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100※現パロ(本編とは関係ありません)
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100話記念 現パロ
小学2年の頃、両親を事故で亡くし、引き取り手も居なかった僕を拾ってくれたのが鷹見さんだった。両親を亡くしたことに加え、誰にも気にかけられることもなかった僕は感情を表に出さない子供になっていた。それをたまたま見つけてくれた鷹見さんが引き取ってくれることになった。
「こんにちは。俺は鷹見って言うんだが、お前は?」
「……」
「……」
「……黒曜」
「黒曜か。よろしくな。…今の状況について言うのは黒曜には酷なことだと思う。けどな、お前に選んで欲しいんだ。施設に入るか、俺のところに来るか。」
「…」
「俺のところに来れば少なくとも、黒曜を一人にはしない。どうしたい?お前が答えを出すまで、ずっと待つ。俺のところに来るのなら、俺の手を取るでも、名前を呼ぶでもいい。何かしらで教えてくれ。」
「…」
声を出そうとすると、押し込めたはずの心の悲鳴や嗚咽が漏れ出そうになる。僕は…一人だ。守ってくれる人も愛してくれる人ももう居ない。居なくなってしまった。その事が理解できてしまう程度には、僕は賢くなっていた。鷹見のところに行けば、一人じゃなくなるの?
両親が死んでから、こんなふうに僕のことをしっかりと見てくれた人は居なかった。信じて…いいの?いつまでも決断を下さない僕を前に、鷹見がやがて立ち上がり、背を向けてしまいそうになる。嫌だ。嫌だよ…一人にしないで。伸ばした僕の小さな手は、鷹見の暖かくて大きな手で包まれる。
「うちに来るんだな?」
「…」
コクリと頷くことで返事をする。それを見て取った鷹見が僕の手を引いて歩き始める。そのまま鷹見の家に連れてこられた。引き取る手続きをしている間もうすでに鷹見の家で暮らしていた。あっという間に鷹見の家の子になる為の準備が整えられた。親戚だって厄介払いを出来て喜んでいたからね。
引き取られた当初の僕はそれはそれは扱いにくい子供だったと思う。鷹見さんにだって当たったし、嫌なことだってきっと沢山した。それでも見捨てることなく、ただひたすらに側にいてくれた。何をするでもないけれど、確かに一人ではないんだと段々と実感できるようになった。
鷹見さんが居なければ今でも廃人の様に生きていただろう。それほどあの時の僕の状態は酷いものだった。鷹見さんとの暮らしは決して裕福では無かったけれど、それでも楽しかった。
鷹見さんはいつだって僕のことを優先してくれて、仕事を休んででも学校の授業参観や卒業式、入学式には駆けつけてくれたし、自分の食費を削ってでも僕にお小遣いを渡してくれた。
中学に上がって、ある程度のことは出来るようになっていたし、家事は僕が担当していた。
「鷹見さん!おかえりなさい。」
「おう、ただいま。いい匂いするな、飯作ってくれたのか?」
「うん、今日はシチューにしたよ。」
「シチューか。寒いし丁度いいな。」
「うん、お風呂も準備済んでるよ」
「完璧じゃねぇか!流石だな黒曜」
「んふふ、鷹見さんの為だからね。先に食べる?」
「おう、匂い嗅いだらすげぇ腹減った。」
「うん、準備しておくから着替えて来ていいよ。」
「ありがとな。」
そう言って僕の頭をぽんと撫でていく。とても温かい気持ちになって、自然と口角があがる。さて、戻ってくるまでにご飯机に運ばないとね。鷹見さんにしっかりと食べさせたくて始めた料理だったが、やってみれば楽しくてのめり込んでしまった。
「美味そうだな。」
「うん、自信作だよ。」
「そんじゃあ早速いただきます。」
「どうぞ、僕もいただきます。」
「はふっ…旨っ」
「えへへ、良かった!」
「ところで…黒曜に聞きたいことがある。」
「ん?うん、なにかな?」
「お前…母親欲しいか?」
「…は?」
「いやな、最近見合い話があってだな?」
見合い話…?
「鷹見さんが結婚するってこと?」
「まぁ、そうだな。」
「嫌だ…そんなの嫌だよ。」
「そうか、分かった。あ、気にしなくていいからな?元から断ろうと思ってたからよ。」
「そうなんだ。良かった。」
鷹見さんの話に心がざわつく。ずっと一緒に居てくれるんでしょう?鷹見さんが誰かに取られるとか…耐えられない。誰にも渡したくない。僕だけの特権でしょう?やっと自覚した歪んだ恋心。
鷹見さんは、いつだって僕に甘い。僕がねだれば、なんとかならないかな?流石にそこまで甘くないか。でも…逃げられないように、僕だけを見ていてくれる様にしたい。出来るだけ早いうちから手を打ったほうがいい。
取り敢えず今やっている家事は続けよう。僕がいないと生活できないくらいに、僕に甘えて頼ってくれればいい。ふふっまだ鷹見さんに気持ちを知られるには早いよね。けど必ず手に入れる。
高校にあがって、体格も鷹見さんよりも良くなった。そして押しに弱い、というか僕に弱い鷹見さんを押し倒した。ようやく鷹見さんを抱くことが出来た。
「はっ…はっ…黒曜…」
「ん…はぁ…。鷹見さん…ちゃんと気持ち良かったでしょう?僕鷹見さんの為に沢山勉強したんだよ。」
「べ、勉強って…お前…そんな爛れた性活してたのか?」
「え?ううん、ネットとかで沢山見たり調べたりしたってことだよ。僕の初めては鷹見さんだよ。」
「そ…そうか…。ってお前!こんなおっさん抱いて何が楽しいってんだ…」
僕の初めてが鷹見さんだって言ったとき、少し嬉しそうだった。顔を背けられてしまったけど、耳が赤くなっているのがわかる。可愛い人だなぁ。
「言ったでしょう、好きだって」
「本気なのか…?」
「もちろん。今日の為に…こうして鷹見さんを手に入れる為に頑張ったんだよ?家事とか色々。」
「ん?どういう意味だ?」
「ふふっ鷹見さんが僕無しで居られなくなるように、ね?」
「うっ…確かにお前が居てくれなきゃまともに生活できないかもな…」
「でしょう?でも…そのままでいてくれていいからね。ずっと僕が鷹見さんの側にいるから。大好きだよ鷹見さん。」
「まぁ…末永くよろしく頼む…黒曜。俺も…愛してるからな。」
小学2年の頃、両親を事故で亡くし、引き取り手も居なかった僕を拾ってくれたのが鷹見さんだった。両親を亡くしたことに加え、誰にも気にかけられることもなかった僕は感情を表に出さない子供になっていた。それをたまたま見つけてくれた鷹見さんが引き取ってくれることになった。
「こんにちは。俺は鷹見って言うんだが、お前は?」
「……」
「……」
「……黒曜」
「黒曜か。よろしくな。…今の状況について言うのは黒曜には酷なことだと思う。けどな、お前に選んで欲しいんだ。施設に入るか、俺のところに来るか。」
「…」
「俺のところに来れば少なくとも、黒曜を一人にはしない。どうしたい?お前が答えを出すまで、ずっと待つ。俺のところに来るのなら、俺の手を取るでも、名前を呼ぶでもいい。何かしらで教えてくれ。」
「…」
声を出そうとすると、押し込めたはずの心の悲鳴や嗚咽が漏れ出そうになる。僕は…一人だ。守ってくれる人も愛してくれる人ももう居ない。居なくなってしまった。その事が理解できてしまう程度には、僕は賢くなっていた。鷹見のところに行けば、一人じゃなくなるの?
両親が死んでから、こんなふうに僕のことをしっかりと見てくれた人は居なかった。信じて…いいの?いつまでも決断を下さない僕を前に、鷹見がやがて立ち上がり、背を向けてしまいそうになる。嫌だ。嫌だよ…一人にしないで。伸ばした僕の小さな手は、鷹見の暖かくて大きな手で包まれる。
「うちに来るんだな?」
「…」
コクリと頷くことで返事をする。それを見て取った鷹見が僕の手を引いて歩き始める。そのまま鷹見の家に連れてこられた。引き取る手続きをしている間もうすでに鷹見の家で暮らしていた。あっという間に鷹見の家の子になる為の準備が整えられた。親戚だって厄介払いを出来て喜んでいたからね。
引き取られた当初の僕はそれはそれは扱いにくい子供だったと思う。鷹見さんにだって当たったし、嫌なことだってきっと沢山した。それでも見捨てることなく、ただひたすらに側にいてくれた。何をするでもないけれど、確かに一人ではないんだと段々と実感できるようになった。
鷹見さんが居なければ今でも廃人の様に生きていただろう。それほどあの時の僕の状態は酷いものだった。鷹見さんとの暮らしは決して裕福では無かったけれど、それでも楽しかった。
鷹見さんはいつだって僕のことを優先してくれて、仕事を休んででも学校の授業参観や卒業式、入学式には駆けつけてくれたし、自分の食費を削ってでも僕にお小遣いを渡してくれた。
中学に上がって、ある程度のことは出来るようになっていたし、家事は僕が担当していた。
「鷹見さん!おかえりなさい。」
「おう、ただいま。いい匂いするな、飯作ってくれたのか?」
「うん、今日はシチューにしたよ。」
「シチューか。寒いし丁度いいな。」
「うん、お風呂も準備済んでるよ」
「完璧じゃねぇか!流石だな黒曜」
「んふふ、鷹見さんの為だからね。先に食べる?」
「おう、匂い嗅いだらすげぇ腹減った。」
「うん、準備しておくから着替えて来ていいよ。」
「ありがとな。」
そう言って僕の頭をぽんと撫でていく。とても温かい気持ちになって、自然と口角があがる。さて、戻ってくるまでにご飯机に運ばないとね。鷹見さんにしっかりと食べさせたくて始めた料理だったが、やってみれば楽しくてのめり込んでしまった。
「美味そうだな。」
「うん、自信作だよ。」
「そんじゃあ早速いただきます。」
「どうぞ、僕もいただきます。」
「はふっ…旨っ」
「えへへ、良かった!」
「ところで…黒曜に聞きたいことがある。」
「ん?うん、なにかな?」
「お前…母親欲しいか?」
「…は?」
「いやな、最近見合い話があってだな?」
見合い話…?
「鷹見さんが結婚するってこと?」
「まぁ、そうだな。」
「嫌だ…そんなの嫌だよ。」
「そうか、分かった。あ、気にしなくていいからな?元から断ろうと思ってたからよ。」
「そうなんだ。良かった。」
鷹見さんの話に心がざわつく。ずっと一緒に居てくれるんでしょう?鷹見さんが誰かに取られるとか…耐えられない。誰にも渡したくない。僕だけの特権でしょう?やっと自覚した歪んだ恋心。
鷹見さんは、いつだって僕に甘い。僕がねだれば、なんとかならないかな?流石にそこまで甘くないか。でも…逃げられないように、僕だけを見ていてくれる様にしたい。出来るだけ早いうちから手を打ったほうがいい。
取り敢えず今やっている家事は続けよう。僕がいないと生活できないくらいに、僕に甘えて頼ってくれればいい。ふふっまだ鷹見さんに気持ちを知られるには早いよね。けど必ず手に入れる。
高校にあがって、体格も鷹見さんよりも良くなった。そして押しに弱い、というか僕に弱い鷹見さんを押し倒した。ようやく鷹見さんを抱くことが出来た。
「はっ…はっ…黒曜…」
「ん…はぁ…。鷹見さん…ちゃんと気持ち良かったでしょう?僕鷹見さんの為に沢山勉強したんだよ。」
「べ、勉強って…お前…そんな爛れた性活してたのか?」
「え?ううん、ネットとかで沢山見たり調べたりしたってことだよ。僕の初めては鷹見さんだよ。」
「そ…そうか…。ってお前!こんなおっさん抱いて何が楽しいってんだ…」
僕の初めてが鷹見さんだって言ったとき、少し嬉しそうだった。顔を背けられてしまったけど、耳が赤くなっているのがわかる。可愛い人だなぁ。
「言ったでしょう、好きだって」
「本気なのか…?」
「もちろん。今日の為に…こうして鷹見さんを手に入れる為に頑張ったんだよ?家事とか色々。」
「ん?どういう意味だ?」
「ふふっ鷹見さんが僕無しで居られなくなるように、ね?」
「うっ…確かにお前が居てくれなきゃまともに生活できないかもな…」
「でしょう?でも…そのままでいてくれていいからね。ずっと僕が鷹見さんの側にいるから。大好きだよ鷹見さん。」
「まぁ…末永くよろしく頼む…黒曜。俺も…愛してるからな。」
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