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揺るぎない気持ち
傍にいて
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その翌日、懲りもせず茅野さんがまた同じ場所で待っていた。呆れを通り越して最早感心する。昨日美雨ちゃんに「フラれた」と言われたうえ、けちょんけちょんにされたはずなのに(私なら耐えられない)その神経の強さは賞賛ものだ。
私は気づかないふりして通り過ぎようとしたけれど、茅野さんは昨日と同じく私の目の前に立ちはだかった。身長差とヒールを履いている分茅野さんの方が頭ひとつ分上だ。だからとても見下ろされているみたいで腹がたつ。
「暇なんですか」
「うるさいわね。弱い犬ほどよく吠えるというわ」
「その言葉そっくりそのまま返しますよ。忙しいので失礼します」
昨日柾哉さんにたくさん愛されて、今夜も彼の家に帰る私は当然ながら無双状態だ。おまけに今夜の夕食は、彼が以前作ってくれたカルボナーラをふるまってくれると約束してくれたのでウキウキだった。そう、さっきまではウキウキしてたけど、彼女の顔を見てテンションがだだ下がる。
ほんと、空気読んで!と言いたい。
茅野さんの立つ位置から大きく迂回して別の扉から出ようとすると後ろから手を掴まれた。
「待ちなさいよ」
「私暇じゃないんで」
「私だって忙しいのよ!でも柾哉と連絡が取れないから」
「ブロックされてるからって私に絡まないでください」
手を思い切り振り解く。彼女は般若の顔して私を睨みつけた。
「あなたがブロックさせたんでしょ!」
「そんなことしてません!というか、被害妄想激しすぎます!」
「こっちは全然話が進まなくて困ってるのよ!1番の原因はあなたでしょうが!」
「どうすればそう解釈するのっ?!柾哉さんが病院を継がないって言ってるんだから、それが答えでしょう!?」
本当に日本語が通じない。賢い人は何を考えているか分からない人もいるけれど、それにしてもこの人は話が通じなさすぎる。というか思い込みが激しいのか。一体彼女の中でどうなっているのか聞いてみたい。
「果穂」
その顔を睨んでいると天の助けが入った。振り返れば柾哉さんがセキュリティエリアから出てくるところだった。まさかここで会えるとは思っていなかった私は今すぐ飛びつきたくなるほど気持ちが楽になる。
「柾哉さん…!」
「ちょうど臨時で訪問があったんだ。茅野、いい加減にしろ」
「…っ」
柾哉さんは私を背後に隠すと茅野さんから距離をとった。
するとさっきまで般若のような顔をしていた茅野さんの表情がトロリと溶ける。
「ねえ、柾哉。あなたは千秋総合病院の跡取りで、宇佐美教授にも認められるほど腕があるのよ?今から外科医に戻ってもいいじゃない」
ね?ね?と茅野さんが柾哉さんに一歩二歩近づく。
「戻る?そもそも俺は外科医を名乗ったことはないし、なったこともない。茅野の話は研修医時代のことだろ?それだって俺の後ろにいる親父を見て言ってるだけだ」
「それは柾哉がそれ以降メスを握ってないからでしょう?」
「俺は実家を継がないし産業医を続ける。つまり、これから先もメスを握る予定はないんだ。何度も言わせるな」
低く唸るような声に茅野さんは言葉を噤んだ。
柾哉さんは「これ以上話すことはない」と背中を向ける。
「…どうしてよ。あれほど才能があるのに」
「才能があるとかないとかどうでもいい。自分の人生をなぜ他人に決められないといけない」
「…っ、おじさまは、」
「なぜ父だからといって言うことを聞かないといけない?」
「…病院はどうするの?情ぐらいあるでしょう?」
「馬鹿にしてるのか?情で経営などできるものか。それこそとっと潰せばいい。なかったらなかったで患者は他所に行くだけだ」
行こう、と柾哉さんが私の背中を押す。
その場を離れながら振り返るとその場に立ち尽くした彼女の後ろ姿が少し哀れに見えた。
自宅に着くと彼はテキパキと食事の準備を始めて約束通りカルボナーラを作って、はくれなかった。
玄関の鍵を閉めると後ろから抱きしめられてキスされる。触れた唇が離れる前にまた深いキスが落ちてきて咥内を嬲られた。
「……果穂」
離れていく唇を眺めていると柔和な視線とぶつかる。その奥にある見慣れた熱にときめきながら視線をわざと外した。見つめる先は少し濡れた彼の唇だ。厚すぎず薄すぎない、柔らかくて優しい唇だ。
「……柾哉さん、大好きです。私はずっと柾哉さんを応援しますから」
また唇が塞がれて、今度は私を抱き上げてしまった。首に腕を回してギュッと抱きしめる。彼の表情が嬉しそうにほころんで、すりすりと頬を擦り寄せた後、チュッとキスがひとつ落ちてきた。
「果穂が味方だと思うだけで心強いよ」
「何もできないよ?」
「傍にいてくれるだけで十分」
柾哉さんはいつものようにスタスタと寝室に向かった。それを補助するように寝室の扉を開けた。
「お腹空いてるよね?」
柾哉さんは私を静かにベッドにおろすとおもむろに衣服を脱ぎ始めた。言葉と行動がチグハグすぎる。その表情が違う意味で「ハラヘッタ」と言っているようでマットレスにくっついた腰がゾクゾクと震えた。
「お、なかは減ったけど…」
ブラウスにスカート、ストッキング。
まだ一枚も脱いでいない私の目の前に、しっかりした体躯が顕になる。その肌に迫られれば簡単に「NO」とは言えない。
「けど?」
「……カルボナーラは後回しでいいよ?」
その代わりちゃんと作ってほしいなぁ、とおねだりはする。だって今日はそれを楽しみに仕事を頑張ったから。
「善処するよ。けど、明日になるかもしれない」
ごめんね?と言いながらブラウスのボタンをひとつひとつ丁寧に外していく。その様子を眺めているうちにあっという間にむき身になった。
「…明日になるの?」
「だめ?」
広げられた両手に飛び込むように彼をキツく抱きしめる。
胡座をかいた彼の脚の間にすっぽりとお尻を落としてぴったりとくっついた。
「…だめじゃない」
「じゃあ、明日の昼飯にしようか」
「今夜は?」
何も食べないの?と聞けば俯いた顔に小さく笑われる。そして何度か唇を喰んだ彼が蕩けるように微笑んだ。
「今夜は果穂を堪能させて」
いい?と投げられた質問に答える代わりに彼の首をギュッと抱きしめる。それ以上に私を抱きしめる腕の力が強くなり多幸感で胸がいっぱいになる。
初めて柾哉さんと食事をしたあの夜。夢を語る彼の表情はとても眩しくて輝いていた。そんな彼が素敵で、もっと応援したくなった。
自分の信じた道を突き進んで、彼なりに世の中を変えていこうと尽力している。もちろんまだまだな部分はあるかもしれないけれど、時代と共に考え方や価値が変わっていくからこそ、柾哉さんのビジョンは素敵だと思った。
だからたとえ、ご両親に大反対されても彼が自分の信じた道を突き進むのであれば全力で応援したい。そして私がその一番の理解者で味方でありたかった。
「果穂の中、あったかい。ずっと包まれていたい」
恍惚とした表情が私を見下ろした。瞳に浮かぶ欲情の色が私を喜ばせる。甘く掠れた声が脳裏を揺さぶって胎内から伝わる愉悦に身体を震わせた。
「…果穂、すきだよ。俺は果穂がいればなにもいらない」
苦しげに眉を寄せながらそれでも彼はふと表情を和らげた。抽送をやめピッタリとくっついた局部から逞しく男らしい肌の感触が伝わってくる。
視線からこぼれ落ちてくる想いが優しくて目頭が熱くなる。胸の奥がぎゅーーっと掴まれて彼の首を抱く腕に力がこもった。
「…柾哉さんの傍にいます」
「うん、いて」
耳元をくすぐる湿った声。耳朶をなぞる唇がくすぐったくて首をすくめた。僅かに顔を傾ければ愛しい視線が覗き込んでいる。
「一生俺を振り回して」
出逢ってまだ一年も経っていない。付き合ってやっと二か月経つぐらいだ。それでももう「彼しかいない」と思うのはなにも不思議じゃなかった。
好きで、好きで、好きで。
毎日彼を想って生活している。
携帯のメッセージを読み返すたびにニヤけて、写真を見て思い出して切なくなる。
だけどその分逢えた時はとても嬉しくて。
帰ることが寂しくて、いつも離れがたかった。
それが例え一過性のものだったとしても。
私は絶対後悔なんてしない。
「しぬまで俺の傍で笑ってて」
「…はい」
「果穂が笑ってくれるなら、俺はなんでもできる気がする」
柾哉さんの言葉に小さく笑う。
そんなのわたしだって。
柾哉さんが傍にいてくれるだけで何ににでもなれちゃう気がするから。
私は気づかないふりして通り過ぎようとしたけれど、茅野さんは昨日と同じく私の目の前に立ちはだかった。身長差とヒールを履いている分茅野さんの方が頭ひとつ分上だ。だからとても見下ろされているみたいで腹がたつ。
「暇なんですか」
「うるさいわね。弱い犬ほどよく吠えるというわ」
「その言葉そっくりそのまま返しますよ。忙しいので失礼します」
昨日柾哉さんにたくさん愛されて、今夜も彼の家に帰る私は当然ながら無双状態だ。おまけに今夜の夕食は、彼が以前作ってくれたカルボナーラをふるまってくれると約束してくれたのでウキウキだった。そう、さっきまではウキウキしてたけど、彼女の顔を見てテンションがだだ下がる。
ほんと、空気読んで!と言いたい。
茅野さんの立つ位置から大きく迂回して別の扉から出ようとすると後ろから手を掴まれた。
「待ちなさいよ」
「私暇じゃないんで」
「私だって忙しいのよ!でも柾哉と連絡が取れないから」
「ブロックされてるからって私に絡まないでください」
手を思い切り振り解く。彼女は般若の顔して私を睨みつけた。
「あなたがブロックさせたんでしょ!」
「そんなことしてません!というか、被害妄想激しすぎます!」
「こっちは全然話が進まなくて困ってるのよ!1番の原因はあなたでしょうが!」
「どうすればそう解釈するのっ?!柾哉さんが病院を継がないって言ってるんだから、それが答えでしょう!?」
本当に日本語が通じない。賢い人は何を考えているか分からない人もいるけれど、それにしてもこの人は話が通じなさすぎる。というか思い込みが激しいのか。一体彼女の中でどうなっているのか聞いてみたい。
「果穂」
その顔を睨んでいると天の助けが入った。振り返れば柾哉さんがセキュリティエリアから出てくるところだった。まさかここで会えるとは思っていなかった私は今すぐ飛びつきたくなるほど気持ちが楽になる。
「柾哉さん…!」
「ちょうど臨時で訪問があったんだ。茅野、いい加減にしろ」
「…っ」
柾哉さんは私を背後に隠すと茅野さんから距離をとった。
するとさっきまで般若のような顔をしていた茅野さんの表情がトロリと溶ける。
「ねえ、柾哉。あなたは千秋総合病院の跡取りで、宇佐美教授にも認められるほど腕があるのよ?今から外科医に戻ってもいいじゃない」
ね?ね?と茅野さんが柾哉さんに一歩二歩近づく。
「戻る?そもそも俺は外科医を名乗ったことはないし、なったこともない。茅野の話は研修医時代のことだろ?それだって俺の後ろにいる親父を見て言ってるだけだ」
「それは柾哉がそれ以降メスを握ってないからでしょう?」
「俺は実家を継がないし産業医を続ける。つまり、これから先もメスを握る予定はないんだ。何度も言わせるな」
低く唸るような声に茅野さんは言葉を噤んだ。
柾哉さんは「これ以上話すことはない」と背中を向ける。
「…どうしてよ。あれほど才能があるのに」
「才能があるとかないとかどうでもいい。自分の人生をなぜ他人に決められないといけない」
「…っ、おじさまは、」
「なぜ父だからといって言うことを聞かないといけない?」
「…病院はどうするの?情ぐらいあるでしょう?」
「馬鹿にしてるのか?情で経営などできるものか。それこそとっと潰せばいい。なかったらなかったで患者は他所に行くだけだ」
行こう、と柾哉さんが私の背中を押す。
その場を離れながら振り返るとその場に立ち尽くした彼女の後ろ姿が少し哀れに見えた。
自宅に着くと彼はテキパキと食事の準備を始めて約束通りカルボナーラを作って、はくれなかった。
玄関の鍵を閉めると後ろから抱きしめられてキスされる。触れた唇が離れる前にまた深いキスが落ちてきて咥内を嬲られた。
「……果穂」
離れていく唇を眺めていると柔和な視線とぶつかる。その奥にある見慣れた熱にときめきながら視線をわざと外した。見つめる先は少し濡れた彼の唇だ。厚すぎず薄すぎない、柔らかくて優しい唇だ。
「……柾哉さん、大好きです。私はずっと柾哉さんを応援しますから」
また唇が塞がれて、今度は私を抱き上げてしまった。首に腕を回してギュッと抱きしめる。彼の表情が嬉しそうにほころんで、すりすりと頬を擦り寄せた後、チュッとキスがひとつ落ちてきた。
「果穂が味方だと思うだけで心強いよ」
「何もできないよ?」
「傍にいてくれるだけで十分」
柾哉さんはいつものようにスタスタと寝室に向かった。それを補助するように寝室の扉を開けた。
「お腹空いてるよね?」
柾哉さんは私を静かにベッドにおろすとおもむろに衣服を脱ぎ始めた。言葉と行動がチグハグすぎる。その表情が違う意味で「ハラヘッタ」と言っているようでマットレスにくっついた腰がゾクゾクと震えた。
「お、なかは減ったけど…」
ブラウスにスカート、ストッキング。
まだ一枚も脱いでいない私の目の前に、しっかりした体躯が顕になる。その肌に迫られれば簡単に「NO」とは言えない。
「けど?」
「……カルボナーラは後回しでいいよ?」
その代わりちゃんと作ってほしいなぁ、とおねだりはする。だって今日はそれを楽しみに仕事を頑張ったから。
「善処するよ。けど、明日になるかもしれない」
ごめんね?と言いながらブラウスのボタンをひとつひとつ丁寧に外していく。その様子を眺めているうちにあっという間にむき身になった。
「…明日になるの?」
「だめ?」
広げられた両手に飛び込むように彼をキツく抱きしめる。
胡座をかいた彼の脚の間にすっぽりとお尻を落としてぴったりとくっついた。
「…だめじゃない」
「じゃあ、明日の昼飯にしようか」
「今夜は?」
何も食べないの?と聞けば俯いた顔に小さく笑われる。そして何度か唇を喰んだ彼が蕩けるように微笑んだ。
「今夜は果穂を堪能させて」
いい?と投げられた質問に答える代わりに彼の首をギュッと抱きしめる。それ以上に私を抱きしめる腕の力が強くなり多幸感で胸がいっぱいになる。
初めて柾哉さんと食事をしたあの夜。夢を語る彼の表情はとても眩しくて輝いていた。そんな彼が素敵で、もっと応援したくなった。
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だからたとえ、ご両親に大反対されても彼が自分の信じた道を突き進むのであれば全力で応援したい。そして私がその一番の理解者で味方でありたかった。
「果穂の中、あったかい。ずっと包まれていたい」
恍惚とした表情が私を見下ろした。瞳に浮かぶ欲情の色が私を喜ばせる。甘く掠れた声が脳裏を揺さぶって胎内から伝わる愉悦に身体を震わせた。
「…果穂、すきだよ。俺は果穂がいればなにもいらない」
苦しげに眉を寄せながらそれでも彼はふと表情を和らげた。抽送をやめピッタリとくっついた局部から逞しく男らしい肌の感触が伝わってくる。
視線からこぼれ落ちてくる想いが優しくて目頭が熱くなる。胸の奥がぎゅーーっと掴まれて彼の首を抱く腕に力がこもった。
「…柾哉さんの傍にいます」
「うん、いて」
耳元をくすぐる湿った声。耳朶をなぞる唇がくすぐったくて首をすくめた。僅かに顔を傾ければ愛しい視線が覗き込んでいる。
「一生俺を振り回して」
出逢ってまだ一年も経っていない。付き合ってやっと二か月経つぐらいだ。それでももう「彼しかいない」と思うのはなにも不思議じゃなかった。
好きで、好きで、好きで。
毎日彼を想って生活している。
携帯のメッセージを読み返すたびにニヤけて、写真を見て思い出して切なくなる。
だけどその分逢えた時はとても嬉しくて。
帰ることが寂しくて、いつも離れがたかった。
それが例え一過性のものだったとしても。
私は絶対後悔なんてしない。
「しぬまで俺の傍で笑ってて」
「…はい」
「果穂が笑ってくれるなら、俺はなんでもできる気がする」
柾哉さんの言葉に小さく笑う。
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