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8話 婚約破棄と婚約発表 その2
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翌日、なんとディエス様が別邸を訪ねてくれたので、私は何となしにパーティのことを話してみた。すると……
「ああ、心配することはない。喜んで参加させてもらうよ」
「本当でございますか……? ディエス様……」
「ああ、もちろん本当だ。こんなことを冗談では言わないさ」
「さ、左様でございますか……」
私はディエス様にお礼を言う前に、信じられないという感情が身体中を駆け巡っていた。だって、私を助けてくれたのは、偶然でしかないはずだし……その後、別邸まで送っていただいたけれど、そこでディエス様との関係は絶たれていたはずなのに……。
これはディエス様なりの好意と受け取っていいのかしら? ううん、きっとそういうわけではないはず。私は婚約破棄をされた直後だから、同情してくださってるのね。
「あの……ディエス様のご好意は非常に嬉しく思っておりますが……」
これ以上、気を遣っていただくのは申し訳ない。私はそんな気持ちで言葉を発していた。
「私の気遣いは迷惑になっているかな?」
「い、いえ……迷惑だなんて、そんなことあるはずはありません! でも……」
「迷惑ではない、か。それを聞いて安心したよ」
どこか晴れ晴れしい表情のディエス様。もしかしたら、気になさっていたのかしら……?
「シンディ殿が迷惑でないのなら、私の行いについて遠慮する必要はない。私は嫌々やっているのではないからな、其方を救いたいと思い、行っていることだ」
「でぃ、ディエス様……それは……ありがとうございます……」
私は顔が火照ってしまっている感覚を覚えながら、ディエス様にお礼を申し上げていた。ディエス様の純粋な好意……否定する理由は見当たらなかった。
「そ、それではディエス様。我が本邸で行われるパーティにご参加いただけるということで、よろしいのでしょうか?」
「ああ、迷惑でなければ、ぜひとも参加させてくれ」
本日2度目の参加表明……ディエス様の表情には一片の曇りすらなかった。私は意図したわけではないけれど、とても大きな武器を手に入れたんだと思う。ディエス様を武器に例えるのはとても失礼なことだけれど……。
ディエス様からは見えない位置でライラがガッツポーズをしていた。彼女も話が上手くいって喜んでいるみたいね。本邸でのジニーやフリント様を交えるパーティ……どのような結末になるのか、とても不安だったけれど、私はディエス様と一緒に行けることが心からの安心に繋がっていた。
……ところで、胸がドキドキするんだけれど、そういうことではないわよね?
「ああ、心配することはない。喜んで参加させてもらうよ」
「本当でございますか……? ディエス様……」
「ああ、もちろん本当だ。こんなことを冗談では言わないさ」
「さ、左様でございますか……」
私はディエス様にお礼を言う前に、信じられないという感情が身体中を駆け巡っていた。だって、私を助けてくれたのは、偶然でしかないはずだし……その後、別邸まで送っていただいたけれど、そこでディエス様との関係は絶たれていたはずなのに……。
これはディエス様なりの好意と受け取っていいのかしら? ううん、きっとそういうわけではないはず。私は婚約破棄をされた直後だから、同情してくださってるのね。
「あの……ディエス様のご好意は非常に嬉しく思っておりますが……」
これ以上、気を遣っていただくのは申し訳ない。私はそんな気持ちで言葉を発していた。
「私の気遣いは迷惑になっているかな?」
「い、いえ……迷惑だなんて、そんなことあるはずはありません! でも……」
「迷惑ではない、か。それを聞いて安心したよ」
どこか晴れ晴れしい表情のディエス様。もしかしたら、気になさっていたのかしら……?
「シンディ殿が迷惑でないのなら、私の行いについて遠慮する必要はない。私は嫌々やっているのではないからな、其方を救いたいと思い、行っていることだ」
「でぃ、ディエス様……それは……ありがとうございます……」
私は顔が火照ってしまっている感覚を覚えながら、ディエス様にお礼を申し上げていた。ディエス様の純粋な好意……否定する理由は見当たらなかった。
「そ、それではディエス様。我が本邸で行われるパーティにご参加いただけるということで、よろしいのでしょうか?」
「ああ、迷惑でなければ、ぜひとも参加させてくれ」
本日2度目の参加表明……ディエス様の表情には一片の曇りすらなかった。私は意図したわけではないけれど、とても大きな武器を手に入れたんだと思う。ディエス様を武器に例えるのはとても失礼なことだけれど……。
ディエス様からは見えない位置でライラがガッツポーズをしていた。彼女も話が上手くいって喜んでいるみたいね。本邸でのジニーやフリント様を交えるパーティ……どのような結末になるのか、とても不安だったけれど、私はディエス様と一緒に行けることが心からの安心に繋がっていた。
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