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志麻 思い出す
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初めて結ばれた次の朝も、伸一郎様は優しく激しくわたしを抱いてくれた。
それからバスルームでも。
わたしを見る伸一郎様はすごく優しい顔をしている。
わたしの胸に吸いついている伸一郎様はなんだか可愛い。
わたしの奥をがつがつと穿つ伸一郎様はとても色っぽい。
(なんていうか、なんていうか)
(好き。ううん。
好きなんて通りこしてる…?大好き…?
ホント、何なんだろう。
前世の時、アイドルを見てイケメンだなと思ったりするのとは全然違う。
伸一郎様も間違いなくイケメンだけど。
視覚的にも惹かれるが、魂が求める。
子宮が求める。………そんな感じ。)
部屋で、伸一郎様と朝食をとっている時にも、ずっとぐるぐると伸一郎様の事でいっぱいになりながら、夕べや今朝の交わりを思い出しては赤面していた。
「志麻、結婚しよう。」
「はい?」
「そのつもりで抱いたから避妊はしていない。早く籍を入れた方がいい。いいね?」
─────
「田中さんっ、助けてくださいっっ」
伸一郎様に求婚されたわたしは、すぐに執事の田中さんに相談した。
せめて藤原家のしきたりを習って嫁らしい教養や所作を身につけてから返事をしたいと思ったからだ。
「田中さん、伸一郎様に求婚されました。
この家の事を何も知らないのではお返事できないじゃないですか?
妻じゃなくて指南役と聞いて来たんですよ?
……まぁ指南もできてないですけど………。
でも、せめて色々と学んでから嫁ぎたいです。
どうか、わたしにこの家のしきたりなどを教えてくださいませんか?」
「志麻様、伸一郎様は、そのままの志麻様をすぐにでも奥様にされたいとお考えですが………?」
「田中さん、お願いよ。とてつもない大金を払っていただいて、わたしは何もする事ができないなんて………。
あんなにもお優しい伸一郎様に、何かして差し上げたいの。
良い妻を迎えたと思って貰いたいのよ。」
「………もう十分思ってらっしゃるとは承知していますが。それに、すぐにでもお子が出来てしまうのではないですか?
早く返事して差し上げた方が伸一郎様は喜びますよ?」
「田中さ~~~ん」
「………。仕方ないですね。
そこまでおっしゃるなら、昼間、伸一郎様が執務を行っている間だけ、一緒にお勉強いたしましょう。この家のしきたりや歴史、歴代の奥様がどのようにされていたかなどは私でもお教えできますから。」
「田中さん……!ありがとうございます…」
「でも、社交の事は伸一郎様のご意向を伺ってからに致します。」
「田中さんに全てお任せします。わたしは、社交に関しては、生まれてから一度も学んだ事も、目にした事も、触れた事もないんですから。」
「その辺のご事情も察しております。志麻様のご両親も、前のご主人も、志麻様を隠されていらっしゃいましたから。
大丈夫です。伸一郎様の望まれる通り、ご指示の通りにして、今以上に完璧な奥様になっていただきます。
志麻様には早くお返事していただかないと伸一郎様も私も困りますから。」
「よろしくお願いしますね。」
志麻は頭を下げた。
─────
初めて結ばれた日から毎日、何度も求められて、幸せを感じていた。
「志麻、早く返事を。孕んでしまうよ?」
などと言いながら精を吐き出す伸一郎様。
一週間後に月のものがきた時は、どこか複雑な気持ちになった。
まだ孕んでいなくて良かったというホッとした気持ち。
でも、月のものがきている間は抱いて貰えないという寂しい気持ち。
それでも、相変わらず伸一郎様は優しくて、常に気を使ってくれる。
だから、わたしは、余計に藤原家代々の歴史や教養・礼儀作法の習得に励む事ができた。
社交については、夫婦揃っての場のみに一緒に出るという伸一郎様のご意向だった。
田中さんもハイペースで指導享受してくれた。
徐々に藤原家の人間らしくなっていったように思う。………なったよね?
そのように毎日を積み重ね、また1ヶ月後、月のものがきた頃には、覚悟が決まった。
わたしはとうとう求婚を受け入れた。
それからバスルームでも。
わたしを見る伸一郎様はすごく優しい顔をしている。
わたしの胸に吸いついている伸一郎様はなんだか可愛い。
わたしの奥をがつがつと穿つ伸一郎様はとても色っぽい。
(なんていうか、なんていうか)
(好き。ううん。
好きなんて通りこしてる…?大好き…?
ホント、何なんだろう。
前世の時、アイドルを見てイケメンだなと思ったりするのとは全然違う。
伸一郎様も間違いなくイケメンだけど。
視覚的にも惹かれるが、魂が求める。
子宮が求める。………そんな感じ。)
部屋で、伸一郎様と朝食をとっている時にも、ずっとぐるぐると伸一郎様の事でいっぱいになりながら、夕べや今朝の交わりを思い出しては赤面していた。
「志麻、結婚しよう。」
「はい?」
「そのつもりで抱いたから避妊はしていない。早く籍を入れた方がいい。いいね?」
─────
「田中さんっ、助けてくださいっっ」
伸一郎様に求婚されたわたしは、すぐに執事の田中さんに相談した。
せめて藤原家のしきたりを習って嫁らしい教養や所作を身につけてから返事をしたいと思ったからだ。
「田中さん、伸一郎様に求婚されました。
この家の事を何も知らないのではお返事できないじゃないですか?
妻じゃなくて指南役と聞いて来たんですよ?
……まぁ指南もできてないですけど………。
でも、せめて色々と学んでから嫁ぎたいです。
どうか、わたしにこの家のしきたりなどを教えてくださいませんか?」
「志麻様、伸一郎様は、そのままの志麻様をすぐにでも奥様にされたいとお考えですが………?」
「田中さん、お願いよ。とてつもない大金を払っていただいて、わたしは何もする事ができないなんて………。
あんなにもお優しい伸一郎様に、何かして差し上げたいの。
良い妻を迎えたと思って貰いたいのよ。」
「………もう十分思ってらっしゃるとは承知していますが。それに、すぐにでもお子が出来てしまうのではないですか?
早く返事して差し上げた方が伸一郎様は喜びますよ?」
「田中さ~~~ん」
「………。仕方ないですね。
そこまでおっしゃるなら、昼間、伸一郎様が執務を行っている間だけ、一緒にお勉強いたしましょう。この家のしきたりや歴史、歴代の奥様がどのようにされていたかなどは私でもお教えできますから。」
「田中さん……!ありがとうございます…」
「でも、社交の事は伸一郎様のご意向を伺ってからに致します。」
「田中さんに全てお任せします。わたしは、社交に関しては、生まれてから一度も学んだ事も、目にした事も、触れた事もないんですから。」
「その辺のご事情も察しております。志麻様のご両親も、前のご主人も、志麻様を隠されていらっしゃいましたから。
大丈夫です。伸一郎様の望まれる通り、ご指示の通りにして、今以上に完璧な奥様になっていただきます。
志麻様には早くお返事していただかないと伸一郎様も私も困りますから。」
「よろしくお願いしますね。」
志麻は頭を下げた。
─────
初めて結ばれた日から毎日、何度も求められて、幸せを感じていた。
「志麻、早く返事を。孕んでしまうよ?」
などと言いながら精を吐き出す伸一郎様。
一週間後に月のものがきた時は、どこか複雑な気持ちになった。
まだ孕んでいなくて良かったというホッとした気持ち。
でも、月のものがきている間は抱いて貰えないという寂しい気持ち。
それでも、相変わらず伸一郎様は優しくて、常に気を使ってくれる。
だから、わたしは、余計に藤原家代々の歴史や教養・礼儀作法の習得に励む事ができた。
社交については、夫婦揃っての場のみに一緒に出るという伸一郎様のご意向だった。
田中さんもハイペースで指導享受してくれた。
徐々に藤原家の人間らしくなっていったように思う。………なったよね?
そのように毎日を積み重ね、また1ヶ月後、月のものがきた頃には、覚悟が決まった。
わたしはとうとう求婚を受け入れた。
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