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戦力となれる喜び、必要とされる喜び(猫の手でも借りたい子育て)
④
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「お義母さん、今日迎えお願いします!」
「お義母さん、るりちゃんのご飯、味が濃いですしカットが細かすぎ!」
「お義母さん、日曜日和馬と一緒にるりちゃん見ててもらえませんか? 私美容室に行きたい」
「お義母さん仕事休めますか? るりちゃんの熱が下がらない」
「お義母さん、るりちゃんにこんなお菓子あげないで!」
「お義母さん、晩御飯魚は嫌ですー」
日々はあっという間に過ぎていった。毎日毎日杏奈とは口喧嘩が絶えないが、杏奈はとにかく口うるさいタイプで、道子を特別嫌ってそうしているわけではないことがわかってきた。しかも育休中は家にこもってパジャマでスマホ三昧だった彼女も、働きに出るとおしゃれをして、はきはきと外で活動する元気なママに早変わりした。瑠璃夏がなついてきたりするのも勿論嬉しいが、道子は杏奈とうまくやれているような気がしてそれが最近嬉しいのだった。ぶつかることが多くても、信頼されているような感じがある。家族っていいなと思った。波多野の会社で仕事も続けている。瑠璃夏の体調によっては休みをもらうこともあるが、ほぼ毎日出勤だ。楽しい。充実とはこのことだ。午後はプランターの花を見て楽しみ、買い物に行ったり、掃除をしたり。
そんな中、久しぶりに長女の葉子から電話がきた。
「お母さん、どうしてる? お兄ちゃんたちとうまくやれている?」
「ええ勿論よ。孫の世話から家事から、仕事までしているのよ」
「えっお母さんが?」
暫く葉子と近況報告を楽しんだ。三人の子供の中で実は道子は我が道を行く葉子が一番苦手なのだが、しかし一番道子を気にかけてくれる優しい存在でもある。
葉子は高校を卒業すると、当時の彼氏と住むと行って家を出てしまった。そして車で二時間程の街でパートをしながら同棲していたが別れると実家に戻ってきて、また次の彼氏が出来ると家を出て行った。その時の彼氏に合わせて住居も仕事も都度変わるのだが、だいたい二年程で破局するのだ。道子ははっと思い付いた。まさか葉子はまた彼氏と別れて、住むところがなくなって電話を寄越してきたのではないだろうか。葉子の収入では一人暮らしは無理である。実家もなくなってしまって、途方に暮れているのでは。しかし葉子は強がりなので、何事もない顔をしているんじゃ……。
「葉子、あなた何かあったんじゃないの? お母さんは元気だから、あなたのことを教えてよ」
「……実はね……」
葉子は話し始めた。一体何があったのだ。
「お義母さん、るりちゃんのご飯、味が濃いですしカットが細かすぎ!」
「お義母さん、日曜日和馬と一緒にるりちゃん見ててもらえませんか? 私美容室に行きたい」
「お義母さん仕事休めますか? るりちゃんの熱が下がらない」
「お義母さん、るりちゃんにこんなお菓子あげないで!」
「お義母さん、晩御飯魚は嫌ですー」
日々はあっという間に過ぎていった。毎日毎日杏奈とは口喧嘩が絶えないが、杏奈はとにかく口うるさいタイプで、道子を特別嫌ってそうしているわけではないことがわかってきた。しかも育休中は家にこもってパジャマでスマホ三昧だった彼女も、働きに出るとおしゃれをして、はきはきと外で活動する元気なママに早変わりした。瑠璃夏がなついてきたりするのも勿論嬉しいが、道子は杏奈とうまくやれているような気がしてそれが最近嬉しいのだった。ぶつかることが多くても、信頼されているような感じがある。家族っていいなと思った。波多野の会社で仕事も続けている。瑠璃夏の体調によっては休みをもらうこともあるが、ほぼ毎日出勤だ。楽しい。充実とはこのことだ。午後はプランターの花を見て楽しみ、買い物に行ったり、掃除をしたり。
そんな中、久しぶりに長女の葉子から電話がきた。
「お母さん、どうしてる? お兄ちゃんたちとうまくやれている?」
「ええ勿論よ。孫の世話から家事から、仕事までしているのよ」
「えっお母さんが?」
暫く葉子と近況報告を楽しんだ。三人の子供の中で実は道子は我が道を行く葉子が一番苦手なのだが、しかし一番道子を気にかけてくれる優しい存在でもある。
葉子は高校を卒業すると、当時の彼氏と住むと行って家を出てしまった。そして車で二時間程の街でパートをしながら同棲していたが別れると実家に戻ってきて、また次の彼氏が出来ると家を出て行った。その時の彼氏に合わせて住居も仕事も都度変わるのだが、だいたい二年程で破局するのだ。道子ははっと思い付いた。まさか葉子はまた彼氏と別れて、住むところがなくなって電話を寄越してきたのではないだろうか。葉子の収入では一人暮らしは無理である。実家もなくなってしまって、途方に暮れているのでは。しかし葉子は強がりなので、何事もない顔をしているんじゃ……。
「葉子、あなた何かあったんじゃないの? お母さんは元気だから、あなたのことを教えてよ」
「……実はね……」
葉子は話し始めた。一体何があったのだ。
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