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運が良い者悪い者後編
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「なんてったって神奈さんの後ろの席だぞ! これから毎日神奈さんを眺めながら授業を受けることができるんだ。それに隣もコアなファン層には人気があるちひろさんだし」
「私は神奈っちのついでか!」
悟の言葉に対してちひろは瞬時に突っ込みを入れ、そして神奈さんは苦笑いを浮かべている。
神奈さんも悟の言葉に何て言ったらいいのか困っているようだ。
「木田くん、あまり気持ち悪いこと言わないで。もし神奈っちに何かしたらシャーペンでおもいっきり突き刺すからね」
ちひろはカチカチとシャープペンシルという武器を顕現させる。
「少しくらい喜んでもいいじゃねえか。俺がこんな席に座れる確率はガチャで0.01%のSSR引くくらいのことなんだぞ」
「10,000分の1か。たかが席替えで凄い確率だな」
「リウトに言われたくねえぞ。羽ヶ鷺のヒロイン神奈さんの隣の席で、親しみやすさNo.1ちひろさんの前の席、そしてみんなのお姉ちゃん琴音さんの弟で、羽ヶ鷺の妹柚葉ちゃんの兄のポジションに居座っている奴に俺の気持ちがわかるか。お前は何回リセマラしてその人生を手に入れたんだ」
「いや、初回だけど」
「なん⋯⋯だと⋯⋯。これが管理者アカウントを持っているものと持っていないものの差なのか」
俺がリセラマしていないことを知り、悟はその場に崩れ落ちる。もう悟の脳では、俺は絶対勝てない相手だと悟ってくれたようだ⋯⋯悟だけに。
「ねえねえリウト。私、木田くんにその三人と同列に見られているみたい。それなら私もSSRキャラってことだよね」
「いや、ちひろさんはその三人と比べるとSRで、評価点10点満点中7点のキャラだから」
「なんだとぉ! 木田くんひどい。私はSSRキャラでしょ」
ちひろは悟の言葉に涙を流す⋯⋯振りをして同情を買おうとしている。
「そうだぞ。ちひろは立派なSSRキャラだ」
「リウト⋯⋯さすが私のことを1番わかっているわね」
「だがSSRでも評価点5点の使えないキャラだけどな」
「せめて7点はちょうだい!」
「仕方ないなあ。それじゃあ7点で」
「とりあえず生で的な言い方やめてよ!」
結局評価点7だったら使えないゴミキャラだけどそこは黙っておこう。
「は、話についていけないです。私、この席で大丈夫かな」
そして俺達のやり取りを見て、隣の席の神奈さんは不安気な表情をするのであった。
今日は1日授業のため、悟達と昼食を取り、そして放課後になった。
さて、今日はどうしよう。ちひろからは特に何も言ってこないので大人しく家に帰り、予習でもするか。
一応こう見えて俺の学力の成績は、上から数えた方が早い。勉強はわりと好きだし、何よりテストの成績が良ければ先生方の覚えもいいので、一定の点数は取れるようにしている。
「じゃあなリウト」
悟はカバンを背負って早々に教室を出ていく。
確か悟はサッカー部で昨年の身体能力の成績はA。一年の時からレギュラーで将来有望らしい。
部活か⋯⋯そんな青春も楽しいかもしれない。けど今の俺にはやりたいことが他にあるしそれに⋯⋯。
俺は無意識に左腕の肘を右手で押さえる。
そして俺はカバンを右手で持ち、教室を出ようとするが。
「あ、天城くんまって!」
突然隣の席の神奈さんに声をかけられる。
神奈さんが俺を呼び止めてくるなんて。まさか昨日の紬ちゃんのことで俺を断罪するわけじゃないよな。大丈夫、ここは学校。神奈さんも下手なことはできないはず⋯⋯だと思いたい。
俺の脳裏には昨日鬼と化した神奈さんの姿が過る。
「何かな」
「そ、その⋯⋯つ⋯⋯てほ⋯⋯」
神奈さんは小声で喋っているため何を言っているかわからない。何だか顔が赤く見えるが気のせいか?
「えっと⋯⋯ごめん。よく聞こえない」
「だから⋯⋯その⋯⋯付き合ってほしいの!」
付き合ってほしい⋯⋯だと⋯⋯。
神奈さんの突然の告白に、教室に残ったクラスメート達の視線が一斉に俺達に集まるのであった。
―――――――――――――――
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「私は神奈っちのついでか!」
悟の言葉に対してちひろは瞬時に突っ込みを入れ、そして神奈さんは苦笑いを浮かべている。
神奈さんも悟の言葉に何て言ったらいいのか困っているようだ。
「木田くん、あまり気持ち悪いこと言わないで。もし神奈っちに何かしたらシャーペンでおもいっきり突き刺すからね」
ちひろはカチカチとシャープペンシルという武器を顕現させる。
「少しくらい喜んでもいいじゃねえか。俺がこんな席に座れる確率はガチャで0.01%のSSR引くくらいのことなんだぞ」
「10,000分の1か。たかが席替えで凄い確率だな」
「リウトに言われたくねえぞ。羽ヶ鷺のヒロイン神奈さんの隣の席で、親しみやすさNo.1ちひろさんの前の席、そしてみんなのお姉ちゃん琴音さんの弟で、羽ヶ鷺の妹柚葉ちゃんの兄のポジションに居座っている奴に俺の気持ちがわかるか。お前は何回リセマラしてその人生を手に入れたんだ」
「いや、初回だけど」
「なん⋯⋯だと⋯⋯。これが管理者アカウントを持っているものと持っていないものの差なのか」
俺がリセラマしていないことを知り、悟はその場に崩れ落ちる。もう悟の脳では、俺は絶対勝てない相手だと悟ってくれたようだ⋯⋯悟だけに。
「ねえねえリウト。私、木田くんにその三人と同列に見られているみたい。それなら私もSSRキャラってことだよね」
「いや、ちひろさんはその三人と比べるとSRで、評価点10点満点中7点のキャラだから」
「なんだとぉ! 木田くんひどい。私はSSRキャラでしょ」
ちひろは悟の言葉に涙を流す⋯⋯振りをして同情を買おうとしている。
「そうだぞ。ちひろは立派なSSRキャラだ」
「リウト⋯⋯さすが私のことを1番わかっているわね」
「だがSSRでも評価点5点の使えないキャラだけどな」
「せめて7点はちょうだい!」
「仕方ないなあ。それじゃあ7点で」
「とりあえず生で的な言い方やめてよ!」
結局評価点7だったら使えないゴミキャラだけどそこは黙っておこう。
「は、話についていけないです。私、この席で大丈夫かな」
そして俺達のやり取りを見て、隣の席の神奈さんは不安気な表情をするのであった。
今日は1日授業のため、悟達と昼食を取り、そして放課後になった。
さて、今日はどうしよう。ちひろからは特に何も言ってこないので大人しく家に帰り、予習でもするか。
一応こう見えて俺の学力の成績は、上から数えた方が早い。勉強はわりと好きだし、何よりテストの成績が良ければ先生方の覚えもいいので、一定の点数は取れるようにしている。
「じゃあなリウト」
悟はカバンを背負って早々に教室を出ていく。
確か悟はサッカー部で昨年の身体能力の成績はA。一年の時からレギュラーで将来有望らしい。
部活か⋯⋯そんな青春も楽しいかもしれない。けど今の俺にはやりたいことが他にあるしそれに⋯⋯。
俺は無意識に左腕の肘を右手で押さえる。
そして俺はカバンを右手で持ち、教室を出ようとするが。
「あ、天城くんまって!」
突然隣の席の神奈さんに声をかけられる。
神奈さんが俺を呼び止めてくるなんて。まさか昨日の紬ちゃんのことで俺を断罪するわけじゃないよな。大丈夫、ここは学校。神奈さんも下手なことはできないはず⋯⋯だと思いたい。
俺の脳裏には昨日鬼と化した神奈さんの姿が過る。
「何かな」
「そ、その⋯⋯つ⋯⋯てほ⋯⋯」
神奈さんは小声で喋っているため何を言っているかわからない。何だか顔が赤く見えるが気のせいか?
「えっと⋯⋯ごめん。よく聞こえない」
「だから⋯⋯その⋯⋯付き合ってほしいの!」
付き合ってほしい⋯⋯だと⋯⋯。
神奈さんの突然の告白に、教室に残ったクラスメート達の視線が一斉に俺達に集まるのであった。
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