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戦力となれる喜び、必要とされる喜び(猫の手でも借りたい子育て)
⑥
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葉子からは妊娠を告げられたのだった。
我が子ながら恋多き女で、ひょっとしたら行き遅れたまま生きていくのではと思っていたので嬉しいような、それでも授かり婚なんてはしたないような、道子はなんとも複雑な気持ちであった。
「でね、彼って、実はご両親と絶縁しててね」
葉子は本題を切り出した。
「は?」
「地元でもないこんなところで赤ちゃん迎えて新生活っていうのもちょっと不安でしょ?」
……。
つまり葉子は子育て要員として道子を召喚しようとしていたのである。これが家が燃えた直後なら二つ返事で葉子の所へ行っただろう。しかし、今道子が和馬達を置いて出ていったらどうだ。誰がご飯を作る? 誰が瑠璃夏を迎えに行く? 掃除や洗濯はどうなる? そして波多野さんの事務所の掃除は……。
「とりあえず来週くらいに彼に会って欲しいの。返事はそれからでもいいから」
葉子が言う。親と絶縁してるような男なんて気が進まない。
「それにしても、お母さんよくあのお義姉さんと暮らせるね。すごく合わなそうだから、私が呼んだら喜ぶと思ったのに」
「……そんなことないわよ。杏奈さんとはうまくやっています」
「ふーん、まぁいいや。じゃあ来週の……」
「……」
杏奈は道子がいないと駄目じゃないか。
我が子ながら恋多き女で、ひょっとしたら行き遅れたまま生きていくのではと思っていたので嬉しいような、それでも授かり婚なんてはしたないような、道子はなんとも複雑な気持ちであった。
「でね、彼って、実はご両親と絶縁しててね」
葉子は本題を切り出した。
「は?」
「地元でもないこんなところで赤ちゃん迎えて新生活っていうのもちょっと不安でしょ?」
……。
つまり葉子は子育て要員として道子を召喚しようとしていたのである。これが家が燃えた直後なら二つ返事で葉子の所へ行っただろう。しかし、今道子が和馬達を置いて出ていったらどうだ。誰がご飯を作る? 誰が瑠璃夏を迎えに行く? 掃除や洗濯はどうなる? そして波多野さんの事務所の掃除は……。
「とりあえず来週くらいに彼に会って欲しいの。返事はそれからでもいいから」
葉子が言う。親と絶縁してるような男なんて気が進まない。
「それにしても、お母さんよくあのお義姉さんと暮らせるね。すごく合わなそうだから、私が呼んだら喜ぶと思ったのに」
「……そんなことないわよ。杏奈さんとはうまくやっています」
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「……」
杏奈は道子がいないと駄目じゃないか。
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