉えていますの。……か弱いフリをするなら、道具の手入れはもっと念入りにするべきでしたわね」
ナギは、リリアの手首を万力のような力で掴み上げた。
「……離して! 何をするのよ、この野蛮な女!!」
リリアが、それまでの「愛らしさ」を完全に捨て、鋭い蹴りをナギの膝へと放った。
だが、ナギはそれを微動だにせず、自らの強靭な脚力で受け止めた。
「……いい蹴りですわ。……ですが、私の大腿四頭筋を貫くには、あと三倍は負荷をかけないとダメね」
「……っ、こいつ……化け物か……!」
リリアが懐から暗器を取り出そうとした瞬間、アイン・クロムウェルが背後に現れ、彼女の首筋に剣を突き立てた。
「……動くな。……辺境伯の名において、スパイ容疑で拘束する」
騒ぎを聞きつけたカイル王子と国王が、バルコニーに駆けつけてきた。
「……リ、リリア!? 何をしているんだ! ナギ、早く彼女を離せ!」
「……殿下。……残念ながら、あなたの『真実の愛』は、隣国のスパイだったようですわよ」
ナギがリリアの腕をひねり上げると、隠し持っていた暗号表と、毒が塗られたナイフが床に転がり落ちた。
「……ば、馬鹿な……。……リリアが、スパイ……?」
カイルは、その場に膝をついた。
リリアは、もはや猫を被るのをやめ、蛇のような冷たい目でナギを睨みつけた。
「……ふん。……あんなかぼちゃ王子の懐を空にするのは簡単だったわ。……まさか、こんな筋肉ダルマの女に正体を見破られるなんてね」
「……筋肉ダルマとは失礼ね。……私は、自分の体に正直に生きているだけですわ」
ナギは、衛兵にリリアを引き渡すと、爽やかに汗を拭った。
国王は、リリアが残した暗号表を手に取り、深く吐息をついた。
「……ナギ。……お前には、またしても国を救われたな。……カイルよ。……これでもまだ、お前はこの女を『魔女』と呼ぶつもりか?」
「……あ、……あぁ……」
カイルは、言葉もなく、ただただ床を見つめていた。
自分が愛した「か弱さ」は偽りであり、自分が捨てた「強さ」こそが真実の誠実さであったことを、彼はついに理解したのだ。
「……ナギ。……君のその『筋肉の勘』。……これからも、この国のために役立ててくれるか?」
国王の問いに、ナギはアインの腕に寄り添いながら、不敵に笑った。
「……もちろんですわ、陛下。……ただし、報酬は『最高級の牛肉』を一年分、お願いいたしますわね!」
「……おーほっほっほ!!」
ナギの高笑いが、王宮の空に響き渡る。
スパイさえも筋肉で暴き出した彼女の快進撃は、いよいよ最終章へと向かっていた。
「……お嬢様。……スパイを捕まえるのはいいですが、あんなに強く握ったら、腕の筋肉がまた太くなっちゃいますよ」
エラの冷ややかなツッコミに、ナギは「いいのよ、これが私の『勲章』よ!」と胸を張るのだった。
王宮の執務室。国王陛下は、眉間に深い皺を刻みながら、机の上に広げられた山のような紙束を指差した。
それはすべて、リリアが「カイル王子の婚約者(仮)」という肩書きを使って買い漁った、宝飾品やドレスのツケだった。
「……あ、父上。……それは、その……彼女の心の安定のために必要な経費でして……」
「安定だと? 王国の税収の数パーセントが、一人の令嬢の『安定』のために消えていいはずがなかろう。……それに比べて見ろ、ナギ・カームを」
国王は、窓の外を指差した。
そこでは、ナギがアイン辺境伯と共に、王宮の警備兵たちを集めて「正しいスクワットの角度」について熱弁を振るっていた。
「……彼女は、私が贈った褒賞金さえも『領地のプロテイン工場の建設資金にする』と言って、すべて国益のために回したのだぞ。……お前は、至宝を捨てて泥沼を掴んだのだな」
「……ぐ、ぬぬ……。……ですが父上、リリアはか弱いのです! あんな、自分で岩を砕くような女とは違うのです!」
カイルが必死に叫んでいた、その時。
バルコニーの下で講義を終えたナギが、ふと足を止め、鋭い視線を王宮の回廊へと向けた。
「……アイン。……あそこにいるリリア様、少しおかしくないかしら?」
「……何がだ? いつものように、王子の影で震えるフリをしているようだが」
アインが不思議そうに尋ねる。
ナギは目を細め、リリアの「足運び」を凝視した。
「……いいえ。……見て。あの方、今、石畳の段差を避ける時、無意識に『重心の移動』を完璧に行っていますわ。……あれは、か弱い令嬢の動きではありません。……相当に鍛えられた、隠密の動きですわよ」
「……何だと?」
ナギの「筋肉の勘」は、時に予言よりも正確だった。
十年間、自らの体と向き合い、重心と筋肉の連動を研究し続けてきた彼女にとって、他人の「体の嘘」を見抜くのは造作もないことだったのだ。
「……普通の令嬢なら、あの高さの段差であんなに膝を柔らかく使いませんわ。……それに見て、あの首筋の筋肉。……あれは、重いドレスを支えるためではなく、背後からの殺気を察知するために発達したものですわね」
「……ナギ。……君の観察眼(筋肉愛)には恐れ入る。……もしそれが本当なら、彼女は単なるわがまま令嬢ではないということか」
「ええ。……ちょっと、確かめてきますわ」
ナギは、重厚なドレスの裾(といっても動きやすいように改造済み)を翻すと、猫のような速さで回廊へと駆け上がった。
「……リリア様ぁ! ごきげんよう!」
「……ひっ!? な、ナギ様……。……急に背後から声をかけないでくださいまし。心臓が止まるかと思いましたわ……」
リリアが、大仰に胸を押さえてよろめく。
だが、ナギはその瞬間、リリアの肩にわざと「力強く」手を置いた。
「……あら、失礼。……あまりにリリア様が儚げでしたので、つい支えて差し上げようと思いまして。……おーほっほっほ! ……ところでリリア様、その袖の下に隠している『鉄の礫(つぶて)』、重くありませんこと?」
リリアの顔が、一瞬で凍りついた。
「……な、何を……おっしゃっているのか、分かりませんわ」
「……とぼけても無駄ですわよ。……私の筋肉は、あなたの袖から漂う『油と火薬の匂い』を正確に捉えていますの。……か弱いフリをするなら、道具の手入れはもっと念入りにするべきでしたわね」
ナギは、リリアの手首を万力のような力で掴み上げた。
「……離して! 何をするのよ、この野蛮な女!!」
リリアが、それまでの「愛らしさ」を完全に捨て、鋭い蹴りをナギの膝へと放った。
だが、ナギはそれを微動だにせず、自らの強靭な脚力で受け止めた。
「……いい蹴りですわ。……ですが、私の大腿四頭筋を貫くには、あと三倍は負荷をかけないとダメね」
「……っ、こいつ……化け物か……!」
リリアが懐から暗器を取り出そうとした瞬間、アイン・クロムウェルが背後に現れ、彼女の首筋に剣を突き立てた。
「……動くな。……辺境伯の名において、スパイ容疑で拘束する」
騒ぎを聞きつけたカイル王子と国王が、バルコニーに駆けつけてきた。
「……リ、リリア!? 何をしているんだ! ナギ、早く彼女を離せ!」
「……殿下。……残念ながら、あなたの『真実の愛』は、隣国のスパイだったようですわよ」
ナギがリリアの腕をひねり上げると、隠し持っていた暗号表と、毒が塗られたナイフが床に転がり落ちた。
「……ば、馬鹿な……。……リリアが、スパイ……?」
カイルは、その場に膝をついた。
リリアは、もはや猫を被るのをやめ、蛇のような冷たい目でナギを睨みつけた。
「……ふん。……あんなかぼちゃ王子の懐を空にするのは簡単だったわ。……まさか、こんな筋肉ダルマの女に正体を見破られるなんてね」
「……筋肉ダルマとは失礼ね。……私は、自分の体に正直に生きているだけですわ」
ナギは、衛兵にリリアを引き渡すと、爽やかに汗を拭った。
国王は、リリアが残した暗号表を手に取り、深く吐息をついた。
「……ナギ。……お前には、またしても国を救われたな。……カイルよ。……これでもまだ、お前はこの女を『魔女』と呼ぶつもりか?」
「……あ、……あぁ……」
カイルは、言葉もなく、ただただ床を見つめていた。
自分が愛した「か弱さ」は偽りであり、自分が捨てた「強さ」こそが真実の誠実さであったことを、彼はついに理解したのだ。
「……ナギ。……君のその『筋肉の勘』。……これからも、この国のために役立ててくれるか?」
国王の問いに、ナギはアインの腕に寄り添いながら、不敵に笑った。
「……もちろんですわ、陛下。……ただし、報酬は『最高級の牛肉』を一年分、お願いいたしますわね!」
「……おーほっほっほ!!」
ナギの高笑いが、王宮の空に響き渡る。
スパイさえも筋肉で暴き出した彼女の快進撃は、いよいよ最終章へと向かっていた。
「……お嬢様。……スパイを捕まえるのはいいですが、あんなに強く握ったら、腕の筋肉がまた太くなっちゃいますよ」
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