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一癖も二癖もある後輩
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羽ヶ鷺学園⋯⋯文武両道をかかげる国立の高等学校。だが通常の高校とは違い、様々な能力が必要とされる学校であった。普通に卒業するだけであるならば授業を受け、テストでは赤点をとらずにいれば問題ない。
しかし羽ヶ鷺学園では通常の成績表とは別に、独自の能力査定である知力、学力、身体能力、コミュニケーション力、素行の評価があり、これらの成績優秀者は学園独自のスコアが配布され、指定の物であるならばこのスコアを使って物を購入したり、食事をしたりすることができる新たな試みを取り入れた学園である。
「うぅ⋯⋯少し緊張します」
俺達は住宅街を通り、羽ヶ鷺学園へと向かう道でユズがポツリと外行きの声でナーバスな言葉を吐く。
ユズは人見知りすることがあり、親しい間柄でないと素っ気ない態度を取ってしまうことがあるから、新しい学園に行くことが不安なのだろう。
「昨日一回行ってるから大丈夫だろ?」
「昨日は入学式だけ⋯⋯終わったら帰宅だったから。同じ学園の人と一言も話していないし」
ちなみに新一年生と生徒会のメンバーは昨日から学園が始まっていて天城家では俺だけ今日から登校である。
「生徒の評価対象項目にコミュニケーション力ってあるんだぞ⋯⋯大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです⋯⋯良いですよね兄さんと姉さんは社交的で」
「コト姉はともかく俺は必要な人としか話してないけどな」
「お姉ちゃんも必要な人としか話してないよ~」
コト姉はその必要な人のキャパが半端ないけどな。
「姉さんは生徒会長だからコミュニケーション力の塊みたいなものですからいいですよね」
「そんなことないよ~お姉ちゃんだって人見知りするよ~」
「コト姉はそんなものないよな」
「リウトちゃんひど~い」
どうせならその人見知りを俺に発動してほしいものだ。さすがに毎日姉に起こしてもらっていると他人に知られたら、シスコン認定されてしまう。
「ユズも中学からの友達がいるから大丈夫だろ?」
俺とも繋がりがあるちょっと⋯⋯いやかなり特殊な奴が。だが悪い子ではないのでユズも心強いだろう。
「むむっ! 私の探知スキルによるとこっちに先輩達の気配が⋯⋯」
噂をすればなんとやら、曲がり角から突然羽ヶ鷺の制服を着たツインテールの女の子が現れた。特に特徴的なのが、首についた白と黒のチョーカーで、今ではこの子のチャームポイントになっている。
「先輩方、ユズユズおはようございます」
「おはよう瑠璃」
この異世界でありそうな言葉を口走っている子は斑鳩瑠璃⋯⋯ユズと同学年で俺ともただならぬ関係である。
「瑠璃さんおはようございます」
「瑠璃ちゃんおはよ~」
3人共明るく挨拶をかわす。
ユズも瑠璃には心を許しているのか、余所行きの顔を出してはいない。
それにしても瑠璃は元気だな⋯⋯初めて会った時とは大違いだ。
俺と瑠璃は2年程前からの付き合いで、その頃の瑠璃は、学校には行っていたが外に出ることがない半分引きこもりのような状態だった。そしてその時に見ていたアニメやゲームの影響で、異世界用語を口にするようになってしまったが、それも瑠璃の個性なので俺は良いと思う。
「リウト先輩さっきから私のことを見てどうしましたか? ま、まさか制服女子を一週間凝視し続けることによって、ついに透視のスキルを身につけたのですか!」
瑠璃がとんでもないことを言い放つとユズが咄嗟に両腕で胸の部分を隠す。
「そんな素敵なスキル⋯⋯いやそんなことできるわけないだろ!」
「いえ、エチエチの実を食べた変態の兄さんならあり得る話です」
ユズは俺を何かの漫画の能力者と勘違いしているのか? もし本当にそんなスキルが使えたら⋯⋯最高だな。
俺はつい能力者となった自分を思い浮かべてしまう。
「デレデレして⋯⋯やっぱり兄さんは変態ですね。私達から離れて下さい」
「リウトちゃん、エッチなのはダメだよ!」
「私の鑑定スキルでもリウト先輩のスケベ値はSランクですね」
俺は謂れのない罪を被せられると、三人は足早に学校へと向かってしまった。
くそっ! 元はと言えば瑠璃が変なことを言うから。
俺は後で瑠璃に復讐することを決意し、三人の後を追う。
しかし羽ヶ鷺学園では通常の成績表とは別に、独自の能力査定である知力、学力、身体能力、コミュニケーション力、素行の評価があり、これらの成績優秀者は学園独自のスコアが配布され、指定の物であるならばこのスコアを使って物を購入したり、食事をしたりすることができる新たな試みを取り入れた学園である。
「うぅ⋯⋯少し緊張します」
俺達は住宅街を通り、羽ヶ鷺学園へと向かう道でユズがポツリと外行きの声でナーバスな言葉を吐く。
ユズは人見知りすることがあり、親しい間柄でないと素っ気ない態度を取ってしまうことがあるから、新しい学園に行くことが不安なのだろう。
「昨日一回行ってるから大丈夫だろ?」
「昨日は入学式だけ⋯⋯終わったら帰宅だったから。同じ学園の人と一言も話していないし」
ちなみに新一年生と生徒会のメンバーは昨日から学園が始まっていて天城家では俺だけ今日から登校である。
「生徒の評価対象項目にコミュニケーション力ってあるんだぞ⋯⋯大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです⋯⋯良いですよね兄さんと姉さんは社交的で」
「コト姉はともかく俺は必要な人としか話してないけどな」
「お姉ちゃんも必要な人としか話してないよ~」
コト姉はその必要な人のキャパが半端ないけどな。
「姉さんは生徒会長だからコミュニケーション力の塊みたいなものですからいいですよね」
「そんなことないよ~お姉ちゃんだって人見知りするよ~」
「コト姉はそんなものないよな」
「リウトちゃんひど~い」
どうせならその人見知りを俺に発動してほしいものだ。さすがに毎日姉に起こしてもらっていると他人に知られたら、シスコン認定されてしまう。
「ユズも中学からの友達がいるから大丈夫だろ?」
俺とも繋がりがあるちょっと⋯⋯いやかなり特殊な奴が。だが悪い子ではないのでユズも心強いだろう。
「むむっ! 私の探知スキルによるとこっちに先輩達の気配が⋯⋯」
噂をすればなんとやら、曲がり角から突然羽ヶ鷺の制服を着たツインテールの女の子が現れた。特に特徴的なのが、首についた白と黒のチョーカーで、今ではこの子のチャームポイントになっている。
「先輩方、ユズユズおはようございます」
「おはよう瑠璃」
この異世界でありそうな言葉を口走っている子は斑鳩瑠璃⋯⋯ユズと同学年で俺ともただならぬ関係である。
「瑠璃さんおはようございます」
「瑠璃ちゃんおはよ~」
3人共明るく挨拶をかわす。
ユズも瑠璃には心を許しているのか、余所行きの顔を出してはいない。
それにしても瑠璃は元気だな⋯⋯初めて会った時とは大違いだ。
俺と瑠璃は2年程前からの付き合いで、その頃の瑠璃は、学校には行っていたが外に出ることがない半分引きこもりのような状態だった。そしてその時に見ていたアニメやゲームの影響で、異世界用語を口にするようになってしまったが、それも瑠璃の個性なので俺は良いと思う。
「リウト先輩さっきから私のことを見てどうしましたか? ま、まさか制服女子を一週間凝視し続けることによって、ついに透視のスキルを身につけたのですか!」
瑠璃がとんでもないことを言い放つとユズが咄嗟に両腕で胸の部分を隠す。
「そんな素敵なスキル⋯⋯いやそんなことできるわけないだろ!」
「いえ、エチエチの実を食べた変態の兄さんならあり得る話です」
ユズは俺を何かの漫画の能力者と勘違いしているのか? もし本当にそんなスキルが使えたら⋯⋯最高だな。
俺はつい能力者となった自分を思い浮かべてしまう。
「デレデレして⋯⋯やっぱり兄さんは変態ですね。私達から離れて下さい」
「リウトちゃん、エッチなのはダメだよ!」
「私の鑑定スキルでもリウト先輩のスケベ値はSランクですね」
俺は謂れのない罪を被せられると、三人は足早に学校へと向かってしまった。
くそっ! 元はと言えば瑠璃が変なことを言うから。
俺は後で瑠璃に復讐することを決意し、三人の後を追う。
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