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エッチなお姉さんは年下彼氏を襲いたい(襲います)
会いたい。ゆーくんに会いたい。
夜勤明けで重く怠い身体。まだ若い頃は平気だったけれど、三十路目前となった今では電池切れ寸前だ。けれど、けれど。
けれどゆーくんに会いたい。会いたいというより、正確に言えばエッチなことがしたいのだ。付き合っていることは隠しているというのに、私達を職場で会わせないぞ、という強い意思を持ったかのようなシフトのせいでもう五日も会えていない。セックスなんて二週間近くご無沙汰。一人でするのもいいけれど、私はゆーくんに会って、その身体を抱きしめて、キスをたくさんしたかった。
車を走らせ彼のアパートへ向かう。三階建ての外階段を上りきれば、もう間もなく彼に会える。きっと今日はお休みだから前日の夜にお酒をたくさん飲んで、まだ眠っているに違いない。
合鍵を使い解錠。1Kの狭い部屋なので、靴を脱ぎキッチンを抜けるとすぐにベッドの置かれた乱雑とした部屋。狭いくせして「掃除が面倒」なんて言って購入したロボット掃除機物に躓きそうになりながらも、ベッドへと到着した。
「ゆーくんっ」
「…………」
「ゆーくんっ!」
死体のようにうつ伏せて眠る姿に、初めの頃は驚いたものだ。上下グレーのスウェット姿のゆーくんは枕に突っ伏し、器用に鼻と口を僅かに覗かせていた。開くとちょっぴり鋭い目元に顔を寄せると浅い呼吸音。このきつい目元は同僚達からは不評だけれど、私は大好きなのだ。
額にキスをすることも叶わないので、頬をつついてやるがびくともしない。
「全く……」
部屋の中央辺りに置かれたローテーブルにはお酒の缶や瓶、空になったグラスが散乱している。開きっぱなしのノートパソコンのキーボードの上には食べかけのチータラの袋。一つ摘まんでモグモグと口を動かしながら風呂場に向かいシャワーを浴びた。メイクは落とさず髪と身体を洗い、ドライヤーまで使ったというのにゆーくんは未だ目覚めない。一体何時に眠ったのだろう。起こして聞いたところでどうせ酔って覚えていないだろう。
「ゆーくん、起きて」
「んん…………」
肩を揺り起こすが目覚めず。身長は私より十五センチも高いけれど、スリムで筋肉質な彼の身体はそう重くない。肩を掴み上半身を仰向けに捻り、勢いそのまま腰から下もくるっと回転させると、元気な下半身が眼下に現れた。
「よいしょ……と」
「ん……ぅ」
「はあ……ゆーくんの寝顔、可愛いね」
「ん……みらい?」
「起きた?」
「んーん……」
やっと露になった額に唇を落とす。頬を撫でて唇に吸い付くと、布団を抱きしめて彼はそっぽを向いてしまった。
「……何ですかいきなり……やめてくれません?」
「なんで口調が仕事モードだよ! 起きてるじゃん」
「……おはよ。なに、なんでいるの?」
「ひどっ! そういうこと言う?」
寝覚めのよい股間に跨がり腰を下ろせば、小さく彼が唸る。ねだるように何度もキスを交わし抱きついているというのに、彼はなかなかその気にならないようで。
「エッチしよーよ」
「えぇ……眠い」
「寝てたじゃん。私夜勤明けだよ?」
「じゃあみらいも一緒に寝よ。エッチはそのあと」
「やだ~。そう言っていつも寝てるじゃん」
「俺は性欲より睡眠欲のほうが強いから」
「睡眠欲より飲酒欲でしょ」
「そんなものはない」
「ああ言えばこう言う。ほんっと可愛くないっ」
「さっき、寝顔可愛い~! とか言ってませんでしたっけ?」
「裏声可愛いけど仕事モードやめてよぉ」
同じ職場で同じ部署。口うるさいお局様もいることから、私達が交際していることは内緒であった。私の方が五つ年が上なので、一応職場で彼は私に敬語を使い「積木さん」と呼んでいる。私も「ゆーくん」とは呼ばず「川野君」と呼んでいる。
「だって明日シフト被るし。勤務中にみらいって呼ばないための予行練習」
「とか言って、からかってるだけでしょ」
「バレました?」
「バレバレ」
言いながら私の髪を撫でてくれる。甘えるように首筋に顔を寄せ、彼の香りをすん、と吸い込む。柔軟剤とボディソープ、それから彼の身体が放つ香り。体臭の弱い彼の身体はこの距離にならないと匂いがしないので、匂いフェチな私としては困ってしまう。
「はぁ~……眠い」
「ねーえー!」
「大きい声出さないでよ」
「エッチしようよ~」
「わかったわかった。じゃあみらいが俺をその気にさせることが出来たらいいよ」
「その上からな感じ、ほんっと腹立つ」
「ははっ」
このまま帰ってやろうかと思うほどイラッとしたけれど、こんなところで引き返すわけにはいかない。ゆーくんは性欲が強めなくせに、時々こうやって私のことを苛めるのだ。ほんっっっっとうに意地の悪いガキだと腹の立つこともあるけれど、それでもお互い好きになってしまったのだからどうしようもない。
「ふん! じゃあ脱がすからね!」
「好きなだけ励んで下さ~い……って、寒っ!」
「すぐ温まります~」
スウェットのズボンを引き下げ、下着の上から陰嚢をそろりと揉む。がちがちな陰茎とは対照的にやわやわとした袋に鼻をくっつけ、すんすんと香りを吸い込む。嫌がる素振りも見せない余裕綽々な顔を見ると意地でも啼かせたくなってしまう。
彼を見上げながら下着を剥ぎ取ると、勃起状態の陰茎がびんっと顔を覗かせた。指先で触れ優しく扱くと、彼の腰がぴくりと跳ねあがった。
「どうしたの、気持ち良い?」
「気持ち良いよ、もっと触って」
「んッ……」
「あ……あ……みらい、ちょっ……」
先端を咥え括れを甘噛みすると、彼が情けない声を上げた。普段は絶対に見せないその態度に、優越感が沸いてくる。もっと苛めたくなってしまう。
「んッ……ん……どーお?」
「い……ぃ、すごくいいよ……ぅ、あ……」
「その気になってきた?」
「うん……」
「早いねえ。駄目、もっと苛めるんだから」
自分の衣服を脱ぎ去り、彼の隣にごろんと寝転ぶ。「ほらほら」と彼を急かして側位の形を取らせる──背面は私だけれど。スウェットの背中側をまくりあげ、そこにぴったりと身を寄せた。胸を押し当て腰に手を這わし、性器に手を伸ばす。
「あ……ぁ……みらっ……ぃ、ちょっと……」
「なーに?」
「ゆっくり……ゆっくりしたら……あ゛……う……」
「ゆっくり、駄目?」
竿の部分を強く握りしめ、ぬち、ぬちっと上下に手を這わす。先端から垂れ伝う先走りが指先にまとわり付き、厭らしい音を立てる。
「だめ……だめッ……出るッ……出るから、ぁ、あ、あ゛……」
「じゃあ、早いのは?」
滑りけの増した陰茎を、今度は優しく握りしめ高速で扱く。彼の腰から下がガクガクと震え出すので、両足で挟み込み背中に舌を這わせた。
「あッあッあッあッ……あぁッ……あ、やめ゛ッ……!」
「ふふ、ゆーくん、かわいいなあ~」
「み゛……みらい、ちょ……マジで……おまッ……う……ああぁぁヤバい、ヤバいッ……イク……!」
「それは駄目」
手を離し、彼の前方に回り込む。何度か唇を吸い込むと、鎖骨から下へ下へと舌を這わせながら性器へと辿り着く。
「ゆーくん、ゆーくん」
「ッ……ハァッ……ハァッ……何?」
「ちんちん、ぱんっぱん!」
「誰のせいで……って、おい、みらいッ……!」
「なーに?」
ぱくん、と先端を咥え、そのまま激しく吸い込むようなフェラを施すと、彼の下半身の震えが一層激しくなった。腰を振りたくて仕方がないのかな、なんて妄想に耽りながら何度も何度も吸い付いた。時折歯を立て括れの部分をゆっくりと甘噛めば、泣き出しそうな彼の声が空間を支配する。
「あぅ、あぅぅうッ……そこッやめて…………ああッ……ああッ……」
「イッちゃ駄目だよ」
「おまッ……ヤバいッ……ほんと、ヤバいから……!」
「手と口だけでイッちゃうの? かわいいなあ」
「うっせぇ……!」
むくりと起き上がった彼は着たままだったスウェットを脱ぎ、床に投げ捨てる。ベッドサイドに箱ごと置かれたままのコンドームに手を伸ばし手早く封を切ると、それすら床に投げ捨ててしまった。ピンク色のコンドームを装置し終えた彼の目付きはぎらつき、攻撃的な男──というよりも、雄のようであった。爛々と光るその瞳に私は恐怖し、一瞬背がぶるりと震えた。動けない──。
「痛ッ……うッ……ゆーく……」
「覚悟してよ?」
「痛いッ、肩……痛ッ……んッ……あッ……」
「ッ……はぁ……はいったあ……」
がっちりと掴まれていた肩からようやく彼の手が離れ、その手は胸へと伸びる。好き放題揉み回され、吸い付かれ、お返しと言わんばかりに鎖骨の下に激しく吸い付かれた。
「みらいッ……痕、つけるよ」
「えッ……見えない、とこにして……」
「どうしよっかな」
「ひぐッ……う、あッ……!」
ぺろりと舐められた乳首は甘噛みされ、快感に私が啼くと乳房のすぐ傍にまたしても彼が激しく吸い付く。嫌がる素振りを見せる度に膣を激しく突かれ、抵抗出来なくなってしまう。
「あ、あ、あ、あぁッ……ゆーくんッ……気持ちい……」
「気持ちいいでしょ?」
「うん……うん……」
「素直で良い子。みらい、大好き」
「だいすき……だいすきッ……ゆーくん……」
激しくするよ、の一声と共に彼は体位を変える。私が側位で達するまで何度も何度も犯されて、ふらふらな状態から今度は後ろから激しく突かれる。
「後ろで……出すの?」
「嫌?」
「ゆーくんのイク顔、見えないじゃん」
「ああ」
「ああって、ちょ……ちょっとゆーくんッ!」
素肌同士がぱんぱんとぶつかり合う音が次第に大きくなる。普段の低い声ではなく、気持ち良い時にだけ出す彼の高めの喘ぎ声だけでとろとろに溶けてしまいそうになる。
「や……あああッ……イク……イク……イッちゃう……う、うッ……!!」
「みらい、イッたー?」
「うッ……う……」
「びくんってなったね」
「気持ち……良いんだもん……」
「まだまだ、もっと……」
更に強く、激しく腰を打ち付けられ、体勢を保っておくことが出来なくなる。肘はがくりと折れ、枕に突っ伏してしまう。
「みーらーいー?」
「はぁッ……はぁッ……ゆーくん、すっごい元気……」
「俺、鍛えてますから」
「またその口調……」
「転がってもらえます? 正面で犯して、中に出すので」
「う……あ……ッ、ッ!」
無理矢理足を全開にされ、ズブッと押し込まれる性器に腰が跳ね上がる。これでもかというほど溢れだした愛液で至るところがひんやりと冷たく、ベタつき不快だというのに、正面の彼の鍛えられた肉体と必死な顔しか目に入らなくて。
「ゆーくん……ゆーくん……イキそう?」
「うん、なんで……?」
「もう出る~って、顔してる」
「なんだそれ」
「可愛い顔……かっこいいの……」
「はあ? どっち? まあいいや……そろそろ、出すよ」
次第に歪み出す、整った彼の顔。さっきまであんなに余裕たっぷりで笑っていた顔が、徐々に崩れてゆく。眉根を寄せて固く目を閉じ、半開きの口からは浅く早い息と半泣きの声が零れ落ちる。
「ぁッ……あ…………ああッ……!」
「はあッ……はぁッ……イッて……イッて……」
「あ…………ああイクッ…………ん、うぁッ……!!」
がくりと折れた片肘に頬を寄せ口づける。浮き出した筋肉にそっと触れながら反対側の手で頭を撫でてあげると、ふわりとキスをしてくれた。
「そういえば江本さんにまた言い寄られたんだよね」
「はあ~? また?! 鬱陶しい女!」
あれから少し眠って、多分そろそろ正午。裸のまま抱き合って布団にくるまったまま、会えなかった間の時間を埋める。
「ゆーくん、なんだかんだでモテてるの嫉妬!」
「そんなモテてないけど」
「いーや! もう、他の女が寄ってくるの嫌。言い寄られないようにさっさと結婚しようよ」
「結婚しても言い寄ってくる人はいると思うけどな」
「ああ言えばこう言うよね、ほんと!」
身体も心も──他の全てを愛してるけれど、彼のこういうところは嫌いで、すぐに私を論破しようとする。彼に私と結婚する気があるのかないのか、付き合って何年経ってもわからないままなのだ。
──それなら、試してみればいい?
──言い寄られないために私のものにしてしまえばいい?
「みらい、大きい声出さないでよ。またお隣さんに壁蹴られるよ」
「お隣さんもエッチ激しいからお互い様でしょ?」
「うん、昨夜もすごかったよ」
「思い出して浸らないでよ。私、いるんだけど?」
「わかってる。だから……駄目だ、もう我慢できない」
不意を突かれ、完全に攻められる体勢になってしまった。いつの間にか立ち上がっていた彼の性器が、何度も私の太股に擦り付けられる。
「ねーえ、ゆーくん」
「何?」
「ゴム、着けないでエッチしようって言ったらどうする?」
「生マンコ?」
「そう」
己のものを手で扱きながら、前戯もなしに挿入しようと息を荒げている彼に、特大の餌をぶら下げる。両手で頬をそっと包み込み口の端をにぃっと吊り上げれば、彼の喉がごくりと鳴った。
「温かいよ、気持ち良いよ?」
「うん……生で、したい」
「何があっても責任とってくれるならいいよ。家庭、築ける?」
「当たり前でしょ」
刹那、いつもの数倍熱を孕んだ彼のものが膣口に触れ、躊躇いもなく膣に押し込まれる。
「あ……ゆーぐ……んッ……!!」
二人して極上の快感に溺れてゆく。夢中で何度も愛し合い、明日が仕事だということも忘れ、私たちはベタベタのとろとろになるまで──夜遅くまで何度もその身を交わらせた。
夜勤明けで重く怠い身体。まだ若い頃は平気だったけれど、三十路目前となった今では電池切れ寸前だ。けれど、けれど。
けれどゆーくんに会いたい。会いたいというより、正確に言えばエッチなことがしたいのだ。付き合っていることは隠しているというのに、私達を職場で会わせないぞ、という強い意思を持ったかのようなシフトのせいでもう五日も会えていない。セックスなんて二週間近くご無沙汰。一人でするのもいいけれど、私はゆーくんに会って、その身体を抱きしめて、キスをたくさんしたかった。
車を走らせ彼のアパートへ向かう。三階建ての外階段を上りきれば、もう間もなく彼に会える。きっと今日はお休みだから前日の夜にお酒をたくさん飲んで、まだ眠っているに違いない。
合鍵を使い解錠。1Kの狭い部屋なので、靴を脱ぎキッチンを抜けるとすぐにベッドの置かれた乱雑とした部屋。狭いくせして「掃除が面倒」なんて言って購入したロボット掃除機物に躓きそうになりながらも、ベッドへと到着した。
「ゆーくんっ」
「…………」
「ゆーくんっ!」
死体のようにうつ伏せて眠る姿に、初めの頃は驚いたものだ。上下グレーのスウェット姿のゆーくんは枕に突っ伏し、器用に鼻と口を僅かに覗かせていた。開くとちょっぴり鋭い目元に顔を寄せると浅い呼吸音。このきつい目元は同僚達からは不評だけれど、私は大好きなのだ。
額にキスをすることも叶わないので、頬をつついてやるがびくともしない。
「全く……」
部屋の中央辺りに置かれたローテーブルにはお酒の缶や瓶、空になったグラスが散乱している。開きっぱなしのノートパソコンのキーボードの上には食べかけのチータラの袋。一つ摘まんでモグモグと口を動かしながら風呂場に向かいシャワーを浴びた。メイクは落とさず髪と身体を洗い、ドライヤーまで使ったというのにゆーくんは未だ目覚めない。一体何時に眠ったのだろう。起こして聞いたところでどうせ酔って覚えていないだろう。
「ゆーくん、起きて」
「んん…………」
肩を揺り起こすが目覚めず。身長は私より十五センチも高いけれど、スリムで筋肉質な彼の身体はそう重くない。肩を掴み上半身を仰向けに捻り、勢いそのまま腰から下もくるっと回転させると、元気な下半身が眼下に現れた。
「よいしょ……と」
「ん……ぅ」
「はあ……ゆーくんの寝顔、可愛いね」
「ん……みらい?」
「起きた?」
「んーん……」
やっと露になった額に唇を落とす。頬を撫でて唇に吸い付くと、布団を抱きしめて彼はそっぽを向いてしまった。
「……何ですかいきなり……やめてくれません?」
「なんで口調が仕事モードだよ! 起きてるじゃん」
「……おはよ。なに、なんでいるの?」
「ひどっ! そういうこと言う?」
寝覚めのよい股間に跨がり腰を下ろせば、小さく彼が唸る。ねだるように何度もキスを交わし抱きついているというのに、彼はなかなかその気にならないようで。
「エッチしよーよ」
「えぇ……眠い」
「寝てたじゃん。私夜勤明けだよ?」
「じゃあみらいも一緒に寝よ。エッチはそのあと」
「やだ~。そう言っていつも寝てるじゃん」
「俺は性欲より睡眠欲のほうが強いから」
「睡眠欲より飲酒欲でしょ」
「そんなものはない」
「ああ言えばこう言う。ほんっと可愛くないっ」
「さっき、寝顔可愛い~! とか言ってませんでしたっけ?」
「裏声可愛いけど仕事モードやめてよぉ」
同じ職場で同じ部署。口うるさいお局様もいることから、私達が交際していることは内緒であった。私の方が五つ年が上なので、一応職場で彼は私に敬語を使い「積木さん」と呼んでいる。私も「ゆーくん」とは呼ばず「川野君」と呼んでいる。
「だって明日シフト被るし。勤務中にみらいって呼ばないための予行練習」
「とか言って、からかってるだけでしょ」
「バレました?」
「バレバレ」
言いながら私の髪を撫でてくれる。甘えるように首筋に顔を寄せ、彼の香りをすん、と吸い込む。柔軟剤とボディソープ、それから彼の身体が放つ香り。体臭の弱い彼の身体はこの距離にならないと匂いがしないので、匂いフェチな私としては困ってしまう。
「はぁ~……眠い」
「ねーえー!」
「大きい声出さないでよ」
「エッチしようよ~」
「わかったわかった。じゃあみらいが俺をその気にさせることが出来たらいいよ」
「その上からな感じ、ほんっと腹立つ」
「ははっ」
このまま帰ってやろうかと思うほどイラッとしたけれど、こんなところで引き返すわけにはいかない。ゆーくんは性欲が強めなくせに、時々こうやって私のことを苛めるのだ。ほんっっっっとうに意地の悪いガキだと腹の立つこともあるけれど、それでもお互い好きになってしまったのだからどうしようもない。
「ふん! じゃあ脱がすからね!」
「好きなだけ励んで下さ~い……って、寒っ!」
「すぐ温まります~」
スウェットのズボンを引き下げ、下着の上から陰嚢をそろりと揉む。がちがちな陰茎とは対照的にやわやわとした袋に鼻をくっつけ、すんすんと香りを吸い込む。嫌がる素振りも見せない余裕綽々な顔を見ると意地でも啼かせたくなってしまう。
彼を見上げながら下着を剥ぎ取ると、勃起状態の陰茎がびんっと顔を覗かせた。指先で触れ優しく扱くと、彼の腰がぴくりと跳ねあがった。
「どうしたの、気持ち良い?」
「気持ち良いよ、もっと触って」
「んッ……」
「あ……あ……みらい、ちょっ……」
先端を咥え括れを甘噛みすると、彼が情けない声を上げた。普段は絶対に見せないその態度に、優越感が沸いてくる。もっと苛めたくなってしまう。
「んッ……ん……どーお?」
「い……ぃ、すごくいいよ……ぅ、あ……」
「その気になってきた?」
「うん……」
「早いねえ。駄目、もっと苛めるんだから」
自分の衣服を脱ぎ去り、彼の隣にごろんと寝転ぶ。「ほらほら」と彼を急かして側位の形を取らせる──背面は私だけれど。スウェットの背中側をまくりあげ、そこにぴったりと身を寄せた。胸を押し当て腰に手を這わし、性器に手を伸ばす。
「あ……ぁ……みらっ……ぃ、ちょっと……」
「なーに?」
「ゆっくり……ゆっくりしたら……あ゛……う……」
「ゆっくり、駄目?」
竿の部分を強く握りしめ、ぬち、ぬちっと上下に手を這わす。先端から垂れ伝う先走りが指先にまとわり付き、厭らしい音を立てる。
「だめ……だめッ……出るッ……出るから、ぁ、あ、あ゛……」
「じゃあ、早いのは?」
滑りけの増した陰茎を、今度は優しく握りしめ高速で扱く。彼の腰から下がガクガクと震え出すので、両足で挟み込み背中に舌を這わせた。
「あッあッあッあッ……あぁッ……あ、やめ゛ッ……!」
「ふふ、ゆーくん、かわいいなあ~」
「み゛……みらい、ちょ……マジで……おまッ……う……ああぁぁヤバい、ヤバいッ……イク……!」
「それは駄目」
手を離し、彼の前方に回り込む。何度か唇を吸い込むと、鎖骨から下へ下へと舌を這わせながら性器へと辿り着く。
「ゆーくん、ゆーくん」
「ッ……ハァッ……ハァッ……何?」
「ちんちん、ぱんっぱん!」
「誰のせいで……って、おい、みらいッ……!」
「なーに?」
ぱくん、と先端を咥え、そのまま激しく吸い込むようなフェラを施すと、彼の下半身の震えが一層激しくなった。腰を振りたくて仕方がないのかな、なんて妄想に耽りながら何度も何度も吸い付いた。時折歯を立て括れの部分をゆっくりと甘噛めば、泣き出しそうな彼の声が空間を支配する。
「あぅ、あぅぅうッ……そこッやめて…………ああッ……ああッ……」
「イッちゃ駄目だよ」
「おまッ……ヤバいッ……ほんと、ヤバいから……!」
「手と口だけでイッちゃうの? かわいいなあ」
「うっせぇ……!」
むくりと起き上がった彼は着たままだったスウェットを脱ぎ、床に投げ捨てる。ベッドサイドに箱ごと置かれたままのコンドームに手を伸ばし手早く封を切ると、それすら床に投げ捨ててしまった。ピンク色のコンドームを装置し終えた彼の目付きはぎらつき、攻撃的な男──というよりも、雄のようであった。爛々と光るその瞳に私は恐怖し、一瞬背がぶるりと震えた。動けない──。
「痛ッ……うッ……ゆーく……」
「覚悟してよ?」
「痛いッ、肩……痛ッ……んッ……あッ……」
「ッ……はぁ……はいったあ……」
がっちりと掴まれていた肩からようやく彼の手が離れ、その手は胸へと伸びる。好き放題揉み回され、吸い付かれ、お返しと言わんばかりに鎖骨の下に激しく吸い付かれた。
「みらいッ……痕、つけるよ」
「えッ……見えない、とこにして……」
「どうしよっかな」
「ひぐッ……う、あッ……!」
ぺろりと舐められた乳首は甘噛みされ、快感に私が啼くと乳房のすぐ傍にまたしても彼が激しく吸い付く。嫌がる素振りを見せる度に膣を激しく突かれ、抵抗出来なくなってしまう。
「あ、あ、あ、あぁッ……ゆーくんッ……気持ちい……」
「気持ちいいでしょ?」
「うん……うん……」
「素直で良い子。みらい、大好き」
「だいすき……だいすきッ……ゆーくん……」
激しくするよ、の一声と共に彼は体位を変える。私が側位で達するまで何度も何度も犯されて、ふらふらな状態から今度は後ろから激しく突かれる。
「後ろで……出すの?」
「嫌?」
「ゆーくんのイク顔、見えないじゃん」
「ああ」
「ああって、ちょ……ちょっとゆーくんッ!」
素肌同士がぱんぱんとぶつかり合う音が次第に大きくなる。普段の低い声ではなく、気持ち良い時にだけ出す彼の高めの喘ぎ声だけでとろとろに溶けてしまいそうになる。
「や……あああッ……イク……イク……イッちゃう……う、うッ……!!」
「みらい、イッたー?」
「うッ……う……」
「びくんってなったね」
「気持ち……良いんだもん……」
「まだまだ、もっと……」
更に強く、激しく腰を打ち付けられ、体勢を保っておくことが出来なくなる。肘はがくりと折れ、枕に突っ伏してしまう。
「みーらーいー?」
「はぁッ……はぁッ……ゆーくん、すっごい元気……」
「俺、鍛えてますから」
「またその口調……」
「転がってもらえます? 正面で犯して、中に出すので」
「う……あ……ッ、ッ!」
無理矢理足を全開にされ、ズブッと押し込まれる性器に腰が跳ね上がる。これでもかというほど溢れだした愛液で至るところがひんやりと冷たく、ベタつき不快だというのに、正面の彼の鍛えられた肉体と必死な顔しか目に入らなくて。
「ゆーくん……ゆーくん……イキそう?」
「うん、なんで……?」
「もう出る~って、顔してる」
「なんだそれ」
「可愛い顔……かっこいいの……」
「はあ? どっち? まあいいや……そろそろ、出すよ」
次第に歪み出す、整った彼の顔。さっきまであんなに余裕たっぷりで笑っていた顔が、徐々に崩れてゆく。眉根を寄せて固く目を閉じ、半開きの口からは浅く早い息と半泣きの声が零れ落ちる。
「ぁッ……あ…………ああッ……!」
「はあッ……はぁッ……イッて……イッて……」
「あ…………ああイクッ…………ん、うぁッ……!!」
がくりと折れた片肘に頬を寄せ口づける。浮き出した筋肉にそっと触れながら反対側の手で頭を撫でてあげると、ふわりとキスをしてくれた。
「そういえば江本さんにまた言い寄られたんだよね」
「はあ~? また?! 鬱陶しい女!」
あれから少し眠って、多分そろそろ正午。裸のまま抱き合って布団にくるまったまま、会えなかった間の時間を埋める。
「ゆーくん、なんだかんだでモテてるの嫉妬!」
「そんなモテてないけど」
「いーや! もう、他の女が寄ってくるの嫌。言い寄られないようにさっさと結婚しようよ」
「結婚しても言い寄ってくる人はいると思うけどな」
「ああ言えばこう言うよね、ほんと!」
身体も心も──他の全てを愛してるけれど、彼のこういうところは嫌いで、すぐに私を論破しようとする。彼に私と結婚する気があるのかないのか、付き合って何年経ってもわからないままなのだ。
──それなら、試してみればいい?
──言い寄られないために私のものにしてしまえばいい?
「みらい、大きい声出さないでよ。またお隣さんに壁蹴られるよ」
「お隣さんもエッチ激しいからお互い様でしょ?」
「うん、昨夜もすごかったよ」
「思い出して浸らないでよ。私、いるんだけど?」
「わかってる。だから……駄目だ、もう我慢できない」
不意を突かれ、完全に攻められる体勢になってしまった。いつの間にか立ち上がっていた彼の性器が、何度も私の太股に擦り付けられる。
「ねーえ、ゆーくん」
「何?」
「ゴム、着けないでエッチしようって言ったらどうする?」
「生マンコ?」
「そう」
己のものを手で扱きながら、前戯もなしに挿入しようと息を荒げている彼に、特大の餌をぶら下げる。両手で頬をそっと包み込み口の端をにぃっと吊り上げれば、彼の喉がごくりと鳴った。
「温かいよ、気持ち良いよ?」
「うん……生で、したい」
「何があっても責任とってくれるならいいよ。家庭、築ける?」
「当たり前でしょ」
刹那、いつもの数倍熱を孕んだ彼のものが膣口に触れ、躊躇いもなく膣に押し込まれる。
「あ……ゆーぐ……んッ……!!」
二人して極上の快感に溺れてゆく。夢中で何度も愛し合い、明日が仕事だということも忘れ、私たちはベタベタのとろとろになるまで──夜遅くまで何度もその身を交わらせた。
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