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2章
11 学園の思い出①
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レイヴンがジェーンと繋がりを持ったのは、王立学園に入学してからだ。
貴族の子どもたちは16歳になる年に王立学園に入学する。
必ず入学しなければならないわけではなく、家で家庭教師に習う者もいるが、この年は王太子のレイヴンが入学するということで、入学希望者が多かった。
皆、将来の為にレイヴンやアリシアとの繋がりを期待しているのだ。
レイヴンとアリシアは入学前に一般教養の学習は終えているが、この学園には特徴がある。
政治・経済・文学・芸術など、あらゆるジャンルで討論をする授業があるのだ。
自分の考えを言葉にし、聞く人に伝わるように論じる。
相手を論破することが目的ではなく、自分の考えを相手に伝える力を身につけ、相手の考えを受け入れる力を身につける。
相手の考えを聞いた後は自身の論を再考し、相手の考えの中から取り入れられる部分があれば取り入れる。
相手の考えがまったく違うと思った時は、なぜそう思うのかを論じればいい。
相反する相手の論を受け入れず、強硬に論破しようとする者、相手の論を全て取り入れて自身の論を捨てる者。
入学した当初はそんな者も少なくないが、3年かけて討論する力を身につけるのだ。
自身の考えを言葉にして伝えること、相手の考えを取り入れることができること。
それは政治の世界で重要な力となる。
貴族院を目指す者はこの授業に力を入れていた。
成績順でクラスが決まるこの学園で同じクラスになったのが、レイヴンとアリシア、ジェーン、そしてマルセル・コリンズだ。
この頃、ジェーンの立ち居振る舞いは、侯爵令嬢としてあまり良質とは言えないものの、以前より改善されていた。頻繁に躓いたり物を落としたりすることも無くなっている。
それでもレイヴンは、かつての姿を強く覚えていた為、ジェーンが同じクラスだということに驚いた。
教養レベルが低いのだと勝手に思っていたのだ。
その考えは討論の授業が始まった時に一変した。
レイヴンやアリシアはこれまで王宮での授業で人との討論もある程度は経験している。
その2人と同じレベルで初めから討論ができたのは、Aクラスでもジェーンとマルセルだけだった。
学園の目的としては多くの相手と討論し、色々な考えを取り入れていくことなのだが、回数を重ねていくうちにどうしても同じレベルの相手と組むことが多くなる。
その結果、レイヴン、アリシア、ジェーン、マルセルの4人が1つの組のように扱わえるようになり、4人の中で相手を入れ替えての討論会になることが増えていく。
気がつけば、授業以外の時にも4人で過ごすことが多くなっていた。
レイヴンが考えていたのは、アリシアの傍にいたいということだけだ。
アリシアの傍にはいつもこの2人がいた。
だから結果的に4人で過ごすことになったのだ。
一年生の頃は良かった。
婚約者らしい会話や触れ合いはなかったが、毎日アリシアに会うことができて、話をすることができる。
笑い声をーー笑い合うのはジェーンとだけだがーー聞くことができる。
それが嬉しくて、この時間を失いたくないと強く思っていた。
貴族の子どもたちは16歳になる年に王立学園に入学する。
必ず入学しなければならないわけではなく、家で家庭教師に習う者もいるが、この年は王太子のレイヴンが入学するということで、入学希望者が多かった。
皆、将来の為にレイヴンやアリシアとの繋がりを期待しているのだ。
レイヴンとアリシアは入学前に一般教養の学習は終えているが、この学園には特徴がある。
政治・経済・文学・芸術など、あらゆるジャンルで討論をする授業があるのだ。
自分の考えを言葉にし、聞く人に伝わるように論じる。
相手を論破することが目的ではなく、自分の考えを相手に伝える力を身につけ、相手の考えを受け入れる力を身につける。
相手の考えを聞いた後は自身の論を再考し、相手の考えの中から取り入れられる部分があれば取り入れる。
相手の考えがまったく違うと思った時は、なぜそう思うのかを論じればいい。
相反する相手の論を受け入れず、強硬に論破しようとする者、相手の論を全て取り入れて自身の論を捨てる者。
入学した当初はそんな者も少なくないが、3年かけて討論する力を身につけるのだ。
自身の考えを言葉にして伝えること、相手の考えを取り入れることができること。
それは政治の世界で重要な力となる。
貴族院を目指す者はこの授業に力を入れていた。
成績順でクラスが決まるこの学園で同じクラスになったのが、レイヴンとアリシア、ジェーン、そしてマルセル・コリンズだ。
この頃、ジェーンの立ち居振る舞いは、侯爵令嬢としてあまり良質とは言えないものの、以前より改善されていた。頻繁に躓いたり物を落としたりすることも無くなっている。
それでもレイヴンは、かつての姿を強く覚えていた為、ジェーンが同じクラスだということに驚いた。
教養レベルが低いのだと勝手に思っていたのだ。
その考えは討論の授業が始まった時に一変した。
レイヴンやアリシアはこれまで王宮での授業で人との討論もある程度は経験している。
その2人と同じレベルで初めから討論ができたのは、Aクラスでもジェーンとマルセルだけだった。
学園の目的としては多くの相手と討論し、色々な考えを取り入れていくことなのだが、回数を重ねていくうちにどうしても同じレベルの相手と組むことが多くなる。
その結果、レイヴン、アリシア、ジェーン、マルセルの4人が1つの組のように扱わえるようになり、4人の中で相手を入れ替えての討論会になることが増えていく。
気がつけば、授業以外の時にも4人で過ごすことが多くなっていた。
レイヴンが考えていたのは、アリシアの傍にいたいということだけだ。
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だから結果的に4人で過ごすことになったのだ。
一年生の頃は良かった。
婚約者らしい会話や触れ合いはなかったが、毎日アリシアに会うことができて、話をすることができる。
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それが嬉しくて、この時間を失いたくないと強く思っていた。
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