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1章 ~現在 王宮にて~
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傍若無人に振る舞うミーシャだったが、凍りついた場の雰囲気に気がついたようだ。
落ち着かない様子で左右を見渡し、開き直ったように「何よ、本当のことじゃない!」と吐き捨てる。
これまでミーシャの無礼な振る舞いにも黙認していた国王だったが、流石にこれは見過ごせなかったようだ。
「言葉を慎め、男爵令嬢よ。そなたの発言は認めておらん」
国王は決して言葉を荒げたわけではなかった。
だけどその言葉からは怒りがひしひしと伝わってくる。
「それにエドワードは殿下の称号を許されている。男爵令嬢ごときが軽々しく呼んで良い相手ではない」
「……っ!」
第二王子エドワード。
薔薇の宮で王妃の愛情を一身に浴びて育つギデオンの異母弟である。
だけどこの王子に王位継承権は認められていない。
それは王子が国王の子ではないからだ。
勿論王妃の不義で生まれた子ではない。
エドワードの本当の父親はエリザベートの兄、リチャードである。
――国王と王妃は、婚約が結ばれたその時からそれは仲睦まじかったという。
王太子であるカールとダシェンボード公爵令嬢であるエリザベートの婚約は当然ながら政略的な理由で結ばれた。
だが2人は一目会ったその時から惹かれ合っていたという。
互いに想い合い、慈しみ合って育った2人は、一度の揉め事もなく結ばれた。
学園在学中にエリザベートが病に倒れた時期もあったが、「婚約者を変えるべきでは」という周囲の言葉も、エリザベートを想うカール強い気持ちの前では意味を成さなかった。
だけどそんな2人にもどうにもできないことがあった。
それがお世継ぎ問題である。
婚姻を結んだ後も仲睦まじい2人だったが、10年経っても子ができない。
世継ぎを求める声は日に日に強くなっていく。その声をいつまでも無視し続けることはできなかった。
仕方なく、渋々でなあるが、カールは側妃を受け入れた。
それがルイザである。
側妃を迎えることは王族の義務としてエリザベートも理解していた。
だけど心はついてこなかったようだ。
国王が側妃を迎えてからエリザベートは度々寝込むようになる。
そしてルイザが子を、ギデオンを、生んだことで遂に心の均衡を失ってしまったという。
エリザベートを溺愛するカールは嘆き悲しんだ。
そしてエリザベートを何とか慰めようと、子沢山になっていたリチャードに頼み込んで生まれたばかりの赤子を養子に貰い受けたのだ。
ダシェンボード公爵家も臣籍へ降った王子が興した家だ。王家の血を引いている。
だけど既に数代を経ているので王家の血は薄まってしまった。
だから子を養子に迎えても王位継承権は与えられない。
公爵家も合意の上の取り決めだった。
それがシェリルの世代が教えられている顛末である。
落ち着かない様子で左右を見渡し、開き直ったように「何よ、本当のことじゃない!」と吐き捨てる。
これまでミーシャの無礼な振る舞いにも黙認していた国王だったが、流石にこれは見過ごせなかったようだ。
「言葉を慎め、男爵令嬢よ。そなたの発言は認めておらん」
国王は決して言葉を荒げたわけではなかった。
だけどその言葉からは怒りがひしひしと伝わってくる。
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「……っ!」
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それは王子が国王の子ではないからだ。
勿論王妃の不義で生まれた子ではない。
エドワードの本当の父親はエリザベートの兄、リチャードである。
――国王と王妃は、婚約が結ばれたその時からそれは仲睦まじかったという。
王太子であるカールとダシェンボード公爵令嬢であるエリザベートの婚約は当然ながら政略的な理由で結ばれた。
だが2人は一目会ったその時から惹かれ合っていたという。
互いに想い合い、慈しみ合って育った2人は、一度の揉め事もなく結ばれた。
学園在学中にエリザベートが病に倒れた時期もあったが、「婚約者を変えるべきでは」という周囲の言葉も、エリザベートを想うカール強い気持ちの前では意味を成さなかった。
だけどそんな2人にもどうにもできないことがあった。
それがお世継ぎ問題である。
婚姻を結んだ後も仲睦まじい2人だったが、10年経っても子ができない。
世継ぎを求める声は日に日に強くなっていく。その声をいつまでも無視し続けることはできなかった。
仕方なく、渋々でなあるが、カールは側妃を受け入れた。
それがルイザである。
側妃を迎えることは王族の義務としてエリザベートも理解していた。
だけど心はついてこなかったようだ。
国王が側妃を迎えてからエリザベートは度々寝込むようになる。
そしてルイザが子を、ギデオンを、生んだことで遂に心の均衡を失ってしまったという。
エリザベートを溺愛するカールは嘆き悲しんだ。
そしてエリザベートを何とか慰めようと、子沢山になっていたリチャードに頼み込んで生まれたばかりの赤子を養子に貰い受けたのだ。
ダシェンボード公爵家も臣籍へ降った王子が興した家だ。王家の血を引いている。
だけど既に数代を経ているので王家の血は薄まってしまった。
だから子を養子に迎えても王位継承権は与えられない。
公爵家も合意の上の取り決めだった。
それがシェリルの世代が教えられている顛末である。
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